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相続登記
更新日:2026/09/28

相続登記申請書の書き方【ケース別記載例】必要書類と注意点

監修者
川村勝之
千葉県>千葉市
リフト法律事務所
川村勝之
相続登記申請書の書き方【ケース別記載例】必要書類と注意点
相続登記を申請する際には、登記申請書を作成して提出しなければなりません。法務局ウェブサイトに掲載されている様式を用いて、適切な内容により登記申請書を作成しましょう。この記事では、相続登記に関する登記申請書の書き方を、法務局の記載例とともに紹介します。
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相続登記申請書とは

相続登記申請書とは、相続登記の申請を行う際に、法務局または地方法務局に対して提出すべき申請書です。 相続または遺贈によって不動産を取得した場合は、相続登記の手続きを行う必要があります。

相続登記(所有権移転登記)を備えることにより、法定相続分を超えて取得した部分についても、不動産の権利を第三者に対抗できるようになり(民法899条の2第1項)、賃貸や売却などの手続きも進めやすくなります。

また、2024年4月1日から改正不動産登記法が施行され、相続または遺贈による不動産の所有権の取得を知った時から3年以内の相続登記が義務付けられています(不動産登記法76条の2第1項)。施行日より前に相続で取得していた場合は、2027年(令和9年)3月31日までに申請する必要があります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります。

相続登記の義務化がいつから始まったのか、施行前に起きた相続も対象になるのか、期限を過ぎたときの過料などは、次の記事でくわしく解説しています。

実際に、弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」にも「土地の名義が亡くなった祖父のまま長年放置され、相続人が十数人に増えて行方不明の人もいるため、自分たちだけでは名義変更が難しくなっている」という相談が寄せられています。

Q
土地名義が祖父である 名義変更
相談者の疑問
ひとつの土地に二軒の家があり、ひとつは父方の兄と嫁、もうひとつは父と母と私がいます そして兄と父はもう亡くなっており、いまだに土地名義が祖父になっておます 今、嫁が痴ほう症になり、父方の親戚が私に名義変更をしなさいと言ってきています 父方の兄弟は12人 行くえ不明の人もいます 土地代を半分払ったと父のノートには書いてありますが領収証はありません 名義変更するのにはだいたいどの位のお金がかかるのでしょうか? 名義変更した時のメリットとデミリットを教えてください 半分の土地を売って資産をわけろと言われます名義変更したらそれもやらなければいけまいのでしょうか? また 伯母が亡くなって一件家を壊した場合固定資産税は三倍になるのでしょうか?まだ同じ土地に一件あるので固定資産税は変わらないのでしょうか?
弁護士の回答
齋藤 健博 弁護士
> 名義変更するのにはだいたいどの位のお金がかかるのでしょうか? 正確な額を掲示板でご回答するのは困難です。 かかる費用としては、登記を入れるための登録免許税、相続登記もいれる必要があると思いますので、戸籍除籍謄本の費用、それだけ相続人がいると個人では登記ができないと思いますので、司法書士や弁護士費用が考えられます。 > 名義変更した時のメリットとデミリットを教えてください これから放置すると、さらに行方知らずの人が出てくる可能性があり、さらに登記が困難になる可能性があります。そうすると、土地を売ろうにも売れなくなるというリスクが発生します。 また、今後相続登記は義務化されるようですので、それに備えて、予め登記をされておいた方が好ましいということもいえると思います。 半分の土地を売って資産をわけろと言われます名義変更したらそれもやらなければいけまいのでしょうか? 事情がわかりませんが、義務ではないと思います。 > 伯母が亡くなって一件家を壊した場合固定資産税は三倍になるのでしょうか?まだ同じ土地に一件あるので固定資産税は変わらないのでしょうか? これはお住まいの地域の土地の価値によりますが、更地の方が土地の価値は上がるのは通常だと思います。 ただ、何倍というのは答えづらいです。 役所の固定資産税課に一般論としてご質問をされてみてはいかがでしょうか。 ご参考までに。
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相続登記の登記申請書には、相続または遺贈による所有権取得の詳細情報を記載した上で、相続関係を示す書類などを添付して提出します。登記官は、登記申請書および添付情報の内容を審査した上で、問題なければ相続登記を行います。

相続登記申請書を書く前に確認すること

相続登記申請書を書く前に、まずは「どの不動産を、誰が、どのような理由で取得するのか」を整理しましょう。相続登記申請書は、法務局に対して不動産の名義変更を申請するための書類です。記載内容が戸籍、遺産分割協議書、遺言書、固定資産評価証明書などの内容と合っていないと、補正が必要になることがあります。

法務局では、相続登記の申請書様式や記載例が公開されています。自分で作成する場合は、法務局の申請書様式・記載例を確認しながら、手元の資料と照らし合わせて記入しましょう。

登記する不動産の情報

相続登記申請書には、登記する不動産の情報を正確に記載します。土地であれば「所在」「地番」「地目」「地積」、建物であれば「所在」「家屋番号」「種類」「構造」「床面積」などを記載します。

ここで注意したいのは、普段使っている住所と、登記上の「地番」や「家屋番号」は異なる場合があることです。固定資産税の納税通知書だけで判断せず、登記事項証明書や固定資産評価証明書などで確認しましょう。

被相続人が不動産全体を所有していた場合は「所有権移転」、共有持分だけを持っていた場合は「〇〇持分全部移転」のように、登記の目的の書き方が変わることがあります。

相続人と相続方法

次に、誰が不動産を取得するのかを確認します。相続登記申請書の書き方は、法定相続分で相続するのか、遺産分割協議で特定の相続人が取得するのか、遺言書に基づいて取得するのかによって変わります。

法定相続分で登記する場合は、相続人ごとの持分を記載します。たとえば、配偶者と子1人が相続人であれば、それぞれ2分の1ずつといった形です。

遺産分割協議で特定の相続人が不動産を取得する場合は、取得する相続人を申請書に記載し、遺産分割協議書などを添付します。遺言書に基づく場合は、遺言書の内容に沿って、誰が不動産を取得するのかを確認します。

なお、相続人以外の人が遺言によって不動産を取得する場合は、「相続」ではなく「遺贈」による登記になることがあります。必要書類や申請書の書き方が変わるため、遺言書の文言に不安がある場合は、法務局や専門家に確認しましょう。

「みんなの法律相談」にも、「兄名義の不動産を自分で相続登記しようとしたが、誰が相続人になるのか、母や配偶者の戸籍まで必要なのかがわからず迷っている」という相談が寄せられています。

Q
相続登記の必要書類について
相談者の疑問
相続登記を自分でしようと思います。 先日兄が亡くなりました。 父は3年前に他界した為、今は母と私と私の配偶者の3人です。 父が亡くなった時に母も高齢という事で、家の名義を兄にしました。 (兄には、配偶者・子供はおりません) (祖父母ももうおりません) 今度は私の名義に変更する為、必要書類について2つ質問です。 1.被相続人の戸籍謄本は死亡時から出生時まで取るつもりですが、  相続第2順位の母が存命なので、やはり母の戸籍謄本も死亡時から  出生時まで取る必要がありますか? 2.私の配偶者の書類をそろえる必要がありますか?  (つまり私の配偶者は相続人となりますか?) ご回答の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
弁護士の回答
高島 秀行 弁護士
お母さんが相続放棄をすれば、 (お兄さんにあなた以外の兄弟(異父兄弟や異母兄弟も含みます)がいないことが前提となります)、 お母さんからあなたが贈与を受けることなく 相続登記ができる可能性があります。 お母さんから贈与を受けた場合 贈与税がかかる可能性があります。 あなた名義にするのであれば 税理士に贈与税の相談してから進められたらよいと思います。
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課税価格と登録免許税

相続登記申請書には、課税価格と登録免許税も記載します。課税価格は、基本的に不動産の固定資産税評価額をもとに計算します。固定資産税の課税明細書では、「価格」や「評価額」と記載されている金額を確認しましょう。

相続登記の登録免許税は、原則として次の計算式で求めます。

  • 登録免許税額=課税価格(固定資産税評価額の合計額から1,000円未満を切り捨てた額)×0.4%(算出した税額の100円未満は切り捨て。税額が1,000円未満となる場合は1,000円)

申請書には「課税価格 金〇〇円」「登録免許税 金〇〇円」と記載します。複数の不動産をまとめて申請する場合は、それぞれの評価額を確認したうえで合計額をもとに計算します。

登録免許税の計算を誤ると補正になることがあるため、不安な場合は申請前に管轄の法務局で確認しておくと安心です。

自分で申請する場合と司法書士に依頼する場合で、費用がどれくらい変わるかは、次の記事でくわしく解説しています。

相続登記の申請方法

相続登記の申請先は、不動産の所在地を管轄する法務局または地方法務局です。登記申請書および添付情報を持参するか、または郵送して申請します。

オンラインでの相続登記申請も認められていますが、添付情報として提出すべき戸籍謄本類が、作成者である市区町村長の電子署名が付された電子文書としては発行されていないので、現時点ではオンラインで相続登記の手続きを完結することができません。

オンラインで登記申請をした場合には、書面の戸籍謄本類を法務局または地方法務局に持参または郵送する必要があります。

必要書類の集め方から申請までを自分で進める全体の流れは、次の記事でまとめて確認できます。

相続登記申請書の書き方(記載例・記載事項)

相続登記の申請を行う際には、登記申請書を作成する必要があります。 登記申請書の書式は、法務局ウェブサイトに掲載されています。作成に当たっては、以下の記載事項を参考にしてください。

登記申請書の記載例

関連リンク:不動産登記の申請書様式について|法務局

登記申請書の記載事項

登記の目的

「所有権移転」と記載します。

原因

相続人が不動産を取得した場合は「令和○年○月○日相続」、相続人以外の者が不動産を取得した場合は「令和○年○月○日遺贈」と記載します。記載する日付は、被相続人が亡くなった日です。

相続人

被相続人の氏名と住所、申請人(=不動産の所有権を取得した人)の氏名・住所・平日日中の連絡先を記載した上で、申請人が認印を押印します。共有の場合は、共有持分割合も記載します。

氏名と住所については、住民票の写しに記載されているとおりに記載しなければなりません。省略は不可です。

申請人(不動産を取得する相続人)の住所については、任意で住民票コードを記載できます。住民票コードを記載すれば、添付情報である住民票の写しの提出を省略できます。

添付情報

「登記原因証明情報」「住所証明情報」と記載します。

登記原因証明情報とは、相続関係を示す戸籍謄本類または法定相続情報一覧図、および相続の内容を示す遺言書や遺産分割協議書などのことです。

住所証明情報とは、住民票の写しのことです。すべての申請人の住民票コードを記載した場合には、住民票の写しを提出する必要がないので、「住所証明情報」の記載は省略します。

「登記識別情報の通知を希望しません。」

登記識別情報の通知を希望しない場合には、チェックします。

申請日・申請先

「令和○年○月○日申請 ○○法務局」と記載します。

申請日は、登記申請書の提出日です。

申請先について、地方法務局の場合は「○○地方法務局」、支局の場合は「○○法務局○○支局」、出張所の場合は「○○法務局○○出張所」と記載します。

課税価格

登録免許税の課税標準を計算して記載します。課税標準の計算方法は、法務局ウェブサイトに掲載されている資料をご参照ください。計算方法が分からない場合は、弁護士または司法書士への相談をおすすめします。

登録免許税額

法務局ウェブサイトに掲載されている資料を参照して、登録免許税額を計算して記載します。計算方法が分からない場合は、弁護士または司法書士にご相談ください。

不動産の表示

相続登記を申請する不動産の情報を記載します。土地については所在・地番・地目・地積、建物については所在・家屋番号・種類・構造・床面積を記載します。

不動産番号を記載した場合は、上記の情報の記載は省略可能です。不動産番号は、登記事項証明書の表題部に記載されています。

なお、相続関係説明図を登記申請書に添付すると、戸籍謄本類の原本還付を受けることができます。

相続関係説明図の具体的な書き方や、法定相続情報一覧図との違いは、次の記事でくわしく解説しています。

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ケース別の相続登記申請書の記載例

相続登記申請書は、相続の内容によって記載例が異なります。ここでは、代表的な3つのケースに分けて、申請書で特に確認すべき記載項目を紹介します。実際に作成する際は、法務局が公開している相続登記申請手続の案内や申請書の記載例も確認しましょう。

法定相続分で相続する場合

法定相続分どおりに登記する場合は、各相続人の住所・氏名と、それぞれの持分を記載します。

記載例は、次のような形です。

登記の目的:所有権移転

原因:令和〇年〇月〇日相続

相続人:(被相続人 〇〇〇〇)

住所 〇〇県〇〇市〇〇

持分2分の1 〇〇〇〇

住所 〇〇県〇〇市〇〇

持分2分の1 〇〇〇〇

このケースでは、相続人全員が法定相続分に応じて不動産を共有する形で登記されます。後から不動産を売却したり、管理方法を決めたりする場合には共有者全員の関与が必要になるため、法定相続分で登記してよいかは事前に確認しておきましょう。

なお、家族構成ごとの法定相続分の割合は、次の記事でくわしく解説しています。

遺産分割協議で相続する場合

遺産分割協議によって、特定の相続人が不動産を取得する場合は、その取得者を相続人として記載します。

記載例は、次のような形です。

登記の目的:所有権移転

原因:令和〇年〇月〇日相続

相続人:(被相続人 〇〇〇〇)

住所 〇〇県〇〇市〇〇

〇〇〇〇

遺産分割協議で相続する場合、申請書だけでなく、遺産分割協議書や相続人の印鑑証明書などが必要になります。申請書の「原因」の日付は、基本的に遺産分割協議が成立した日ではなく、被相続人が亡くなった日を記載します。

遺産分割協議書に記載された不動産の表示と、申請書に記載する不動産の表示がずれていると、登記できないことがあります。地番、家屋番号、持分などは特に注意して確認しましょう。

遺言書に基づいて相続する場合

遺言書に「長男に相続させる」などと記載されている場合は、その遺言書に基づいて相続登記を申請します。

記載例は、次のような形です。

登記の目的:所有権移転

原因:令和〇年〇月〇日相続

相続人:(被相続人 〇〇〇〇)

住所 〇〇県〇〇市〇〇

〇〇〇〇

公正証書遺言であれば、通常は家庭裁判所の検認は不要です。一方、自筆証書遺言の場合は、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合などを除き、家庭裁判所で検認が必要になることがあります。

また、遺言書の内容が「相続させる」ではなく「遺贈する」となっている場合や、受け取る人が相続人ではない場合は、相続登記ではなく遺贈による所有権移転登記として扱われることがあります。遺言書に基づく登記は文言の判断が重要になるため、少しでも迷う場合は申請前に確認しましょう。

登記申請書以外の相続登記の必要書類

登記申請書のほか、相続登記の申請を行う際には、以下の書類の添付が必要です。

共通して必要となる書類

  • 不動産を取得する人の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)または戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)
  • 被相続人の本籍の記載がある住民票の除票または戸籍の附票の写し(登記上の住所と本籍が一致する場合は不要)
  • 不動産を取得する人の本籍の記載がある住民票または戸籍の附票の写し
  • 不動産の固定資産評価証明書
  • 委任状(司法書士等に手続きを委任する場合のみ)

遺言書に基づき不動産を取得した場合の必要書類

  • 被相続人の死亡の記載がある戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)、除籍全部事項証明書(除籍謄本)または改製原戸籍謄本
  • 遺言書(原本。ただし、公正証書遺言の場合は正本または謄本、法務局で保管されている自筆証書遺言の場合は遺言情報証明書)
  • 家庭裁判所の検認済証明書(公正証書遺言または法務局で保管されている自筆証書遺言については不要)

遺産分割に基づき不動産を相続した場合の必要書類

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)、除籍全部事項証明書(除籍謄本)または改製原戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)または戸籍個人事項証明書(戸籍抄本)
  • 以下のいずれかの書類
    ・遺産分割協議書および相続人全員の印鑑登録証明書(協議の場合)
    ・調停調書(調停の場合)
    ・審判書および確定証明書(審判の場合)

なお、戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本については、法定相続情報一覧図の写しで代用可能です。 スムーズに相続登記を完了するため、必要書類を漏れなく揃えましょう。弁護士や司法書士に依頼すれば、登記申請書の作成や必要書類の収集を一任できます。

戸籍の束の代わりに使える法定相続情報一覧図(法定相続情報証明制度)の作り方や手続きは、次の記事でくわしく解説しています。

まとめ

相続登記の申請に当たっては、登記申請書を作成して法務局または地方法務局に提出しなければなりません。また、添付情報を揃えて提出することも必要です。 スムーズに相続登記の申請を行うためには、弁護士や司法書士に依頼することをおすすめします。特に弁護士に相談すれば、遺産分割などの対応も併せて依頼できるので安心です。

不動産の相続について分からないことがある方は、お早めに弁護士などの専門家へご相談ください。

【次に読む】申請の前後に残る手続きと費用

申請書が書けても、その前後に手続きが残ります。課税標準額から登録免許税を計算すること、管轄の法務局を確かめること、費用を自分でやる場合と依頼する場合で見比べること。申請の前後にある論点は、次の記事であわせて確認してください。

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