相続弁護士 ドットコム
月間サイト訪問者数
690万人以上
登録弁護士
28,000人以上
遺留分
更新日:2026/10/05

遺留分侵害額請求の弁護士費用|284事務所の料金表データ

監修者
鳥光 翼
弁護士法人心 船橋法律事務所
鳥光 翼
遺留分侵害額請求の弁護士費用|284事務所の料金表データ
遺留分侵害額請求を弁護士に頼むと、費用はいくらかかるのか。着手金・報酬金・実費の相場と、費用倒れを防ぐ判断基準を解説します。遺留分の料金を掲載する284事務所の料金表を集計したところ、着手金は22万円が最も多く、約7割が初回相談無料でした。依頼から解決までの流れもあわせて紹介します。
遺留分 に関する弁護士相談をご検討中の方へ
電話・メールOK
夜間・休日も対応
初回無料
相談あり
遺留分に強い
弁護士から探せる
遺留分 に強い弁護士を探す

遺留分侵害額請求の弁護士の費用相場は?内訳と支払いの仕組み

遺留分の請求(遺留分侵害額)を弁護士に依頼すると、主に「着手金」「報酬金」「実費」の3つの費用が発生します。

「費用が不透明で怖い」と感じる方も多いでしょう。しかし、旧日本弁護士連合会の報酬規定をベースに、ある程度の相場が決まっています。ここでは、それぞれの費用の内訳と支払いのタイミングを具体的に見ていきましょう。

費用項目

相場

支払いタイミング

着手金

10万円〜30万円(※0円の事務所も増加)

依頼時(契約時)

報酬金

回収額の10%〜16%

事件解決後(お金を受け取った後)

実費・日当

数万円程度

案件ごとに発生

この表を見てわかるとおり、報酬金は「成功した場合のみ」支払うため、「弁護士に頼んで損をする」リスクは最小限に抑えられています。

【データで見る】遺留分の着手金は「22万円」の事務所が最も多い

相続弁護士ドットコム掲載事務所のうち、遺留分侵害額請求(請求する側)の着手金を定額で記載する175事務所の金額分布。22万円が39%、33万円が27%、11万円が8%、その他が25%。中央値は22万円

相続弁護士ドットコムに料金表を掲載する681事務所のうち、284事務所が遺留分侵害額請求の料金を載せていました。請求する側の着手金を金額で記載している175事務所(無料を含む)では、中央値が22万円です。

金額別では、22万円が69事務所(39%)と最も多く、33万円が48事務所(27%)、11万円が14事務所(8%)と続きます。この3つで全体の約4分の3を占めます。いずれも、旧日本弁護士連合会の報酬規定の20万円・30万円・10万円に消費税を加えた金額です。

報酬金を料率で記載している150事務所では、17.6%が48事務所(32%)、11%が35事務所(23%)でした。上の表の「10%〜16%」に消費税を加えると11%〜17.6%になるため、税込ではこの幅で考えておくとよいでしょう。なお、請求された側の料金を載せる事務所も205事務所あり、着手金の中央値は同じく22万円でした。

(集計:相続弁護士ドットコム掲載事務所の料金表681件。2026年9月時点・当社調べ。金額は税込で、各事務所が記載した最低額を基準としています。着手金を「経済的利益の◯%」など料率で記載する51事務所は着手金の集計から除いています)

遺留分に限らず、遺産分割や相続放棄など相続の手続きごとの弁護士費用は、以下の記事でくわしく解説しています。

着手金:手続き開始時に支払う費用(相場:10万円〜30万円)

着手金とは、弁護士が事件に着手する際に支払う「初期費用」です。結果が出る前に支払うため、仮に遺留分を1円も取り戻せなくても返金されないのが原則です。

相場:10万円〜30万円

旧弁護士報酬規定では、請求する金額(経済的利益)に応じて着手金が決まっていました。たとえば、300万円の遺留分を請求する場合、着手金は約20万円が目安とされていました。

ただし、2004年の報酬自由化以降、着手金0円(無料) で対応する法律事務所も増えています。これは、依頼者の初期負担を減らし、気軽に相談できるようにするための配慮です。

「手元にまとまったお金がない」という方でも、着手金無料の事務所を選べば依頼のハードルが下がります。

【データで見る】着手金を無料とする事務所は約5%

遺留分侵害額請求(請求する側)の着手金を金額で記載している175事務所のうち、「無料」または「完全成功報酬」としていたのは8事務所(約5%)でした。

掲載事務所の中では、着手金無料はまだ少数です。着手金の有無だけで選ばず、報酬金や実費も含めた総額の見積もりで比べておくと安心です。

(集計:相続弁護士ドットコム掲載事務所の料金表681件。2026年9月時点・当社調べ。金額は税込で、各事務所が記載した最低額を基準としています)

報酬金:遺留分の獲得額に応じて支払う費用(相場:回収額の10%〜16%)

報酬金とは、事件が解決し、実際に遺留分を取り戻せた場合に支払う「成功報酬」です。受け取ったお金の中から支払うため、手元からの持ち出しではなく、「増えた分から払う」という仕組みです。

相場:回収額の10%〜16%

たとえば、弁護士のおかげで1,000万円を取り戻せた場合、そのうちの10〜16%(100万円〜160万円)を報酬金として支払います。

【計算例】

  • 回収額:1,000万円
  • 報酬金(16%の場合):1,000万円 × 16% = 160万円
  • 手元に残るお金:840万円

「160万円も取られるの?」と感じるかもしれませんが、弁護士がいなければ1,000万円そのものが0円になっていた可能性があります。つまり、160万円の支払いは「840万円を守るための投資」と考えると良いでしょう。

請求された側の依頼で、相手の請求額から減らせた金額に応じて報酬を決めると説明され、その割合が妥当か気にしている相談者もいます。

Q
遺留分侵害額請求権に対する弁護士報酬について
相談者の疑問
【相談の背景】 母親がなくなり、遺言を元に相続を進めていた結果、兄から父と私宛に遺留分侵害額請求権が来ました。 向こうが弁護士をつけたため、こちらも父と共に弁護士を依頼したのですが、成功報酬の取り決めは、兄からの請求額からどれだけ減額できたかに掛目をかけて算出すると言われています。 例)兄から父+私への請求額 1000万円 最終的に遺留分として兄に返金する額(父+私) 800万円  →200万円×掛目=成功報酬 【質問1】 この場合、一般的な掛け目はどれくらいになるのでしょうか? 実はあまり協力的な弁護士さんではなく、少々不安な点があるため、通常よりも高い掛け目を提示されるのではないかと思っており、、 【質問2】 弁護士会での費用水準等、指標がございましたらご教示いただきたく、よろしくお願い申し上げます。
弁護士の回答
柴山 将一 弁護士
【質問1】 この場合、一般的な掛け目はどれくらいになるのでしょうか? 【質問2】 弁護士会での費用水準等、指標がございましたらご教示いただきたく、よろしくお願い申し上げます。 →弁護士費用の算定基準については現在自由化されており、各弁護士、法律事務所によって異なりますが、自由化以前に使用されていた弁護士会旧報酬会規の基準またはこれに準じた基準を用いている弁護士がまだまだ多いです。これを一般的なものとするのであれば、経済的利益が200万円の場合、報酬金の掛け目は16%(消費税別)になります。 以上、ご参考にして頂ければ幸いでございます。
すべての回答を見る

実費・その他:日当や調査費用(数万円程度)

実費とは、弁護士が実際に立て替えた費用のことです。具体的には以下のようなものが含まれます。

  • 印紙代:裁判所に訴訟を起こす際に必要な手数料(数万円〜)
  • 切手代:裁判所への書類郵送費用(数千円〜)
  • 交通費:弁護士が裁判所などに出向く場合(数万円)
  • 戸籍謄本・登記簿謄本の取得費用:相続人や財産を調査するための書類代(数千円〜)

通常、実費は数万円程度に収まります。

ただし、裁判所に何度も出廷する必要がある場合などでは、日当(1日あたり3万円〜5万円)が加算されることもあります。このため、できるだけ近場の弁護士や、オンライン対応可能な弁護士を選ぶ方がコストを抑えられます。

【計算例】1,000万円の遺留分を獲得した場合の弁護士費用は?

ここで、実際に1,000万円の遺留分を取り戻した場合の費用シミュレーションを見てみましょう。

費用項目

金額

着手金

30万円(※0円の事務所もある)

報酬金(16%の場合)

160万円

実費等

5万円

弁護士費用合計

195万円

手元に残るお金

805万円

「約200万円の出費」がありますが、弁護士に依頼することで約800万円を取り戻すことが可能となります。相続財産の把握や法律手続き、遺留分の計算など遺留分侵害額請求の手続きは非常に複雑です。専門家に依頼することで、手間をかけずにスムーズに進めることができます。

遺留分の請求を弁護士に依頼する判断基準

弁護士に依頼すれば必ず有利になる、もしくはメリットがあるとは限りません。

特に「遺産総額が少ない場合」は、弁護士費用を払うと手元に残るお金がマイナスになる「費用倒れ」のリスクがあります。ここでは、弁護士に依頼すべきケースと、自分で対応した方がいいケースを解説します。

ケース

判断基準

推奨行動

弁護士に依頼すべき

遺留分侵害額が200万円以上 / 不動産が含まれる / 相手が隠し財産を持っている疑いがある

迷わず弁護士に相談

自分で対応を検討

遺産総額がかなり少ない(数十万円のみ) / 相手との関係が良好

内容証明郵便を自分で送る、または家庭裁判所の調停を自力で申し立てる

判断がつかない

自分では計算できない / リスクがわからない

初回無料相談で弁護士に試算してもらう(ノーリスク)

弁護士に依頼したほうがいいケース(請求額が200万円以上など)

弁護士費用を払っても、手元にしっかりお金が残る――そんなケースでは、迷わず弁護士に依頼すべきです。具体的には以下のような場合です。

  • 遺留分侵害額が200万円〜300万円以上になりそうな場合
  • 遺産に不動産が含まれている場合(評価額の算出で有利に運べる)
  • 相手が隠し財産を持っている疑いがある場合
  • 相手がすでに弁護士を立てている場合
  • 親族間の対立が激しく、感情的に話し合いができない場合

たとえば、親の遺産が5,000万円で、あなたの遺留分が法定相続分の半分(500万円)だとします。この場合、弁護士費用が200万円かかったとしても、手元に300万円が残ります。

自分で遺留分を主張しても、他の相続人に無視されたり、金額で揉めたりすることが考えられます。相続でトラブルが起きる場合は、相続人同士が感情的になることが多いので、交渉が長引く可能性も高くなります。そうなると遺留分侵害額請求には時効があるため(後述)、1円ももらえない可能性も生じます。

自分で対応したほうがいいケース(遺産総額がかなり少ない場合)

弁護士に依頼せずに自分で対応した方がいいケースは下記です。

弁護士に依頼しない方がいいケース

  • 遺産が預貯金数十万円のみの場合
  • 計算上の遺留分侵害額が50万円以下の場合
  • 相手との関係が比較的良好で、話し合いで解決できそうな場合

たとえば、親の遺産が100万円しかなく、あなたの遺留分が25万円だとします。この場合、弁護士費用(着手金20万円+報酬金4万円+実費)を払うと、手元にほとんど残りません。それどころか、マイナスになる可能性すらあります。

【代替案】

このようなケースでは、以下の方法を検討しましょう。

  • 内容証明郵便を自分で送る:法務局の雛形を使えば、自力で請求できます(費用:数千円)
  • 家庭裁判所の調停を自力で申し立てる:調停は弁護士なしでも利用できます(申立費用:数千円)

ただし、相手が弁護士を立ててきた場合や、隠し財産がある場合は、やはりプロに頼むべきです。

「完全成功報酬制」や「初回相談無料」を活用するメリット

「自分のケースが費用倒れになるかどうか、素人には計算できない」――そう思うのは自然です。

そういうときは弁護士の初回無料相談を使って、計算してもらうのがおすすめです。多くの弁護士事務所が初回無料相談を行っていますので、ぜひ活用してください。

初回無料相談で確認すべきポイント

  • 自分のケースで「いくら取り戻せそうか」の試算
  • 弁護士費用の総額(着手金・報酬金・実費の見積もり)
  • 費用倒れのリスクがあるかどうか
  • 完全成功報酬制(着手金0円)で対応可能か

多くの法律事務所では、初回30分〜1時間の相談が無料です。この段階では契約する義務はないため、「とりあえず話だけ聞いてみる」というノーリスクの行動が可能です。

また、着手金0円の完全成功報酬制を採用している事務所なら、初期費用ゼロで依頼でき、お金を取り戻せた時だけ報酬を支払えばいいため、費用倒れのリスクを大幅に減らせます。

【データで見る】遺留分を扱う事務所の約7割が初回相談無料

遺留分の料金を掲載する284事務所のうち、初回相談を「無料」としていたのは196事務所(69%)でした。有料としていたのは87事務所(31%)です。

費用倒れになるかどうかを確かめる最初の相談は、多くの事務所で費用をかけずに受けられます。まずは気軽に初回相談を申し込んでみましょう。

(集計:相続弁護士ドットコム掲載事務所の料金表681件。2026年9月時点・当社調べ。金額は税込で、各事務所が記載した最低額を基準としています)

遺留分の請求を弁護士に相談する3つのメリット

改めて、遺留分侵害額請求を弁護士に依頼するメリットを3つに整理して解説します。

1. 取り戻せる額が最大化する

「遺言に書いてある金額」をそのまま受け入れてしまいがちですが、弁護士に依頼すると遺留分があるかどうか、またその額はどの程度かを正確に把握することが可能になります。また取り戻せる額を最大化できる可能性も高くなります。

  • 特別受益の持ち戻し:長男だけが生前に親から家を買ってもらっていた場合、その価値を「遺産」に加算して計算できる(特別受益とは、一部の相続人だけが生前に受け取った特別な贈与のことです。原則として、相続開始前10年以内のものが算入の対象となります)
  • 不動産評価額の算出方法:相続税評価額ではなく、実勢価格(市場で実際に売れる価格)で評価することで、遺産総額を高く見せられる
  • 生命保険金の扱い:生命保険金は原則として遺産に含まれないが、受取額が著しく不公平な場合は「特別受益」として主張できる場合がある

【具体例】

たとえば、親の遺産が「預貯金1,000万円+不動産(相続税評価額2,000万円)」だとします。この場合「遺産総額3,000万円」と考えがちです。

しかし、弁護士が調査すると以下の事実が判明しました。

項目

一般的な計算

弁護士の計算

預貯金

1,000万円

1,000万円

不動産(実勢価格)

2,000万円

3,500万円(再評価)

長男への生前贈与(特別受益)

0円

1,500万円(持ち戻し)

遺産総額(遺留分計算の基礎となる財産額)

3,000万円

6,000万円

あなたの遺留分(1/4)

750万円

1,500万円

この例では、弁護士が介入することで請求額が2倍になりました。これが、専門家に頼む最大のメリットといえます。

どのような生前贈与が特別受益にあたり、遺産に持ち戻されるのかは、以下の記事でくわしく解説しています。

自分の遺留分がどのくらいになるのかは、家族構成ごとの割合と計算方法から確認できます。

2. 相手方との直接交渉によるストレスが軽減する

遺留分の請求での相手は、親や兄弟といった身内です。しかし、お金が絡むと、普段は仲の良かった家族・親族との関係も一変してしまうことも少なくありません。

弁護士に依頼した後の変化

  • 相手からの連絡はすべて弁護士事務所に行くため、あなたの電話やLINEに直接連絡が来なくなる
  • 感情的な言い争いがなくなり、冷静な「法的交渉」に切り替わる
  • 仕事やプライベートから割く時間が減り、ストレスも軽減される

相続人同士の感情的対立が深刻な場合、弁護士という第三者が入ることで、冷静な話し合いが可能になります。

3. 遺留分の時効や遺産隠しの見落としを防げる

遺留分の請求には、非常に短い時効があります。

「相続の開始を知った日」および「遺留分を侵害する贈与や遺言があったこと」の両方を知った時から1年間請求を行わないと、時効によって権利が消滅してしまいます(民法第1048条)。また、使い込みや遺言の事実を全く知らなかったとしても、相続開始から10年が経過(除斥期間)すれば、同様に請求できなくなります。

また遺留分の金額は「故人の全財産」をベースに計算するため、遺産を独占したい相続人が生前贈与やタンス預金、ネット口座などをわざと隠す「遺産隠し」をするケースがあります。

隠蔽された財産があると正しい遺留分を請求できません。弁護士に依頼することで、個人では難しい調査が可能になり、正確な相続財産を把握することが可能になります。

時効と隠し財産のリスク

  • 自分で調べているうちに1年(または10年)が過ぎて、1円も請求できなくなる
  • 相手が隠している銀行口座を、個人の力で探し出すことの限界
  • 弁護士の弁護士会照会(弁護士が弁護士会を通じて、金融機関や役所などに情報開示を求められる制度)を使えば、個人では不可能な調査が可能になる

遺留分と特別受益の持ち戻し、そして時効や隠し財産などは弁護士に依頼することで解決できることが多くなります。

リスク

弁護士に依頼しなかった場合

弁護士に依頼した場合

時効(1年/10年)

1年が過ぎて時効が成立、または相続開始から10年で権利消滅

即座に内容証明で「遺留分侵害額請求」の意思表示を行い、1年の時効を止める

隠し財産

探すには大きな労力がかかり、手段も限定されている

代理人としての調査や、弁護士会照会で金融機関に問い合わせ可能

財産の保全

相手が証拠を隠す・処分する

仮処分で財産の処分を止められる

1年・10年の期限の数え方や、内容証明郵便で時効の完成を防ぐ方法は、以下の記事でくわしく解説しています。

遺留分の請求に強い弁護士の探し方|失敗しないための3つのチェックポイント

「弁護士なら誰でも同じ」――そう思っていませんか?

弁護士にも得意分野があり、遺留分の請求では特に隠し財産の調査能力と親族間の感情調整力が重要になります。ここでは、「本当に頼れる弁護士」を見極めるための3つのチェックポイントを紹介します。

チェック項目

良い弁護士の特徴

避けるべき弁護士の特徴

実績

年間○○件の相続相談、解決事例が具体的

「何でも対応します」と漠然としている

費用の透明性

見積もりを明示、費用倒れのリスクも説明

費用の説明があいまい、追加費用の説明なし

コミュニケーション

専門用語を使わず、図解で説明してくれる

専門用語を並べ立て、高圧的な態度

1. 相続トラブルの解決実績が豊富か

医者に外科や内科があるように、弁護士にも重点的な取扱い分野があります。

遺留分の請求では、単なる「法律の知識」ではなく、ドロドロの親族トラブルをまとめる交渉力が問われます。

実績を見極めるポイント

  • 公式サイトに具体的な解決事例が掲載されているか(金額や期間が明記されているとなお良い)
  • 「年間○○件の相続相談」といった数字が示されているか
  • 相続分野に注力と明記されているか

たとえば、「年間200件の相続相談」と明記している事務所は、それだけ経験値が高く、あらゆるパターンのトラブルに対応してきた実績があると判断できます。

2. 弁護士費用が明確で、リスクの説明があるか

お金に関してごまかさない弁護士が、「良い弁護士」の条件のひとつです。特に、相談の段階で「これだと費用倒れになるからやめた方がいい」と正直に言ってくれる弁護士は、信頼に値します。

費用面でチェックすべきポイント

  • 初回相談で、総額の見積もりを出してくれるか
  • 委任契約書に着手金・報酬金・実費が明記されているか
  • 「追加費用が発生する可能性」についても説明があるか
  • 費用倒れのリスクを正直に教えてくれるか

逆に、「とにかく任せてください」と営業色の強い勧誘をしてくる弁護士や、費用の説明があいまいな弁護士は避けるべきです。

3. 専門用語を使わずに説明してくれるか

50代・60代の読者にとって、コミュニケーションの相性は重要です。

法律用語を並べ立てるのではなく、「要するにこういうことです」と噛み砕いて説明してくれる弁護士を選びましょう。

コミュニケーション面でチェックすべきポイント

  • 専門用語を連発せず、わかりやすい言葉で説明してくれるか
  • 紙に図を書いて、視覚的に説明してくれるか
  • あなたの質問に対して、ゆっくり、丁寧に答えてくれるか
  • 高圧的な態度ではなく、共感的な態度で接してくれるか

初回相談で「この人になら任せられる」と感じられるかどうかが、最も重要な判断基準です。契約後も長く付き合うことになるため、ストレスを感じる弁護士は避けましょう。

弁護士に相談してから遺留分の請求が解決するまでの流れ

「弁護士に依頼したら、自分は何をすればいいの?」――そんな不安を解消するため、ここでは依頼から解決までの流れを全体像で解説します。

各ステップで読者がやるべきことは、基本的に弁護士に情報を共有するだけです。あとは弁護士が代わりに動いてくれるため、日常生活や仕事に支障が出ることはありません。

遺留分侵害額請求の手続きそのもの(請求書の書き方や調停の申し立て方)は、以下の記事でくわしく解説しています。

ステップ1:法律相談・委任契約(現状の把握と方針決定)

最初のステップは、弁護士との相談です。この段階では、まだ契約する義務はありません。まずは「話を聞いてもらう」ところからスタートします。

初回相談で持っていくもの

  • 親の遺言書(コピーでOK)
  • わかる範囲の財産メモ(預貯金、不動産、株式など)
  • 相続人の関係図(簡単な家系図でOK)
  • 相手から届いた通知書(内容証明郵便など)

これらが揃っていなくても、相談は可能です。弁護士が「何が足りないか」を教えてくれます。

契約した時点で、すべての連絡窓口が弁護士に切り替わります。相手からの連絡は基本的に弁護士事務所に行くため、あなたが直接対応する必要はありません。

ステップ2:遺産調査・証拠収集(隠し財産のあぶり出し)

契約後、弁護士が裏で以下のような調査を進めます。依頼者は待っているだけでOKです。

弁護士が行う調査

  • 金融機関への照会(弁護士会照会等を使って、銀行口座の有無を確認)
  • 不動産の査定(実勢価格を算出し、有利な評価額を導く)
  • 生前贈与の洗い出し(特別受益に該当するか確認)
  • 相続税申告書の開示請求(相手が申告している財産の全容を把握)

これらの調査により、相手が隠している財産をあぶり出し、正確な「遺留分の計算」を行います。

ステップ3:内容証明の送付・交渉(弁護士が代理で交渉)

調査が完了したら、相手に内容証明郵便を送り、「遺留分侵害額を支払ってください」という意思表示を行います。これにより、1年の消滅時効による権利消滅を防ぎ、相手に「こちらは本気だ」という意思を伝えます。

内容証明郵便の効果

  • 遺留分侵害額請求の意思表示を行い、1年の消滅時効による権利消滅を防げる
  • 相手に心理的プレッシャーを与え、交渉のテーブルにつかせる
  • 弁護士名義で送ることで、「素人ではない」ことを示せる

そのまま裁判外での交渉(話し合い)でまとまれば、早ければ数ヶ月で決着・入金されます。多くのケースは、この段階で和解が成立します。

【データで見る】遺留分の解決事例の約半数は「協議」で決着

遺留分の解決事例231件の約半数が「協議」で解決

弁護士ドットコムが保有する解決事例1,212件のうち、遺留分に関する事例は231件ありました。解決した段階を見ると、協議(交渉)が114件(49%)と最も多く、訴訟が51件(22%)、調停が47件(20%)と続きます。その他は16件、審判は3件でした。

依頼者の立場別では、請求する側が146件、請求された側が48件、その他が37件です。請求する側の146件に限っても、70件(48%)が協議で解決しています。

調停や訴訟に進むと、事務所によっては追加の着手金がかかる場合があります。交渉の段階でまとまれば、期間だけでなく弁護士費用も抑えやすくなります。

(集計:相続弁護士ドットコム掲載事務所の解決事例1,212件(公開中)のうち、タイトル・相談内容・解決内容に「遺留分」を含む231件。2026年9月時点・当社調べ。解決段階・依頼者の立場は各事務所の登録区分による)

ステップ4:調停・訴訟(話し合いがまとまらない場合)

相手が無視したり、頑なに支払いを拒否した場合は、家庭裁判所での調停(話し合い)や訴訟(裁判)に移行します。

手続き

内容

期間

依頼者の負担

調停

家庭裁判所の調停委員が間に入って話し合い

3ヶ月〜6ヶ月

出席は弁護士が代理可能(本人出席が望ましいが、出られなくても問題ない)

訴訟

裁判所が判決を下す

6ヶ月〜1年以上

期日への出席や書類作成はすべて弁護士が代理

たとえ裁判になっても、弁護士がすべて代理してくれるため、依頼者の日常や仕事に支障は出ません。

「裁判所に行く」「書類を書く」といった負担はほとんどなく、弁護士から「こういう方向で進めます」という報告を受けるだけです。

よくある質問(FAQ)

【データで見る】遺留分と弁護士の相談で多いのは「依頼・弁護士選び」

弁護士ドットコムが保有する「みんなの法律相談」の相続の相談30,302件のうち、遺留分と弁護士の両方に触れた相談は442件ありました。

内容別では、弁護士への依頼や変更に関する相談が123件と最も多く、相手方の弁護士への対応が66件、弁護士費用や報酬に関する相談が60件と続きます(2021年4月1日〜2026年7月8日に投稿された相談。当社調べ、n=442)。

Q: 弁護士費用を「後払い」にすることは可能ですか?

A: 事務所によりますが、着手金を抑えて報酬金で調整するプランや、法テラス(日本司法支援センター)の立替制度を利用できる場合があります。法テラスを使えば、収入が一定以下の方は弁護士費用を立て替えてもらい、分割で返済できます。まずは相談時に「費用の支払い方法」を確認しましょう。

Q: 相手の弁護士から連絡が来ました。自分で返信してもいいですか?

A: 危険です。不用意な発言が法的に不利な証拠となる可能性があるため、返信前に必ずこちらの専門家に相談してください。相手の弁護士は「あなたに不利な発言を引き出すプロ」です。感情的になって余計なことを言ってしまうと、後から取り返しがつきません。すぐに弁護士に転送し、対応を任せましょう。

たとえば、相手方の代理人弁護士から遺留分侵害額請求の通知書が届き、書面ではなくメールやLINEでやり取りできないか悩むケースもあります。

Q
弁護士から届いた遺留分侵害額請求通知書に不服があった場合の連絡手段について。メールでも可能ですか?
相談者の疑問
【相談の背景】 2日前に相手方の代理人弁護士から遺留分侵害額請求通知書が配達証明郵便で届きました。 書面には相続財産として、不動産、預貯金などの項目が合計され、具体的な遺留分侵害額が記入されていました。 期限までに指定金額の振込みが無く、また何らかの連絡もいただけない場合は法的手段に出る。 と記入されていました。 先ほど通知書を送付してきた弁護士に電話で連絡しました。 相続財産の内容について、納得できない部分があるので、今後はLINEやメールでやり取りしたい旨を伝えました。 しかし弁護士からは不服があれば書面でやり取りして下さい。それが呑めないなら調停です。 と言われました。 理由はLINE、メールでは証拠能力に疑問がある。とのことでした。 このような場合、弁護士と連絡をとる際は書面でやり取りするしかないのでしょうか? 【質問1】 弁護士から遺留分侵害額請求通知書が届いた際の、連絡手段について
弁護士の回答
高山 桂 弁護士
弁護士としては、書面による連絡手段の窓口を設けているので、書面による連絡をした方がよいでしょう。  仮に、メールやLINEでのみ連絡をした場合、当該弁護士がその連絡を受け入れてくれればよいですが、書面による連絡がないとの判断で、調停を申し立てる可能性はあります。
すべての回答を見る

Q: 相談したことが親族にバレるのが心配です。

A: 弁護士には守秘義務があり、依頼後はすべての連絡窓口を弁護士に一本化できるため、むしろ周囲に知られず穏便に進めやすくなります。相談の段階では、相手に通知されることはありません。あなたが「内容証明を送ってください」と依頼した時点で、初めて相手に請求の意思が伝わります。

Q: 地方在住ですが、東京の「強い弁護士」に依頼できますか?

A: はい。現在はZoom等のオンライン相談に対応している事務所が多く、遠方でも遺留分問題に特化した精鋭弁護士に依頼することが可能です。初回相談から契約、その後の打ち合わせまで、すべてオンラインで完結できる事務所も増えています。ただし、裁判所での手続きが必要になった場合は、遠方の弁護士だと日当が高額になる可能性があるため、事前に確認しましょう。

弁護士を自分の住まいの近くで探すか、相手が住む実家の近くで探すかも、よく迷うポイントです。

Q
どこの地域の弁護士に依頼するのが良いのか
相談者の疑問
【相談の背景】 親からの相続で相続人は私と弟2人。 一度は遺留分を受け取り協議書に署名した。 しかし、その後に財産が出てきた。遺留分はきっちりと受け取りたいが追加分を渡してくれない。 話し合いで解決できないため弁護士を頼みたい。 【質問1】 その場合の弁護士は自分の居住地の近くでの依頼がいいのか。 2時間ほど離れた実家(弟が居住中)近くで探すのがいいのか。 遺言書の検認は実家近くの家裁で行った。
弁護士の回答
寺田 塁 弁護士
大前提として、お話をしてみて安心して任せられそうな弁護士かどうか、が一番重要です。この点、最近はオンライン面談等による対応も行われるようになってきましたので、必ずしもお近くの弁護士に依頼した方がよいというわけではありません。 ただ、基本的には、お近くの法律事務所に依頼された方が、すぐに対面での相談に行くことができますし、比較的密にコミュニケーションを取りやすいと思います。 一私見となり恐縮ですが、ご参考になれば幸いに存じます。
すべての回答を見る

まとめ:遺留分の請求は「弁護士に任せる」が正解

遺留分の請求を弁護士に依頼する最大のメリットは、手元に残るお金が増える可能性が高いことです。

費用は決して安くはありませんが、弁護士がいなければそもそも1円も取り戻せなかった可能性があることを考えれば、費用対効果は高いと言えます。

ただし、遺産総額がかなり少ない場合は「費用倒れ」のリスクがあるため、初回無料相談で「自分のケースが依頼すべきかどうか」を冷静に判断しましょう。誠実な弁護士なら、「これは自分でやった方がいいですよ」と正直に教えてくれます。

「自分で戦い続けるのは、精神的にも金銭的にも『大損』のリスクがある」――そう感じたなら、まずは一度、専門家の話を聞いてみてください。その一歩が、あなたの正当な権利を守る第一歩になります。

【監修弁護士】鳥光 翼弁護士/弁護士法人心 船橋法律事務所

【次に読む】費用と並べて見る、請求できる額と期限

費用の見当がついても、請求できる額と期限が分からないと判断できません。自身の遺留分が何分の一なのか、1年の起算点はいつなのか、相手が払わなければどう進むのか。費用と並べて考えたい前提は、次の記事であわせて確認してください。

この記事をシェアする
このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事の監修者
鳥光 翼
弁護士法人心 船橋法律事務所
鳥光 翼(千葉県弁護士会)
遺留分に関するコラム