
法定相続人とは、民法によって相続権が認められた人のことです。配偶者は常に相続人になり、血族は第1順位が子、第2順位が父母などの直系尊属、第3順位が兄弟姉妹という順に決まります。
つまずくのは大きく2つです。ひとつは、上の順位に1人でもいれば下の順位は相続人にならないという仕組み。もうひとつは、戸籍を集めてはじめて分かる相続人がいることです。前妻の子、認知された子、腹違いの兄弟などが典型で、相続人を1人でも欠いた遺産分割協議は無効になります。
だれが相続人か、いくらもらえるか、どう調べるか。この順に読めば、遺産分割の話し合いに入る準備が整います。
まずは相続人になる人の順番です。配偶者と血族3順位のルールが分かれば、大半のケースは判断できます。
法定相続人は、被相続人との続柄に応じて民法が定めています。相続財産は法定相続分に応じて相続人全員の共有になり(民法898条)、遺産分割協議を経てはじめて個々の財産が分かれます。
この記事は、法定相続人と相続人・受遺者の違い、範囲と相続順位、相続欠格(不正な行為で相続権を失うこと)や廃除(被相続人の請求で相続権を奪うこと)、代襲相続で相続人になる人、相続人が1人もいない場合の扱いまでを1本で扱っています。相続人の確認方法にも触れているので、用語の整理から入りたい人に向いた内容です。
用語の整理から入るなら、この1本からどうぞ。
相続順位には3つの基本ルールがあります。配偶者は原則として常に相続人になること、血族には第1順位から第3順位までの優先順位があること、そして先順位の相続人が1人でもいれば、後順位の人に相続権は生じないことです。
この記事は、続柄ごとの範囲を早見表で示し、養子・前妻の子・認知された子も第1順位の子に含まれること、内縁の配偶者や離婚した元配偶者は相続人にならないことまで整理しています。順位ごとの相続割合や、家族構成のケース別の一覧も確認できます。
自身の家族構成でだれが相続人になるか、早見表に当てはめてみましょう。
代襲相続(だいしゅうそうぞく)とは、相続権を失った人の代わりに、その子が相続権を得るしくみです。発生するのは、相続開始以前に相続人が死亡した場合、相続欠格にあたる場合、廃除の審判があった場合の3つです。
子が相続権を失った場合は孫・ひ孫と何代でも代襲しますが、兄弟姉妹の場合は甥・姪の一代限りです。代襲相続人を参加させないまま行った遺産分割は無効になります。甥・姪には遺留分がない点や、相続人が増えてもめやすくなる注意点にも触れています。
相続人に亡くなっている人がいるなら、どこまで権利が移るかを先に確かめてください。
相続人が決まれば、次は取り分です。だれと一緒に相続するかで、受け取れる割合が変わります。
法定相続分は、民法が定めた「だれがどれだけ遺産を受け取れるか」の割合です。遺言がない場合の基準で、配偶者と子なら2分の1ずつ、配偶者と父母なら3分の2と3分の1というように、相続人の組み合わせで割合が変わります。
この記事は、配偶者と子、配偶者と父母、配偶者と兄弟姉妹、配偶者だけ、子だけといった家族構成別の割合を早見表で示し、計算の手順と具体例まで扱っています。シミュレーターで自身のケースの取り分を確かめることもできます。法定相続分と遺留分の関係にも触れています。
自身の取り分がいくらになるか、家族構成から逆引きしてみてください。
相続人と取り分の基本はここまでです。家族構成が複雑で判断がつかないときは、戸籍を集める前に一度弁護士に確認しておくと、あとの手戻りが減ります。
相続人は思い込みで決められません。戸籍をたどって確定させるところまでが、遺産分割の前提になります。
相続人調査は、遺産分割の前提になる作業です。被相続人の戸籍謄本などを集めて、法律上の相続人を確定させます。ここを飛ばすと、遺産分割協議が無効になるおそれがあり、相続登記や預貯金の解約も進みません。
この記事は、①出生から死亡までの戸籍を集める、②戸籍を読んで相続人を確定する、③相続関係説明図を作る、という3つの手順で説明しています。弁護士・司法書士・行政書士の違いと、依頼した場合の費用にも触れています。調査が終わったら遺産分割協議へ進む、という次の一歩まで示されています。
集める順番が決まっていれば、戸籍集めは思ったより進みます。
被相続人の戸籍は、1通取れば済む書類ではありません。出生から死亡まで切れ目なく集める必要があります。第1順位である子の存在を漏れなく確認するためで、前婚の子・養子・認知した子の見落としを防ぐ意味があります。
集め方は、死亡時の戸籍を取り、そこから従前戸籍をさかのぼって出生時まで繰り返す形です。2024年3月に始まった広域交付で本籍地以外の役所でも取れるようになりましたが、広域交付が使えないケースもあり、その分は郵送で請求します。請求できる人と手数料、窓口・郵送それぞれの取り方も分かります。
さかのぼり方さえ分かれば、あとは同じ作業のくり返しになります。
最後は、戸籍を見てはじめて分かるケースです。連絡の取り方まで先に知っておくと動きやすくなります。
腹違いの兄弟とは、父母のどちらか一方だけが同じきょうだいのことです。会ったことがなくても、相続人であれば遺産分割協議に参加してもらう必要があります。
親が亡くなったときの相続分は他のきょうだいと同じですが、きょうだいが亡くなったときは半血が全血の2分の1になります。戸籍謄本で相続人を特定し、戸籍の附票で現在の住所を調べ、まず手紙で連絡するという進め方まで扱っています。認知されていない子には相続権がないことにも触れています。
連絡の順序を間違えると話がこじれます。段取りを先に確認しておきましょう。
子供がいない夫婦では配偶者が全財産を相続すると思われがちですが、亡くなった配偶者の親や兄弟姉妹も相続人になります。兄弟姉妹が亡くなっていれば甥・姪まで広がります。
この記事は、ケース別の相続人と割合を図で示したうえで、義理の親族と話し合いができない、遺産が自宅だけで分けられず売却することになる、といったトラブルを挙げています。遺言書・生命保険・生前贈与・家族信託という生前対策も4つ紹介しています。手続きを弁護士に依頼するメリットにも触れています。
当てはまる人は、生前にできる対策まで目を通しておくと安心です。
法定相続人は、配偶者と血族3順位というルールで決まります。取り分は家族構成によって変わり、遺言がなければ法定相続分が基準になります。
気をつけたいのは、思い込みで相続人を決めないことです。前妻の子や認知された子、腹違いの兄弟は、戸籍を集めてはじめて分かります。相続人を1人でも欠いた遺産分割協議は、あとから無効になります。
相続人に亡くなっている人がいる、家族構成が複雑で自身では判断できない、連絡の取れない相続人がいる。どれかに当てはまるなら、戸籍の読み方も含めて専門家に確認しておくと安心です。
弁護士への初回相談でだれが相続人になるのかを確定させておくと、そのあとの遺産分割がぐっと進めやすくなります。