相続弁護士 ドットコム

西川・太田法律事務所

「問題解決後も相続人が円満な関係を築けるように」感情が複雑に絡み合う相続問題を適切な解決に導く

札幌市で相続問題に取り組む太田貴久弁護士(西川・太田法律事務所)に、弁護士として大切にされていることや相続問題に対する心構えについて伺いました。専門的な知識と洞察力を駆使し、円滑な解決策を追求している太田先生。相続問題を早期に相談するメリットについても詳しくお聞きしました。(札幌弁護士会所属)

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太田 貴久弁護士
西川・太田法律事務所
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インタビュー

「この人を助けたい」という思いを軸に、依頼者をサポート

弁護士を目指したきっかけを教えてください。

大学の法学部を卒業後、民間企業の法務担当として働き始めたのですが、働きながら、日々多種多様な問題に対して法的にアプローチできる弁護士という職業に魅力を感じるようになりました。ちょうどその頃、ロースクール制度が導入されたので、それを期に会社を退職し、北海道大学法科大学院に進学することを決めました。そして「理不尽な問題を公平に解決したい」という強い意志を胸に、2011年に弁護士資格を取得しました。

依頼を受ける際に心がけていることを教えてください。

依頼者に対して「この人の力になりたい」と心から思って接することです。この思いが、私の行動の軸となります。ただし、依頼者に過度の期待を持たせるようなことはせず、できないことは「できない」とはっきり伝えるようにしています。それが依頼者との信頼関係を築く上で重要だと考えています。

問題解決後も相続人同士の円満な関係性が続くような解決策を探る

相続問題に関して、どのような相談が多いでしょうか。

西川・太田法律事務所_事務所入内観

被相続人の介護や財産管理を行っていた方から「他の相続人から財産の使い込みを疑われている」という相談を受けることが少なくありません。

使い込みの事実はなく親の介護や生活に必要な費用しか使っていない場合でも、明細や記録を残していなかったために反論することができず、困り果てて相談に来られます。

使い込みが事実であった場合、被相続人は使い込みを行った相続人に対して不当利得返還請求権を取得した状態で亡くなったことになります。被相続人が取得した不当利得返還請求権も遺産の一部であるため、使い込みをしていない他の相続人は、使い込みをした相続人に対し、使い込みをした金額の相続分に相当する金額を請求することができることになります。

この場合、他の相続人によって財産の使い込みがなされたと事実を主張する相続人が、他の相続人によって被相続人が生きている間に被相続人名義の財産を使い込まれたという事実を主張し、かつ立証しなければなりません。しかし、請求されている側に立証責任がないと言っても、例えば、1回で多額の預金を引き出しており、この引き出した預金の使途を具体的に説明し、かつ、裏付けとなる資料を提出しない場合には、実際には使い込みをしておらず、被相続人のために使っていたとしても、裁判所が、その者が被相続人名義の財産を自らのために使ったと事実認定する可能性があります。

相談に来られた方から事情を確認した結果、使い込みをしていないことを明確に示すために、被相続人の介護や生活にかかる費用の帳簿や領収書等の資料が完全に残っていないことは珍しくありません。このようなケースであっても、他の証拠から使い込みの事実を否定できるよう、適切にサポートすることを心がけています。

相続問題の難しさを、どのようにお考えでしょうか。

法律に基づく解決が全ての相続人にとって納得のいく結果であるとは限らない、という点が相続問題の難しさです。例えば、相続財産に不動産が含まれていて、相続人全員の意見が一致しなかった場合、最終的に、それぞれの相続分に応じて、相続人全員で共有することもあります。

しかし、不動産を共有することになった場合、将来建て替えや売却などの処分を行おうとする場合、共有権を持つ人全員が合意しなければできないなど、何かと不便な事態が起こりがちです。最善の解決策とは言えないでしょう。

また、相続問題は家族間で起こることが多いため、関係者の間には複雑な感情が絡み合うこともあります。全員が納得できる解決策にするには、難しくも重要なポイントです。そのため、法的な知識だけでなく、他人の感情を理解し、将来のことを見据える視野が必要だと考えています。

そのような相続問題において、特に気を付けていることはありますか?

近い、遠いという距離感はありますが、相続人は親戚ですので、相続問題が解決した後も、親戚関係が続くことを常に頭に置いています。他の相続人を過度に攻撃するような姿勢に思われないように、一方で、同時に依頼者の主張を適切に伝えるように、書面の表現などには細心の注意を払います。譲歩できる部分の見極めと、納得できる落としどころを探ることにも腐心します。

弁護士への早めの相談は、解決への近道

相続問題を弁護士に相談するメリットを教えてください。

西川・太田法律事務所_事務所入口

まず、財産の状況や相続人間の関係性が複雑な場合、手続きを進めるためには専門的な知識が必要です。そのような場合、弁護士が財産調査や戸籍の確認を行い、依頼者に分かりやすく説明することが可能です。また、自分たちだけで話し合っても進展しない場合が多いですが、第三者である弁護士が間に入ることで解決に向けた道筋が見えてくることもあります。

相続トラブルを抱えて悩んでいる方に、メッセージをお願いします。

何もかも一人で背負い込まず、早期の段階で弁護士にご相談ください。早めに相談すれば、手続きや解決の選択肢が広がり、問題が深刻化する前に解決の道筋を見つけることができます。相続人間の紛争がエスカレートし、関係が壊れてしまうと、全員が納得する形での解決が難しくなってしまいます。早めに対応を始めることで、より良い解決につながる可能性が高まるのです。相続問題が解決した依頼者の方々からは、肩の荷が下りたという安堵の声をよく耳にします。心身ともに大きな負担を感じている方は、ぜひ早めに弁護士にご相談ください。

西川・太田法律事務所_事務所があるビル外観