

弁護士に依頼する場合の費用は、主に以下のような費目に分けられます。
これらの料金は、一律に決まっているわけではなく、法律事務所や弁護士ごとに異なります。具体的な料金は事務所がホームページなどで紹介していることが多いので、依頼を検討する際は確認してみましょう。ホームページがない場合は、相談する前に電話などで問い合わせてみましょう。
※料金には別途消費税がかかります。
「法律相談料」は、弁護士に依頼する前に「どのようなことに悩んでいるか」を弁護士に相談するときにかかる費用です。「30分5,000円」など、時間単位で金額が決まっていることが多いです。初回の相談料を無料にしている事務所もあります。法律相談時に支払うことが一般的です。

相続弁護士ドットコム掲載681事務所の料金表を集計すると、初回の法律相談を無料としている事務所は63%(430事務所)で最も多く、有料の事務所は32%(220事務所)でした。
有料の場合は「30分5,500円(税込)」が最多(有料事務所の76%)で、これは旧日弁連基準の30分5,000円に消費税を加えた水準にあたります。
初回無料は多数派ですが『どの事務所でも必ず無料』ではないため、予約時に相談料の有無を確認しておくと安心です。
(集計:相続弁護士ドットコムの掲載事務所の料金表681件、うち初回相談料の記載652件、2026年時点・当社調べ。金額は税込)
「着手金」は、実際に遺産分割協議の代理人などを弁護士に依頼するときに支払う費用です。依頼人が希望した通りの結果とならなかった場合にも支払う必要があります。依頼するタイミングで支払うことが一般的です。
着手金や報酬金の決め方は、法律事務所によって異なります。たとえば、どのようなことを頼むかによって金額を固定で決めている事務所があります。
依頼内容 | 着手金 |
|---|---|
交渉+調停 | 30万円 |
審判 | 20万円 |
一方で、固定の金額を決めずに「割合(%)」で着手金を定めている法律事務所もあります(経済的利益については後で解説します)。
経済的利益の額 | 着手金 |
|---|---|
300万円以下 | 8%(最低額10万円) |
300万円超〜3,000万円以下 | 5%+9万円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 3%+69万円 |
3億円超 | 2%+388万円 |

では、実際の料金表ではいくらに設定されているのでしょうか。掲載事務所の遺産分割の着手金(最低額)を集計すると、中央値は22万円(税込)でした。
金額の分布は、22万円が36%(98事務所)で最も多く、次いで33万円が27%(74事務所)、11万円が15%(42事務所)と続き、この3つの金額で全体の約8割を占めます。「まずは20万円前後」を見込んでおくと掲載事務所の傾向に近い目安になります。
(集計:相続弁護士ドットコムの掲載事務所の料金表のうち遺産分割の着手金を明記した276事務所、最低額ベース、2026年時点・当社調べ。金額は税込)
「報酬金」は、一般的には、依頼したことが解決したときに支払うお金です。相続の案件でいえば、弁護士に依頼したことによって得られた相続分(経済的利益)に、一定の割合で支払うことが一般的です。
たとえば、ある法律事務所の料金表では、次のような報酬金を定めています。
依頼内容 | 報酬金 |
|---|---|
交渉+調停 | 50万円もしくは経済的利益の10%の高い方 |
審判 | 50万円もしくは経済的利益の10%の高い方 |
このように、固定の料金と、経済的利益を基準にした料金のいずれか高い方を支払う料金設定にしている場合があります。また、経済的利益を基準にした料金だけを設定しているケースもあります。
経済的利益の額 | 報酬金 |
|---|---|
300万円以下 | 16%(最低額20万円) |
300万円超〜3,000万円以下 | 10%+18万円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 6%+138万円 |
3億円超 | 4%+676万円 |
報酬金についても、法律事務所によって料金設定はさまざまなので、法律相談時や依頼するときに確認しましょう。
相続の案件で「経済的利益」というと、主に以下の2種類の考え方があります。
以下のような場合を例に、報酬金を計算してみましょう。
経済的利益を「増加分」と考えた場合、経済的利益は200万円となり、報酬金は20万円(200万円の10%)です。一方、依頼者が得られた相続分すべてを経済的利益とする場合は300万円が経済的利益となり、報酬金は30万円(300万円の10%)です。
このように、報酬金の計算方法は弁護士や法律事務所によって異なる場合があります。どのように計算するかは、依頼する前にしっかり確認しておくようにしましょう。

報酬金を「経済的利益の◯%」という料率で定めている事務所を集計すると、料率の中央値は13.2%でした。最も多いのは17.6%(旧日弁連基準16%+消費税)で34%の事務所が採用し、次いで11%(旧10%+消費税)が25%、10%が10%と続きます。
低いところで3.0%、高いところで27.5%と開きがあるため、料率そのものだけでなく、あとで解説する「経済的利益をどう計算するか」までセットで確認することが大切です。
(集計:相続弁護士ドットコムの掲載事務所の料金表のうち遺産分割の報酬金率を明記した93事務所、2026年時点・当社調べ)
「日当」は、弁護士が遠方に出張する必要がある場合に支払う費用です。「移動時間が何時間未満だと何万円、何時間以上だと何万円」のように、移動時間の長さなどに応じて設定していることが一般的です。具体的な料金設定は弁護士によって異なるので、相談時などに確認しましょう。
着手金や報酬金ではなく、「かかった時間」で報酬を計算する弁護士もいます(タイムチャージ)。時間あたりいくらなのか、どのような時間に費用が発生するのか、依頼する際にしっかりと確認しておきましょう。
弁護士費用の料金体系は弁護士が自由に設定できますが、かつて日本弁護士連合会が定めた旧日弁連報酬基準があり、自由化された現在でもこの基準が一定数利用されていることから、ひとつの目安になっています。そのため、ここでは旧日弁連報酬基準を相場の目安として紹介します。あわせて、相続弁護士ドットコムの掲載事務所の実際の料金も並べて示します。
「法律相談料」は、旧日弁連基準では30分ごとに5,000円(税別)です。相続弁護士ドットコムに掲載された681事務所では初回相談を無料とする事務所が63%で最も多く、有料の場合は「30分5,500円(税込)」が主流です。
「着手金」の相場は、旧日弁連基準では最低10万円(税別)で、経済的利益の額によって変動します。遺産分割協議の交渉や遺産分割調停を依頼する場合には、下記の金額から3分の2を減額する場合があります。相続弁護士ドットコムに掲載された681事務所では、固定の最低着手金を設ける事務所が多く、遺産分割では最低22万円(税込)が最多・中央値も22万円です。
経済的利益の額 | 着手金の割合 |
|---|---|
300万円以下 | 8% |
300万円超〜3,000万円以下 | 5%+9万円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 3%+69万円 |
3億円超 | 2%+369万円 |
具体的な着手金の金額は、以下のようになります。
経済的利益の額 | 着手金 |
|---|---|
100万円 | 10万円 |
1,000万円 | 59万円 |
1億円 | 369万円 |
10億円 | 2,369万円 |
「報酬金」の額は経済的利益の額によって変動します。ただし、遺産分割協議の交渉や遺産分割調停を依頼する場合には、上記の金額から3分の2を減額する場合があります。相続弁護士ドットコムに掲載された681事務所では、報酬金を料率で定める事務所の料率は中央値13.2%、11〜17.6%が中心です。
経済的利益の額 | 報酬金の割合 |
|---|---|
300万円以下 | 16% |
300万円超〜3,000万円以下 | 10%+18万円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 6%+138万円 |
3億円超 | 4%+738万円 |
具体的な報酬金の金額は、以下のようになります。
経済的利益の額 | 報酬金 |
|---|---|
100万円 | 16万円 |
1,000万円 | 118万円 |
1億円 | 738万円 |
10億円 | 4,738万円 |
「日当」の相場は、半日(往復2時間を超え4時間まで)で3万〜5万円、1日(往復4時間を超える場合)で5万〜10万円です。

以上の相場を参考に、遺産分割を弁護士に依頼した場合の具体的な弁護士費用を計算してみましょう。
費目 | 金額 |
|---|---|
相談料 | 5,000円 |
着手金 | 59万円 |
報酬金 | 118万円 |
合計 | 177万5,000円 |
遺産分割協議から継続して調停を依頼する場合には、着手金が通常の2分の1となります。
費目 | 金額 |
|---|---|
相談料 | 5,000円 |
遺産分割協議の着手金 | 59万円 |
遺産分割調停の着手金 | 29万5,000円 |
報酬金 | 118万円 |
合計 | 207万円 |
遺産分割調停そのものの進め方や有利に進めるコツは、次の記事で詳しく解説しています。

相続弁護士ドットコムに掲載中の解決事例1,212件を解決方法別に見ると、話し合い(協議)で解決したものが42%(514件)と最も多く、次いで調停23%(279件)、審判13%(155件)、訴訟12%(142件)、その他10%です。
協議段階で決着した場合は、調停・審判へ進む際の追加着手金が発生しません。まずは協議を前提に費用を見積もり、まとまらなかったときの調停費用を「上乗せ分」として押さえておくと、シミュレーションが実態に合います。
(集計:弁護士ドットコムが保有する公開解決事例1,212件、2026年時点・当社調べ)
遺言書作成や相続放棄など、遺産分割以外の相続に関する手続きの代行を依頼する場合の費用を紹介します。
定型の遺言の作成を弁護士に依頼した場合の費用相場は10万〜20万円です。公正証書にする場合にはプラス3万円がかかります。多くの法律事務所では公正証書遺言を作成するのが通常なので、遺言作成費用の相場は13万〜23万円ということになります。

相続弁護士ドットコム掲載事務所の遺言書作成費用(最低額)を集計すると、中央値は11万円(税込)で、11万円が50%(150事務所)と最も多く、次いで22万円が15%、16万5,000円が10%と続きます。最も低い事務所で3万円、高い事務所で55万円でした。公正証書にする場合の公証役場の手数料は別途かかる点に注意しましょう。
(集計:相続弁護士ドットコムの掲載事務所の料金表のうち遺言書作成費用を明記した303事務所、最低額ベース、2026年時点・当社調べ。金額は税込)
遺言書の作成費用は、自分で作る場合との比較も含めて次の記事でまとめています。
遺言の内容を実現するために遺言執行者の就任を弁護士に依頼する場合、基本的な遺言執行の報酬の相場は経済的利益(遺産総額)の額により変動します。
経済的利益(遺産総額) | 遺言執行の報酬 |
|---|---|
300万円以下 | 30万円 |
300万円超〜3,000万円以下 | 2%+24万円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 1%+54万円 |
3億円超 | 0.5%+204万円 |
具体的な報酬の金額は、以下のようになります。
経済的利益の額 | 遺言執行の報酬 |
|---|---|
100万円 | 30万円 |
1,000万円 | 44万円 |
1億円 | 154万円 |
10億円 | 704万円 |
相続放棄の手続きを弁護士に依頼する場合の費用相場は、特に複雑な事情がなければ10万〜20万円です。

相続弁護士ドットコム掲載事務所の相続放棄の費用(最低額)を集計すると、中央値は7万円(税込)でした。11万円が33%(34事務所)で最も多い一方、5万5,000円が25%(26事務所)と続き、最も低い事務所で2万円、高い事務所で27万5,000円でした。
一般に言われる相場(10万〜20万円)よりも低めに設定している事務所も多く、複雑な事情がなければ数万円台から依頼できるケースもあります。
(集計:相続弁護士ドットコムの掲載事務所の料金表のうち相続放棄の費用を明記した104事務所、最低額ベース、2026年時点・当社調べ。金額は税込)
相続放棄を弁護士と司法書士のどちらに依頼すべきか、費用を抑える方法は次の記事で解説しています。
遺留分侵害額請求を弁護士に依頼する場合の費用相場は、次のとおりです。
相手方との交渉を依頼する場合の着手金は次のとおりで、最低10万円です。
経済的利益の額 | 着手金 |
|---|---|
300万円以下 | 8% |
300万円超〜3,000万円以下 | 5%+9万円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 3%+69万円 |
3億円超 | 2%+369万円 |
報酬金の額は次のとおりです。
経済的利益の額 | 報酬金 |
|---|---|
300万円以下 | 16% |
300万円超〜3,000万円以下 | 10%+18万円 |
3,000万円超〜3億円以下 | 6%+138万円 |
3億円超 | 4%+738万円 |
遺留分侵害額請求のやり方や期限、請求された場合の対処法は、次の記事で詳しく解説しています。
遺産分割協議で相続人全員の合意ができている場合、遺産分割協議書の作成のみを弁護士に依頼することができます。その場合の費用相場は経済的利益の額(遺産総額)により変動します(内容が定型の場合)。
経済的利益の額(遺産総額) | 遺産分割協議書の作成費用 |
|---|---|
1,000万円未満 | 10万円 |
1,000万円以上〜1億円未満 | 20万円 |
1億円以上 | 30万円以上 |
弁護士費用は、依頼者が負担するのが原則です。弁護士は、あくまで依頼者の代理人であり、相続人全員の代理人ではないからです。
ただし、依頼者側で相続人調査や遺産調査を行い、相続人全員の利益につながっているような場合には、相続人全員の合意に基づき、弁護士を依頼した相続人の取得分を増やすことで、実質的に弁護士費用を遺産の中から負担したのと同じ扱いにすることは可能です。
弁護士に依頼するメリットや、税理士・司法書士との違い、費用を誰が払うのかは次の記事でまとめています。
弁護士費用を抑えたい、まとまったお金を用意しにくいという場合は、次の方法を検討しましょう。
相続弁護士ドットコム掲載事務所の中で、初回相談を無料とする事務所は63%(430事務所)、着手金などの分割払いに言及している事務所は56%(382事務所)あります。
一方、事件が成功した場合のみ報酬を支払う「完全成功報酬制(着手金無料)」に言及する事務所は3%(22事務所)と限られます。
初回無料と分割払いは多くの事務所が用意しているので、条件を確認して活用しましょう。
(集計:相続弁護士ドットコムの掲載事務所の料金表681件、2026年時点・当社調べ)
収入や資産が一定の範囲内であれば、法テラスの民事法律扶助制度を利用できます。これにより弁護士の着手金を立て替えてもらい、後で分割返済することが可能です。利用できる条件があるため、詳細は弁護士や法テラスに確認しましょう。
弁護士費用の料金体系は法律事務所によって異なります。複数の弁護士に相談して料金を比較し、自分の予算に合った費用を選ぶことが大切です。
相続や遺産分割の弁護士費用は、依頼内容や弁護士によって異なりますが、一定の費用がかかります。費用の内訳や相場を把握し、依頼した場合にどうなるかをシミュレーションしておくとよいでしょう。
費用に関する不安がある場合には、相談の際に率直に質問してみましょう。費用面も含めて納得のいく形で進められるよう、慎重に弁護士を選びましょう。

相続での揉め事は、大事な人が亡くなった直後なので、通常の揉めごと以上の精神的な衝撃があります。お一人で悩まれず専門家に相談してください。一人で悩まれるより良い方法がきっと見つかるはずです。