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遺産相続
更新日:2026/07/13

【具体例】相続の弁護士費用相場は?内訳や払えない時の対処法

監修者
五十嵐康之
東京都>新宿区
法律事務所穂
五十嵐康之
【具体例】相続の弁護士費用相場は?内訳や払えない時の対処法
遺産相続で弁護士に依頼したいと思っても、「いくらかかるのか」「内訳はどうなっているのか」が分からず不安な方は多いものです。弁護士費用は、相談料・着手金・報酬金などの費目に分かれ、依頼内容や遺産額によって金額が変わります。この記事では、相続の弁護士費用の内訳と料金体系、旧日弁連報酬基準をもとにした相場、依頼した場合の費用シミュレーション、費用は誰が払うのか、払えないときの対処法までをわかりやすく解説します。
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相続の弁護士費用の内訳・料金体系

弁護士に依頼する場合の費用は、主に以下のような費目に分けられます。

  • 相談料
  • 着手金
  • 報酬金
  • タイムチャージ
  • 日当

これらの料金は、一律に決まっているわけではなく、法律事務所や弁護士ごとに異なります。具体的な料金は事務所がホームページなどで紹介していることが多いので、依頼を検討する際は確認してみましょう。ホームページがない場合は、相談する前に電話などで問い合わせてみましょう。

※料金には別途消費税がかかります。

① 法律相談料

「法律相談料」は、弁護士に依頼する前に「どのようなことに悩んでいるか」を弁護士に相談するときにかかる費用です。「30分5,000円」など、時間単位で金額が決まっていることが多いです。初回の相談料を無料にしている事務所もあります。法律相談時に支払うことが一般的です。

② 着手金

「着手金」は、実際に遺産分割協議の代理人などを弁護士に依頼するときに支払う費用です。依頼人が希望した通りの結果とならなかった場合にも支払う必要があります。依頼するタイミングで支払うことが一般的です。

着手金の金額はどう決まる?

着手金や報酬金の決め方は、法律事務所によって異なります。たとえば、どのようなことを頼むかによって金額を固定で決めている事務所があります。

依頼内容

着手金

交渉+調停

30万円

審判

20万円

一方で、固定の金額を決めずに「割合(%)」で着手金を定めている法律事務所もあります(経済的利益については後で解説します)。

経済的利益の額

着手金

300万円以下

8%(最低額10万円)

300万円超〜3,000万円以下

5%+9万円

3,000万円超〜3億円以下

3%+69万円

3億円超

2%+388万円

③ 報酬金(成功報酬)

「報酬金」は、一般的には、依頼したことが解決したときに支払うお金です。相続の案件でいえば、弁護士に依頼したことによって得られた相続分(経済的利益)に、一定の割合で支払うことが一般的です。

たとえば、ある法律事務所の料金表では、次のような報酬金を定めています。

依頼内容

報酬金

交渉+調停

50万円もしくは経済的利益の10%の高い方

審判

50万円もしくは経済的利益の10%の高い方

このように、固定の料金と、経済的利益を基準にした料金のいずれか高い方を支払う料金設定にしている場合があります。また、経済的利益を基準にした料金だけを設定しているケースもあります。

経済的利益の額

報酬金

300万円以下

16%(最低額20万円)

300万円超〜3,000万円以下

10%+18万円

3,000万円超〜3億円以下

6%+138万円

3億円超

4%+676万円

報酬金についても、法律事務所によって料金設定はさまざまなので、法律相談時や依頼するときに確認しましょう。

計算の基準となる「経済的利益」の具体例

相続の案件で「経済的利益」というと、主に以下の2種類の考え方があります。

  • 弁護士が介入したことによって相続の取り分が増加した場合の、その増加分を「経済的利益」とする考え方
  • 依頼者が得られた相続分すべてを「経済的利益」とする考え方

以下のような場合を例に、報酬金を計算してみましょう。

  • 依頼前の相続人同士の話し合いでは、受け取る遺産は100万円だった
  • 弁護士に代理人を依頼したことで、受け取れる遺産が300万円に増えた
  • 報酬金は経済的利益の10%

経済的利益を「増加分」と考えた場合、経済的利益は200万円となり、報酬金は20万円(200万円の10%)です。一方、依頼者が得られた相続分すべてを経済的利益とする場合は300万円が経済的利益となり、報酬金は30万円(300万円の10%)です。

このように、報酬金の計算方法は弁護士や法律事務所によって異なる場合があります。どのように計算するかは、依頼する前にしっかり確認しておくようにしましょう。

④ 日当

「日当」は、弁護士が遠方に出張する必要がある場合に支払う費用です。「移動時間が何時間未満だと何万円、何時間以上だと何万円」のように、移動時間の長さなどに応じて設定していることが一般的です。具体的な料金設定は弁護士によって異なるので、相談時などに確認しましょう。

⑤ タイムチャージ(時間制報酬)

着手金や報酬金ではなく、「かかった時間」で報酬を計算する弁護士もいます(タイムチャージ)。時間あたりいくらなのか、どのような時間に費用が発生するのか、依頼する際にしっかりと確認しておきましょう。

相続の弁護士費用相場と計算の目安

弁護士費用の料金体系は弁護士が自由に設定できますが、かつて日本弁護士連合会が定めた旧日弁連報酬基準があり、自由化された現在でもこの基準が一定数利用されていることから、ひとつの目安になっています。そのため、ここでは旧日弁連報酬基準を相場の目安として紹介します。

法律相談料の相場:30分5,000円(初回無料のケースも)

「法律相談料」は、30分ごとに5,000円です。法律事務所によっては初回無料にしているケースもあります

着手金の相場:最低10万円(経済的利益に応じて変動)

「着手金」の相場は、最低10万円です。着手金の額は経済的利益の額によって変動します。遺産分割協議の交渉や遺産分割調停を依頼する場合には、下記の金額から3分の2を減額する場合があります

経済的利益の額

着手金の割合

300万円以下

8%

300万円超〜3,000万円以下

5%+9万円

3,000万円超〜3億円以下

3%+69万円

3億円超

2%+369万円

具体的な着手金の金額は、以下のようになります。

経済的利益の額

着手金

100万円

10万円

1,000万円

59万円

1億円

369万円

10億円

2,369万円

報酬金の相場:得られた経済的利益の額による

「報酬金」の額は経済的利益の額によって変動します。ただし、遺産分割協議の交渉や遺産分割調停を依頼する場合には、上記の金額から3分の2を減額する場合があります

経済的利益の額

報酬金の割合

300万円以下

16%

300万円超〜3,000万円以下

10%+18万円

3,000万円超〜3億円以下

6%+138万円

3億円超

4%+738万円

具体的な報酬金の金額は、以下のようになります。

経済的利益の額

報酬金

100万円

16万円

1,000万円

118万円

1億円

738万円

10億円

4,738万円

日当の相場:半日3万〜5万円、1日5万〜10万円

「日当」の相場は、半日(往復2時間を超え4時間まで)で3万〜5万円、1日(往復4時間を超える場合)で5万〜10万円です。

【具体例】遺産分割を依頼した場合の弁護士費用例

以上の相場を参考に、遺産分割を弁護士に依頼した場合の具体的な弁護士費用を計算してみましょう。

パターンA:遺産分割協議で合意し、経済的利益が1,000万円の場合

費目

金額

相談料

5,000円

着手金

59万円

報酬金

118万円

合計

177万5,000円

パターンB:遺産分割協議からスタートし、途中で調停も依頼する場合

遺産分割協議から継続して調停を依頼する場合には、着手金が通常の2分の1となります。

費目

金額

相談料

5,000円

遺産分割協議の着手金

59万円

遺産分割調停の着手金

29万5,000円

報酬金

118万円

合計

207万円

遺産分割以外の「相続手続き」に関する弁護士費用相場

遺言書作成や相続放棄など、遺産分割以外の相続に関する手続きの代行を依頼する場合の費用を紹介します。

遺言書作成の費用相場(13万〜23万円)

定型の遺言の作成を弁護士に依頼した場合の費用相場は10万〜20万円です。公正証書にする場合にはプラス3万円がかかります。多くの法律事務所では公正証書遺言を作成するのが通常なので、遺言作成費用の相場は13万〜23万円ということになります。

遺言執行者の報酬相場(遺産総額により変動)

遺言の内容を実現するために遺言執行者の就任を弁護士に依頼する場合、基本的な遺言執行の報酬の相場は経済的利益(遺産総額)の額により変動します。

経済的利益(遺産総額)

遺言執行の報酬

300万円以下

30万円

300万円超〜3,000万円以下

2%+24万円

3,000万円超〜3億円以下

1%+54万円

3億円超

0.5%+204万円

具体的な報酬の金額は、以下のようになります。

経済的利益の額

遺言執行の報酬

100万円

30万円

1,000万円

44万円

1億円

154万円

10億円

704万円

相続放棄の手続き代行の費用相場(10万〜20万円)

相続放棄の手続きを弁護士に依頼する場合の費用相場は、特に複雑な事情がなければ10万〜20万円です。

遺留分侵害額請求(内容証明郵便の作成は3万〜5万円)

遺留分侵害額請求を弁護士に依頼する場合の費用相場は、次のとおりです。

  • 内容証明郵便の作成(特に複雑・特殊な事情がない場合):3万〜5万円
  • 相手方との交渉:経済的利益による(着手金と報酬金が発生)

相手方との交渉を依頼する場合の着手金は次のとおりで、最低10万円です。

経済的利益の額

着手金

300万円以下

8%

300万円超〜3,000万円以下

5%+9万円

3,000万円超〜3億円以下

3%+69万円

3億円超

2%+369万円

報酬金の額は次のとおりです。

経済的利益の額

報酬金

300万円以下

16%

300万円超〜3,000万円以下

10%+18万円

3,000万円超〜3億円以下

6%+138万円

3億円超

4%+738万円

遺産分割協議書の作成のみを依頼する場合(10万円〜)

遺産分割協議で相続人全員の合意ができている場合、遺産分割協議書の作成のみを弁護士に依頼することができます。その場合の費用相場は経済的利益の額(遺産総額)により変動します(内容が定型の場合)。

経済的利益の額(遺産総額)

遺産分割協議書の作成費用

1,000万円未満

10万円

1,000万円以上〜1億円未満

20万円

1億円以上

30万円以上

相続の弁護士費用は誰が支払う?

弁護士費用は、依頼者が負担するのが原則です。弁護士は、あくまで依頼者の代理人であり、相続人全員の代理人ではないからです。

ただし、依頼者側で相続人調査や遺産調査を行い、相続人全員の利益につながっているような場合には、相続人全員の合意に基づき、弁護士を依頼した相続人の取得分を増やすことで、実質的に弁護士費用を遺産の中から負担したのと同じ扱いにすることは可能です。

相続の弁護士費用が払えない場合の対処法と安く抑えるコツ

弁護士費用を抑えたい、まとまったお金を用意しにくいという場合は、次の方法を検討しましょう。

初回無料の法律相談を活用する

無料の法律相談を提供している法律事務所が数多くあります。ホームページやポータルサイトで確認し、無料相談が可能な法律事務所を選びましょうただし、無料相談の範囲や条件は法律事務所によって異なるため、事前に確認するようにしましょう。

法テラスの民事法律扶助制度(立て替え)を利用する

収入や資産が一定の範囲内であれば、法テラスの民事法律扶助制度を利用できます。これにより弁護士の着手金を立て替えてもらい、後で分割返済することが可能です。利用できる条件があるため、詳細は弁護士や法テラスに確認しましょう。

着手金の分割払いや完全成功報酬制の事務所を選ぶ

法律事務所によっては、着手金の分割払いや、完全成功報酬制を採用している場合があります。分割払いでは事件が終了するまでに着手金を何回かに分けて支払い、完全成功報酬制では事件が成功に終わった場合のみ報酬を支払います。事務所ごとの条件やルールを確認しましょう。

複数の法律事務所(弁護士)に相談して比較する

弁護士費用の料金体系は法律事務所によって異なります。複数の弁護士に相談して料金を比較し、自分の予算に合った費用を選ぶことが大切です。

まとめ

相続や遺産分割の弁護士費用は、依頼内容や弁護士によって異なりますが、一定の費用がかかります。費用の内訳や相場を把握し、依頼した場合にどうなるかをシミュレーションしておくとよいでしょう。

費用に関する不安がある場合には、相談の際に率直に質問してみましょう。費用面も含めて納得のいく形で進められるよう、慎重に弁護士を選びましょう。

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この記事の監修者
五十嵐康之
東京都>新宿区
法律事務所穂
五十嵐康之(第一東京弁護士会)
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