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更新日:2026/07/13

相続手続きの期限一覧!過ぎた時のリスクと対処法

監修者
関根 翔
東京都>豊島区
池袋副都心法律事務所
関根 翔
相続手続きの期限一覧!過ぎた時のリスクと対処法
相続に関する諸手続きには、3か月・10か月・3年などの期限が定められた手続きがいくつかあります。「うっかり過ぎてしまったらどうなるのか」「もう間に合わないのか」と不安を抱える方も多いかと思います。万が一期限を過ぎてしまった場合、対処法がある手続きもありますが、取り返しがつかない手続きもあります。この記事では、相続放棄・税金・相続登記それぞれの期限に関する対処法と、期限管理のポイントをわかりやすく解説します。
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相続手続きの期限はいつまで?まず確認すべき一覧

相続手続きの期限一覧

相続に関する諸手続きの中には、期限が定められている手続きがあります。主に、以下の手続きがあげられます。

  • 死亡届、火葬許可申請(7日
  • 厚生年金・共済年金受給停止(10日)
  • 国民年金受給停止、国民健康保険資格喪失、世帯主の変更届(14日
  • 相続放棄、限定承認(3か月
  • 準確定申告・納付(4か月
  • 相続税の申告・納付(10か月
  • 遺留分侵害額請求(1年
  • 死亡一時金の請求(2年
  • 不動産の名義変更、生命保険金の請求(3年
  • 相続税の還付(5年10か月

準確定申告や相続税申告の期限に間に合わなかった場合、税金を余分に支払うことになったり、相続放棄や限定承認の期限に間に合わなかった場合、亡くなった人の借金を引き継ぐことになったりする可能性があります。

他方で、期限の定めがない手続きもあります。期限の定めがない手続きも、他の手続きへの影響を考えて、早めに着手することが大切です。

それぞれの手続きについて、「いつまでに行えばよいのか」「どんな手続きが必要なのか」といったポイントについて解説します。

7日以内|死亡届、火葬許可申請

被相続人が亡くなって、すぐにやらなければならないことは、市区町村の役所に死亡届を出すことです。死亡届は、死亡したことを知った日から7日以内(国外で死亡した場合は、そのことを知った日から3か月以内)に提出する必要があります。

死亡届を提出しないと、戸籍上に「死亡した」という情報が記載されません。被相続人が亡くなった旨が記載された戸籍は、さまざまな相続に関する手続きに必要となります。正当な理由がなく期限内に死亡届を提出しないと、5万円以下の過料が課せられる可能性があります。

死亡届を提出できるのは、被相続人の親族や同居していた人などです。被相続人の死亡地、本籍地、または届出人の住所地のいずれかの市区町村の役所に提出します。

死亡届を提出する際には、死亡診断書または死体検案書が添付書類として必要となります。これは死亡を証明するために医師が発行する書類で、家族が亡くなったことが確認されると医師から交付されます。

また、死亡届と同時に通常は火葬許可申請書も提出します。これは市区町村長から火葬の許可を得るための書類で、提出すると火葬許可証が交付され、葬儀を行えるようになります。

14日以内|国民年金受給停止、国民健康保険資格喪失や世帯主の変更届

国民年金の受給停止

被相続人が年金を受給していた場合、亡くなることにより年金を受給する権利がなくなります。そのため、年金受給権者死亡届(報告書)を年金事務所または年金相談センターに提出する必要があります。

ただし、日本年金機構にマイナンバー(個人番号)を登録している場合には、原則としてこの届出を省略できます。

手続きの期限は、国民年金は死亡日から14日以内、厚生年金は死亡日から10日以内です。年金の受給停止をせずに受給し続けると、不正受給として年金の返還を求められます

健康保険の資格喪失手続き

健康保険の被保険者の資格は、本人が亡くなることにより喪失します。そのため、健康保険の資格喪失の手続きと保険証の返却が必要となります。

手続きをすると、国民健康保険や後期高齢者医療制度は「葬祭費」、健康保険や共済組合は「埋葬料」として、3〜5万円ほどが支給されます

手続きの期限は、健康保険の種類によって異なります。

被相続人の職業・年齢

健康保険の種類

期限

自営業

国民健康保険

亡くなった日から14日以内

75歳以上(または一定の障害のある65歳以上)

後期高齢者医療制度

亡くなった日から14日以内

会社員・公務員

健康保険・共済組合

亡くなった日から5日以内

世帯主の変更届

世帯主変更届は、被相続人が世帯主だった場合に、住民票上の世帯主を変更するために役所に提出する書類です。

次の場合には、世帯主変更届の提出は不要です。

  • 被相続人が世帯主ではなかった場合
  • 世帯の中で残された人が1人だけの場合
  • 新しい世帯主が明らかな場合(残された家族が妻と幼い子というような場合)

提出する期限は、世帯主が変わった日(世帯主が亡くなった日)から14日以内です。正当な理由がなく提出しないと、5万円以下の過料が課せられる可能性があります。世帯主変更届は、死亡届や火葬許可申請書と一緒に提出すると手続きがスムーズです。

3か月以内|相続放棄

相続放棄の期限と流れ

相続放棄とは、被相続人の権利義務(財産や負債)の一切を放棄することをいいます。

プラスの財産よりも、借金などのマイナスの財産が多い場合に利用されることが多いです。また、特定の相続人(家業を継ぐ人)などにすべての遺産を相続させるために、他の相続人が相続放棄するケースもあります。

相続放棄をした人は、「はじめから相続人とならなかった」とみなされ、プラス・マイナス含め、すべての遺産を引き継がないことになります。「貯金と不動産は欲しいけど、借金だけは放棄したい」など、部分的に放棄することはできません

相続放棄の手続きは、原則として、相続の開始があったこと(被相続人が亡くなったこと)を知った日の翌日から3か月以内(熟慮期間)に行う必要があります。熟慮期間を過ぎると、「相続することを認めた」とみなされます(法定単純承認)。

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄は、被相続人の最後の住所地を担当する家庭裁判所において手続きします。

家庭裁判所に必要書類を提出した後、照会書が届きます。

照会書の内容は、家庭裁判所によって異なるようですが、「相続が開始したことをいつ知ったか」「被相続人に負債があることをいつ知ったか」「被相続人の死亡後、財産を処分したり負債を返済したりしたことはあるか」「相続放棄すると、被相続人の一切の権利義務を承継できなくなるが、そのことを理解した上で、相続放棄を自らの意思で行うことに間違いはないか」等の質問に回答できるようにしておけばよいでしょう。

家庭裁判所が書類をチェックし、相続放棄の条件を満たしていると判断されれば、相続放棄申述受理通知書が届きます。以上で、相続放棄の手続きは終了します。

期限内に相続放棄できない場合の対処法

熟慮期間中に財産の調査が終わらない場合、家庭裁判所に申し立てることで、熟慮期間を延長できる可能性があります。申し立てる裁判所は、被相続人の最後の住所地を担当する家庭裁判所です。

4か月以内|準確定申告・納付

準確定申告とは、確定申告が必要な被相続人が亡くなった場合に、被相続人に代わって確定申告を行う手続きです。

期限は、相続の開始があったこと(被相続人が亡くなったこと)を知った日の翌日から4か月以内です。期限を過ぎると延滞税が発生します

被相続人が自営業だった場合のほか、医療費控除などで還付を受ける場合にも準確定申告を行います。手続きの内容は、通常の確定申告とほぼ同じです。

10か月以内|相続税の申告・納付

相続税は、相続の開始があったこと(被相続人が亡くなったこと)を知った日の翌日から10か月以内に申告と納付を行わなければなりません。間に合わない場合は延滞税が発生します

相続税の申告・納付の手続きは、遺言書を探したり遺産分割協議をしたりする相続手続きと併行して進めていく必要があります。

相続税が発生するケース

相続税が発生するのは、遺産の合計額が基礎控除額より多い場合です。基礎控除額より少ない場合は、相続税を支払う必要はありません。

遺産の合計額は、預金や土地などの評価額の合計から、債務や葬儀費用の金額を引いた額です。基礎控除額の計算方法は、次のとおりです。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

相続税の申告・納付手続きの流れ

相続税の申告・納付手続きの流れは、以下のとおりです。

  • 相続税を支払う人を確認する
  • 遺産を調べる
  • 相続税を計算する
  • 相続税を申告し、納税する

ここでは、各手続きの大まかな内容を紹介します。

相続税を支払う人を確認する

相続税を支払うのは、原則として遺産を受け継ぐ人です。相続人でない場合でも、遺言で遺産を譲り受ける場合には、相続税を支払うことになります。

遺産を調べる

相続税は、遺産の合計額をもとに計算します。そのため、どのような遺産があるのか、遺産の評価額はいくらかを調査します。

相続税を計算する

遺産の合計額と相続人の人数をもとに相続税を計算します。相続税にはいくつかの特例があり、場合によっては相続税が少なくなったり、逆に多くなったりします。

相続税が少なくなる特例には「配偶者控除」「未成年者控除」「小規模宅地等の特例」などがあります。逆に多くなるのは、遺言で配偶者・子ども・親以外の人に財産を受け継がせる場合や、孫を養子にしている場合などです。

相続税を申告し、納付する

相続税を申告するには、相続税の申告書を作成して税務署に提出します。相続税の納付は、一括払いが原則です。

期限までに申告・納付できない場合、どうすればよい?

相続税の申告期限までに遺産分割が終わらない場合もあるでしょう。しかし、そのような場合であっても、期限までに申告しなければなりません

申告期限までに遺産分割が終わらない場合には、法定相続分で遺産を分割したと仮定して相続税を申告します。その後、遺産分割が終わったら、分割内容に基づいて相続税を計算し直します。

  • 税額が不足する場合 …… 修正申告をして、追加の納税をする
  • 税額が多すぎた場合 …… 更正の請求をして、払い過ぎた相続税を返してもらう(還付)

なお、更正の請求には期限があり、遺産分割があったことを知った日の翌日から4か月以内です。

相続税の申告期限が迫っているのにまだ財産調査もできていない場合は、税理士のサポートを受けることを検討するとよいでしょう。専門家のアドバイスを受けながら、1つ1つの手続きを確実に進めていくことが大切です。

遺留分侵害額請求にも期限がある

遺留分があれば最低限の取り分を取り戻せる

遺留分とは、一定の相続人について、被相続人の財産から法律上取得することが保障されている最低限の取り分のことです。

たとえば「遺産はすべて長男に相続させる」という遺言書がある場合、遺言書の記載に従うと、長男以外の相続人の取り分は0になります。この場合、長男以外の相続人の遺留分が侵害されていることとなります。遺留分が侵害されている相続人は、侵害されている金額の支払いを請求することができ、これを遺留分侵害額請求といいます。

遺留分侵害額請求ができるのは、被相続人が亡くなったことと、減殺すべき贈与や遺贈があることを知ったときから1年以内です。また、それらを知らなかったとしても、被相続人が亡くなった時から10年経つと請求できなくなります

遺留分侵害額請求をする場合、遺言書や生前贈与などによって直接利益を得た人(遺産を多くもらった相続人や、遺贈・生前贈与を受けた人など)に対して、遺留分侵害額請求をする旨を伝えます。遺言執行者がいる場合には、遺言執行者にも伝えます。

2年以内|死亡一時金の受取請求

死亡一時金とは、第1号被保険者が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受給しないまま亡くなった場合に、遺族に支給されるお金です。保険料を納めた月数が36か月以上あることが必要です。

死亡一時金の額は、保険料を納めた月数に応じて12万円から32万円となります。

請求できる期限は、死亡日の翌日から2年です。期限を過ぎると請求できなくなります

3年以内|不動産の相続登記と生命保険金の請求

相続登記は2024年4月から義務化され、不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記しなければなりません。これは過去の相続も対象で、2024年4月より前に取得したことを知った不動産は2027年3月31日までが期限となります。相続登記を正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になることがあります。

生命保険金の請求についても3年以内に行う必要があります。受取人が保険金を受け取る権利には3年の消滅時効があり、原則として支払いの事由が発生した日の翌日から3年を過ぎると、請求できなくなるおそれがあります。亡くなった方が加入していた保険がないか調べるため、保険証券の有無や、預貯金口座の履歴(保険料の引き落としがないか)などを、早めに確認しておきましょう。

どちらも、戸籍などの必要書類をそろえるのに時間がかかることがあります。3年あるからと油断せず、早めに手続きを進めることが大切です。

5年10か月以内|相続税の還付

相続税を申告・納付したあとに、相続税を払い過ぎていたことに気付いた場合、更正の請求を行うことで、払い過ぎた税金の還付を受けることができます。

更正の請求の期限は、相続税の申告期限から5年です。相続税の申告期限は相続開始から10か月なので、合わせると相続開始から5年10か月となります。期限を過ぎると更正の請求ができなくなります

なお、以下のような事由が発生したことにより更生の請求をする場合は、事由の発生を知った日の翌日から4ヶ月が更生の請求の期限となります。 

・未分割の財産が分割された

・認知、廃除等により相続人に異動が生じた

・遺留分侵害額請求に基づき支払うべき金額が確定した

・遺贈が記載された遺言書が発見された

・遺贈が放棄された

更正の請求を行うには、相続税の申告をした税務署に必要書類を提出します。必要書類に記載した口座に、後日、還付金が振り込まれます。

期限の定めがない遺産相続に関する手続き|遺産分割協議、遺言書の検認など

期限の定めがある手続きがある一方で、期限の定めがない手続きもあります。たとえば、以下のような手続きです。

  • 遺言書の検認
  • 遺産分割協議
  • 銀行の預貯金の払戻しや名義変更

ただし、期限の定めがないからといって、いつまでも着手せずにいるのは禁物です。1つの手続きが遅れると、その後に続く手続きに支障が出る可能性があります。期限の定めがない手続きであっても、できるだけ早めに行いましょう。

遺言書の検認

遺言書の検認には明確な期限の定めはありませんが、相続の開始を知った後、遅滞なく検認を請求しなければならない旨、このことを怠ると5万円以下の過料に処する旨が民法に定められています。また、検認をしなければ遺言書に基づく相続手続きを進めることができません。遺言書の検認は、できる限り速やかに行う必要があります

遺産分割協議

遺産分割協議に期限の定めはありませんが、遺産分割協議が成立するまでは、財産の名義変更や預金の払い戻しなどができません。また、相続税の申告・納付期限にも間に合わず、控除が適用できない可能性も生じます。遺産分割協議は早めに行うようにしましょう。

銀行の預貯金の払い戻しや名義変更

銀行などの預貯金の払い戻しや名義変更に期限の定めはありませんが、5年の消滅時効があります。時効期間を過ぎた場合でも、銀行において口座残高の確認ができた場合は、払戻しに応じている銀行が多いようですが、銀行において残高が確認できない場合などには、消滅時効を理由に払戻しを断られる可能性があります。

なお、10年間取引のない預金は「休眠預金」として預金保険機構に移管され、NPO法人などの民間団体が行う公益活動に活用されます。休眠預金になった場合でも、金融機関で手続きを行えば預金を引き出すことは可能です。

相続に関する手続きの期限に関する対処法

相続手続きの期限と過ぎたときの不利益

相続の手続きには、期限が法律で定められているものがいくつかあります。代表的なものとして、相続放棄(3か月)・相続税の申告(10か月)・相続登記(3年)などがあります。

これらは、万が一期限が過ぎてしまった場合、対処が可能な場合と、取り返しがつかない場合があります。まずは、それぞれの期限に関し、どのような対処をすればよいかを見ていきましょう。

相続放棄の期限に関する対処

相続放棄には、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内という期限があります。この期間を熟慮期間といいます。

この3か月を過ぎると、原則として単純承認をしたものとみなされます。単純承認した場合、プラスの財産もマイナスの財産もすべて引き継ぐことになります。つまり、期限を過ぎると借金も相続することになってしまうのです。

かかる期限に関する対処は、以下の通りとなります。まだ期限を過ぎていない場合であれば、家庭裁判所に申し立てて熟慮期間の延長の手続きをすることが可能です。

  • 期限を過ぎてしまっている場合でも、借金の存在をまったく知らず、知らなかったことに相当な理由がある場合は、借金を知った時から3か月以内を熟慮期間として、例外的に相続放棄が認められる可能性があります。

後者は例外的な扱いで、判断も難しいため、「借金が後から判明した」というようなケースでは、できるだけ早く弁護士に相談することが大切です。

税金の申告・納付の期限に関する対処

相続税の申告と納付には、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内という期限があります。

この期限を過ぎると、本来の相続税に加えて、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されることがあります。期限を過ぎてしまった場合でも、できるだけ速やかに申告・納付することで、ペナルティの程度を抑えることができます。

注意したいのが、相続税を軽くする特例の扱いです。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、原則として期限内に申告することが適用の条件になっています。

ただし、遺産分割が間に合わず未分割のまま申告する場合でも、「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出しておけば、後で遺産分割が成立したときに、これらの特例を受けることができます。申告・納付期限が迫っている場合は、速やかに税理士に相談するべきでしょう。

相続登記の期限に関する対処

相続した不動産の名義を変える相続登記は、2024年4月1日から義務化されました。不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記しなければなりません。

これは過去の相続も対象で、2024年4月より前に相続したことを知った不動産については、2027年3月31日が期限となります。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料が課される可能性があります

「遺産分割がまとまらず、3年以内に登記できそうにない」という場合の救済制度が、相続人申告登記です。法務局に「自分が相続人である」旨の登記を申請することで、ひとまず相続登記の義務を果たしたものとみなされます。遺産分割が成立した後で、改めて正式な相続登記をすることになります。

相続手続きの期限でよくある質問

最後に、相続に関する手続きの期限についてよく寄せられる疑問にお答えします。

期限がない手続きは放置してよいですか?

いいえ、期限の定めがないからといって放置することはおすすめできません

遺産分割や預貯金の名義変更など、法律上の明確な期限の定めがない手続きもあります。しかし、放置している間に相続人の一人が亡くなった場合、その相続人の子や配偶者へと権利が引き継がれ、関係者が増えて話し合いが複雑になることがあります。

また、取得しなければならない戸籍などの必要書類が増えたり、税金の特例や登記の義務といった別の期限に間に合わなくなったりすることもあります。期限の定めがない手続きについても、速やかに手続きを進めておくべきでしょう。

遺産分割協議に期限はありますか?

遺産分割協議そのものに、法律上の期限の定めはありません。

ただし、2023年4月に施行された法改正により、相続開始から10年が経過すると、原則として特別受益や寄与分を主張できなくなります。特別受益や寄与分は、特定の相続人に対する被相続人からの生前の援助や、特定の相続人による被相続人への貢献を考慮して、遺産の取り分を調整するしくみです。

相続の開始から10年を過ぎると、これらを考慮せず法定相続分を基準として分割することとなるのが原則です。特別受益や寄与分の主張を検討している場合は、早めに遺産分割の手続きを進めるべきでしょう。

自分で期限管理できますか?

はい、ポイントを押さえればご自身で各種手続きの期限を管理することも可能でしょう。まずは、主な期限と起算点を一覧にして把握しておきましょう。

手続き

期限

起算点

相続放棄

3か月

相続の開始を知った時

相続税の申告

10か月

相続の開始を知った日の翌日

相続登記

3年

不動産の取得を知った日

遺留分侵害額請求

1年

相続開始と遺留分侵害を知った時

これらの起算点を確認し、カレンダーやリマインダーに登録しておくと良いでしょう。

一方で、相続人が多い、財産の種類が複雑、すでに期限が迫っているといった場合は、ご自身だけで抱え込まずに専門家に相談するほうが良いでしょう。期限を過ぎてからでは取れない対処もあるため、早めの行動が重要となります。

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