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遺留分
更新日:2026/09/15

遺留分放棄は生前にできる?相続放棄との違いと手続きを解説

監修者
川村勝之
千葉県>千葉市
リフト法律事務所
川村勝之
遺留分放棄は生前にできる?相続放棄との違いと手続きを解説
「生前のうちに遺留分を放棄してほしい」と言われて戸惑っていませんか。遺留分の放棄とは、相続で受け取れる最低保障額を求める権利を手放すことです。生前は家庭裁判所の許可が必要ですが、死後は相手に伝えれば足ります。弁護士ドットコムに寄せられた相談108件もふまえ、相続放棄との違いと手続きを解説します。
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遺留分の放棄とは

遺留分の放棄は生前か死後かで手続きがまったく違い、被相続人の生前は家庭裁判所の許可が必要で、死後は遺贈・贈与を受けた人や遺言で多く相続した人への意思表示で足りること、どちらの場合も失うのは遺留分だけで相続権(法定相続分)は残ることを示した図解

遺留分とは

「遺留分」とは、相続などによって取得できる財産の最低保障額です。兄弟姉妹以外の相続人とその代襲相続人には、遺留分が認められています(民法1042条1項)。

遺留分制度の目的は、相続人の相続に対する期待を一定の限度で保護することです。

被相続人は生前贈与や遺言書によって、財産を自由に処分できるのが原則ですが、あまりにも偏った配分が行われると、冷遇された相続人の人生設計が狂ってしまうおそれがあります。

そこで民法では、兄弟姉妹以外の相続人とその代襲相続人に一定の限度で遺留分を認めて、相続に対する期待の保護を図っています。

相続などによって実際に取得した財産が遺留分額を下回った場合には、財産を多く取得した者に対して「遺留分侵害額請求」を行えば、不足額を金銭で補てんさせることができます(民法1046条1項)。

この「一定の限度」が具体的に何分の1になるかは、続柄と相続人の組み合わせで変わります。早見表つきの記事を用意しています。

実際に不足額を請求する手順や期限を知りたい方は、あわせてこちらもご覧ください。

遺留分の放棄とは

遺留分は、権利者である相続人の判断で放棄することも認められています(民法1049条)。遺留分を放棄した人は、相続などによって取得した財産の金額にかかわらず、遺留分侵害額請求を行うことができません。

【データで見る】遺留分の相談2,167件のうち、放棄について書かれたものは108件

弁護士ドットコムが保有する「みんなの法律相談」に寄せられた相続の相談30,302件のうち、遺留分に触れた相談は2,167件でした。さらにそのなかで、遺留分の放棄について書かれた相談は108件です。

108件の内訳を見ると、家庭裁判所の許可や申立てに触れた相談が49件と最も多く、被相続人が元気なうち(生前)の放棄に触れたものが43件、代償金や生前贈与とセットで考えているものが37件と続きます。

念書などの書面に触れた相談は28件、相続放棄と並べて質問しているものが19件でした(1件が複数に当てはまる場合があります)。

「放棄していいかどうか」よりも、「家庭裁判所で認めてもらえるのか」「何を渡せばよいのか」で迷っている人が多い、ということです。この記事でも、その2点を特にくわしく見ていきます。

(集計:弁護士ドットコムが保有する「みんなの法律相談」の相続相談。2021年4月1日〜2026年7月8日に投稿された相談。当社調べ、n=30,302)

遺留分放棄が使われる場面

遺留分放棄は、特定の相続人に財産を集中させたいときや、将来の遺留分侵害額請求を避けたいときに検討されます。もっとも、遺留分放棄は本人が自由な意思で行うものであり、家族が一方的に放棄させることはできません。

相続開始前に遺留分を放棄するには、遺留分を持つ相続人本人が家庭裁判所に申し立て、許可を得る必要があります(民法1049条1項)。

遺留分放棄を検討する場面では、遺言書、生前贈与、代償金、生命保険などを組み合わせて、放棄する人に不公平感が残らない設計にすることが重要です。

使われやすい場面は、次のように整理できます。

事業承継

遺留分放棄が使われる代表的な場面は、会社や個人事業を後継者に引き継がせる事業承継です。会社の株式、事業用不動産、工場、店舗などを後継者に集中させたい場合、他の相続人が遺留分侵害額請求をすると、後継者が金銭で支払う負担を負うことがあります。

たとえば、長男が事業を継ぐために会社株式の大半を取得し、他の子どもには別の財産や代償金を渡すようなケースです。このとき、他の相続人が事前に遺留分を放棄しておけば、相続後に株式や事業用財産をめぐる請求が起こりにくくなります。

  • 後継者に株式や事業用不動産を集中させたい
  • 後継者が遺留分侵害額請求に対応する資金を用意しにくい
  • 放棄する相続人に代償金や別財産を渡す設計をしたい

ただし、単に「事業を守りたいから放棄してほしい」と説明するだけでは、放棄する側の納得を得にくいことがあります。事業承継で遺留分放棄を使う場合は、放棄する人にどのような利益や代償があるのかを具体的に示すことが大切です。

特定の相続人に自宅を残す場合

配偶者や同居している子どもに自宅を残したい場合にも、遺留分放棄が検討されることがあります。相続財産の多くが自宅不動産で占められていると、他の相続人から遺留分侵害額請求を受けたときに、現金で支払う余裕がないこともあります。

たとえば、長年親と同居して介護をしていた子どもに自宅を相続させたい場合や、配偶者が住み続けられるように自宅を残したい場合です。遺留分放棄によって、相続後に自宅の売却を迫られるリスクを下げられることがあります。

もっとも、遺留分放棄だけで自宅の承継が完了するわけではありません。自宅を誰に取得させるのかは、遺言書や遺産分割協議で別に決める必要があります。自宅を残したい相手が決まっている場合は、遺留分放棄とあわせて、遺言書の作成や生命保険の活用も検討しましょう。

代償金や生前贈与とセットにする場合

遺留分放棄は、代償金や生前贈与とセットで使われることもあります。放棄する人がすでに住宅資金、事業資金、学費などの援助を受けている場合や、放棄の代わりに一定の金銭を受け取る場合には、遺留分を放棄する理由を説明しやすくなります。

家庭裁判所の許可を受ける場面では、本人の意思だけでなく、放棄する理由が不自然でないか、放棄する人が著しく不利益を受けないかも確認されます。贈与や代償金がある場合は、金額、時期、趣旨が分かる資料を残しておくとよいでしょう。

将来払う予定の代償金だけを理由に放棄を進めるケースでは、後で「聞いていた内容と違う」とトラブルになることがあります。代償金や生前贈与と組み合わせる場合は、金額・支払時期・支払方法を書面で明確にしておくことが重要です。

弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」には、「疎遠だった父から、代償を受け取らないまま遺留分を放棄してほしいと頼まれた。そもそも代償なしで家庭裁判所の許可が下りるのか」という相談が寄せられています。

Q
遺留分の放棄の手続き及び遺留分の請求について
相談者の疑問
【相談の背景】 両親が離婚して疎遠になっていた父から連絡がきました。 内容としては ・再婚相手との間に長男、次男が二人いる。現在妻とは離婚している ・財産としてはマンションのみ  現金預金はない ・長男にマンションを相続させたい。  そのためマンションは長男に譲るとの遺言書を作る予定 ・長男に現金預金はない ・マンションを長男に譲る代わりに老後の面倒を見てもらう約束をしている 上記の内容から遺言書を書いたとしても、死後私から遺留分の請求をされると長男が困ってしまう為、遺留分の放棄の手続きを行なってほしい。私には遺留分含め一切の財産分与をしたくないとのことでした。 私としては今まで養育費等の一切の金銭的援助はなかった為、遺留分の放棄をするつもりはありません。 話し合いをするにあたって疑問があったので投稿させていただきました。 【質問1】 仮に遺留分の放棄するとしてネットで調べたところ家庭裁判所に申請し許可されるにはそれなりの代償を支払っていなければならないとあったが、代償0で遺留分の放棄を依頼されたからと申請して許可されるものですか? 【質問2】 余命宣告等はされておらず、終活のひとつとして今回動いているようです。 仮に今後マンションの名義を長男に変更され、その後数年後亡くなった場合でも遺留分の請求はできるものですか?
弁護士の回答
川添 圭 弁護士
> 【質問1】 > 仮に遺留分の放棄するとしてネットで調べたところ家庭裁判所に申請し許可されるにはそれなりの代償を支払っていなければならないとあったが、代償0で遺留分の放棄を依頼されたからと申請して許可されるものですか? そもそも、遺留分放棄許可審判の申立ては、推定相続人(つまりあなた)が申し立てる必要があり、被相続人となるべき父からの申立てはできません。つまり、あなたが遺留分放棄をしたくないのであれば、申立てをしなければよいということになります。 また、お書きのとおり、遺留分放棄許可においては、代償金としての生前贈与などとワンセットで考えるのが通常です。 > 【質問2】 > 余命宣告等はされておらず、終活のひとつとして今回動いているようです。 > 仮に今後マンションの名義を長男に変更され、その後数年後亡くなった場合でも遺留分の請求はできるものですか? 遺留分侵害の対象として算定する相続人に対する生前贈与は、相続開始前10年間のものに制限されています(民法1044条3項)。つまり、マンションが生前贈与され、贈与から10年以内に父が死亡したときは、遺留分侵害額請求の計算対象に含まれることになります。
すべての回答を見る

遺留分の放棄と相続放棄の違い

遺留分の放棄と同じく、相続に関する権利を放棄する手続きとして「相続放棄」があります。

しかし遺留分の放棄と相続放棄は、互いに以下の各点が異なっています。

くらべるポイント

遺留分の放棄

相続放棄

何を失う?

遺留分だけ。相続権(法定相続分)は残る

遺留分を含む一切の相続権

他の相続人への影響は?

他の相続人の相続分・遺留分は変わらない

他の相続人の相続分が増えたり、後順位者に相続権が移ったりする

亡くなる前にできる?

家庭裁判所の許可を得ればできる

できない

どこで手続きする?

生前は被相続人の住所地の家庭裁判所へ申立て。死後は相手方への意思表示

被相続人の最後の住所地の家庭裁判所へ申述書等を提出

  • 失う権利の内容
    遺留分の放棄によって失うのは遺留分のみで、相続権自体は失いません。これに対して相続放棄をすると、遺留分を含む一切の相続権を失います。
  • 他の相続人への影響
    遺留分を放棄しても、他の相続人の相続分や遺留分は変動しません(民法1049条2項)。これに対して相続放棄をすると、他の相続人の相続分が増えたり、後順位者に相続権が移ったりする影響が生じます。
  • 相続開始前の放棄の可否
    遺留分は、家庭裁判所の許可を得れば相続開始前でも放棄できます。これに対して、相続放棄を相続開始前に行うことはできません。
  • 放棄の手続き
    相続開始後の遺留分の放棄は、遺贈や贈与を受けた相手方(遺留分侵害額請求の相手方)に対する意思表示によって行います。ただし、相続開始前に遺留分を放棄する場合は、家庭裁判所の許可が必要です。 これに対して相続放棄は、家庭裁判所に対して申述書等を提出して行います。

表の右側にあたる相続放棄そのものを考えている場合は、判断する前に次の記事も確認しておきましょう。

遺留分放棄の手続き

遺留分を放棄する際の手続きは、相続開始(=被相続人の死亡)の前後によって異なります。

被相続人の生前における遺留分放棄の手続き

生前の遺留分放棄の手続きの流れ、申立書と被相続人および申立人の戸籍全部事項証明書を準備し、被相続人の住所地の家庭裁判所へ収入印紙800円分と連絡用の郵便切手を添えて申立てを行い、家庭裁判所の審査を経て、許可が出た時点で効力が生じ他の相続人への改めての意思表示は不要であることを示した4ステップのフロー図

被相続人の生前に遺留分を放棄する場合は、家庭裁判所の許可を受けなければなりません(民法1049条1項)。

  • 申立先
    被相続人の住所地の家庭裁判所
  • 費用
    収入印紙800円分+連絡用の郵便切手
  • 必要書類
    申立書、被相続人の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)、申立人の戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)

家庭裁判所は遺留分を放棄することの合理性や必要性などの観点から、遺留分放棄を許可するかどうか審査します。家庭裁判所の許可を受けると、その時点で遺留分放棄の効力が生じます(民法1049条1項)。許可の後に、他の相続人に対して改めて意思表示を行う必要はありません。

被相続人の死後における遺留分放棄の手続き

被相続人の死後に遺留分を放棄する場合は、家庭裁判所の許可は必要ありません。単に他の相続人に遺贈や贈与を受けた相手方(遺留分侵害額請求の相手方)に対して遺留分放棄の意思表示をすれば足ります。

遺留分放棄の意思表示は口頭でも可能ですが、放棄の事実を明確化するため、相手方に対して書面を交付するのが望ましいでしょう。

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遺留分を放棄すべきケースの例

遺留分の放棄は、主に以下の目的によって行われることが多いです。

  • 遺留分侵害額請求のトラブルを未然に防ぎたい場合
  • 被相続人の意思を最大限尊重したい場合

遺留分侵害額請求のトラブルを未然に防ぎたい場合

遺言書や生前贈与などの結果として、相続人の間で財産の配分が偏ると、相続発生後に遺留分侵害額請求が行われてトラブルが生じるおそれがあります。

相続人同士の間で遺留分侵害に関するトラブルが生じることは、家族円満を維持する観点からは望ましくありません。相続人があらかじめ遺留分を放棄することは、遺留分侵害に関するトラブルを未然に防ぐためには有力な選択肢といえます。

【データで見る】遺留分がからむ解決事例260件のうち、5件に1件は訴訟まで進んでいる

相続弁護士ドットコムに掲載されている公開の解決事例1,212件のうち、遺留分に触れた事例は260件でした。

決着のしかたを見ると、話し合い(協議)でまとまったものが128件(49%)と最も多い一方、訴訟まで進んだものが54件(21%)、調停が48件(18%)、審判が4件(2%)、その他が26件(10%)でした。

解決事例全体で訴訟に至ったのは12%なので、遺留分がからむ争いは訴訟に進んだ割合が高くなっています。

半数近くは話し合いで収まっているとはいえ、こじれたときの時間や費用の負担は小さくありません。生前に遺留分の放棄を検討する価値があるのは、この点にあります。

(集計:弁護士ドットコムが保有する相続弁護士ドットコムの公開解決事例。2026年9月時点・当社調べ、n=1,212)

被相続人の意思を最大限尊重したい場合

遺留分を行使すれば、被相続人が決めた財産の分け方の一部を覆すことになります。

もちろん、遺留分は法律上の権利なので、行使をためらう必要はありません。ただし、被相続人の意思を最大限尊重したい場合は、遺留分を放棄することでその気持ちを表明することも考えられるでしょう。

遺留分の放棄に関する注意点

自ら遺留分を放棄し、または他の相続人に遺留分を放棄させようとするときは、特に以下の2点にご注意ください。

  • 生前の遺留分放棄の審査は非常に厳しい
  • 遺留分の放棄は原則として撤回できない

生前の遺留分放棄の審査は非常に厳しい

家庭裁判所を見る生前の遺留分放棄の3つのポイントとして、1.放棄が権利者の自由意思に基づくこと、2.放棄の理由に合理性および必要性が認められること、3.放棄の代償が与えられていること、を示した図解

被相続人の生前に遺留分を放棄するには家庭裁判所の許可が必要ですが、家庭裁判所の審査は非常に厳しく行われています。

家庭裁判所が審査するポイントは主に以下の3点で、いずれの観点からも厳格な審査が行われます。安易な生前の遺留分放棄は認められないと考えておきましょう。

1. 放棄が権利者の自由意思に基づくこと

遺留分の放棄は、権利者の自由意思に基づいて行われる必要があります。被相続人や他の相続人に強制されたと評価すべき場合には、遺留分の放棄は認められません。

2. 放棄の理由に合理性および必要性が認められること

相続人間の公平を図る観点から、遺留分を放棄することが合理的であり、かつ、その必要があると認められなければなりません。

たとえば、すでに多額の生前贈与を受けている人が遺留分を放棄する場合は、相続人間の公平確保を促進する面があるため認められる可能性が高いです。

これに対して、一部の相続人を相続から排除することを目的とした遺留分の放棄には、合理性・必要性が認められないと考えられます。

3. 放棄の代償が与えられていること

2とも関連しますが、特に遺留分を放棄する者に対して、十分な代償が与えられているかどうかが重点的に審査されます。

金銭や不動産など、確実な経済的価値がある財産の贈与を受けている場合は、遺留分の放棄が認められる可能性が高くなります。

代償の金額が見合っているかは判断に迷いやすく、「みんなの法律相談」にも、事業承継を理由に前妻の子へ180万〜200万円を支払う予定だが合理性があるか、という相談が寄せられています。

Q
遺留分放棄の代償の金額の合理性について
相談者の疑問
【相談の背景】 前妻の子供に遺留分放棄の代償の合理性について 遺留分を放棄してもらう理由は事業承継になります。将来は実家の会社を継ぐかもしれません。 再婚を見込んで、将来できる子供に事業を継いでもらうかもしれないため、会わない前妻の子供に遺産遺留分を放棄していただきたいです。 今はまだ、話中で実家の事業をついでいないため、子供が10歳になった時に前妻に代理して遺留分を放棄して貰うように交渉しようと考えています。その代償として、180万〜200万を分割払いをお支払う予定です。 計算の仕方は 今の資産額は200万あります。 将来の妻と前妻の子供を入れて3人の子供がおり、8年後前妻の子供が10歳になったとき、自分が2400万の財産を待ち、子供一人の遺留分は200万あまりとして考えました。 もちろん自分が事業をついで、死んだ時に会社が借金だらけの場合、前妻の子供は先に遺産をもらえた形でメリットとして考えていますが、大金持ちになった場合、事前に遺留分を放棄した場合、前妻の子供にとってデメリットになる事も考えかられます。 【質問1】 ざっくりの計算になりますが、代償としての合理性がありますでしょうか? 【質問2】 家庭裁判所から見ればあと事業承継は遺留分放棄の合理的な理由になりますでしょうか?
弁護士の回答
肥田 弘昭 弁護士
質問1は、現時点で相続が発生した場合の遺留分侵害額に相当していますので代償の合理性はあるかと思います。会社経営にはリスクも伴いますし、規模によりますが中小企業の存続期間などを証拠として提出するのは如何でしょうか。 質問2は、子に対する好き嫌いでないのであれば、合理的理由になるかと思います。事業承継であれば紛争を未然に防止する観点から遺留分侵害額を放棄して貰い代償を支払っていますので放棄者の真意に基づくものであれば許可は得られやすいかと思います。 ご参考にしてください。
すべての回答を見る

遺留分の放棄は原則として撤回できない

遺留分を放棄すると、錯誤・詐欺・強迫に当たる場合などを除いて、その意思表示は基本的には撤回(取消し)できません。

後から多額の遺産や生前贈与などが判明しても、遺留分を放棄している人による遺留分侵害額請求は原則不可です。後悔しないように、遺留分を放棄するかどうかは慎重に検討した上で判断しましょう。遺留分を本当に放棄してよいのか迷う場合は、署名・申立てをする前に弁護士に相談することをおすすめします。

「みんなの法律相談」には、家庭裁判所の許可を得たあとで、申立ての前提にしていた約束が守られなかった場合に取り消してもらえるのか、という相談も届いています。

Q
生前の遺留分放棄について
相談者の疑問
【相談の背景】 生前の遺留分放棄について 先日父が亡くなり、遺産分割協議を行いました。 疎遠であった弟が、今回の遺産分割で将来的に母が亡くなった時の分と併せて相続をしたいとの申し出をしました。 遺留分放棄申立を弟が自分自身で行い、裁判所から発行された許可証を渡すのでこれをもって母が相続する分で将来的に弟の法定相続額を渡そうと考えています。 相続に知識のある知り合いからは一旦裁判所が許可した遺留分放棄は、後で撤回することはまず出来ない。但し申立理由に変更があればその限りではない、とのアドバイスをもらいました。 【質問1】 ①申立理由は被相続人である母に対し裁判所から確認連絡等はあるのでしょうか 【質問2】 ②約束した金額は当然渡しますが、例えば母の面倒を弟を除いた相続人が約束したとの理由が書かれてそれを将来的に何らかの事情で守れなかった場合が発生したら、遺留分放棄許可取消が裁判所に認められるのでしょうか
弁護士の回答
村上 誠 弁護士
【質問1】 ①申立理由は被相続人である母に対し裁判所から確認連絡等はあるのでしょうか 家庭裁判所は遺留分放棄の許可審判にあたっては、単に遺留分の放棄の意思の真正を確認するだけでなく、当事者間の具体的な事情を考慮して、放棄の理由が客観的に合理的かどうかを判断することになりますので、その判断のために、お母様から事情を確認することはあるでしょう。 【質問2】 ②約束した金額は当然渡しますが、例えば母の面倒を弟を除いた相続人が約束したとの理由が書かれてそれを将来的に何らかの事情で守れなかった場合が発生したら、遺留分放棄許可取消が裁判所に認められるのでしょうか 遺留分の放棄の許可審判がされた後に、申立の前提となった事情が変化し、遺留分放棄の状態を維持することが客観的にみて不合理となった場合には、家庭裁判所は遺留分権利者の申立を受けて、放棄許可審判を取り消し、あるいは変更することができる、とした裁判例がありますので、質問のケースでも、遺留分放棄許可審判が取消される可能性がないとは言えないでしょう。
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まとめ

相続発生後のトラブルを防止し、被相続人の意思を最大限尊重するためには、遺留分を放棄することが選択肢の一つです。

ただし、被相続人の生前における遺留分放棄には家庭裁判所の許可が必要であり、その審査は非常に厳格に行われます。また、一度遺留分を放棄すると原則として撤回できないので、放棄するかどうかは慎重に検討しましょう。

遺留分を放棄してよいのか迷ったとき、家族から生前の放棄を求められたとき、代償として受け取る金額が見合っているか判断できないときは、まずは弁護士への初回相談で、ご自身のケースで放棄が認められるのか、どんな条件を整えるべきかを確認しましょう。

弁護士に相談すれば、遺留分放棄の手続きや注意点、代償金の決め方などについてアドバイスを受けられます。遺留分の放棄を考えている方や、他の相続人から遺留分の放棄を求められている方は、お早めに弁護士へご相談ください。

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この記事の監修者
川村勝之
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