

相続放棄を行うに当たっては、申述書に戸籍謄本などを添付して、家庭裁判所に提出する必要があります。必要書類の準備や手続きは、自分で行うこともできますが、弁護士や司法書士に依頼することも可能です。
相続放棄の手続きには、主に以下の費用がかかります。
※一般的には、合計1,000円~2,000円程度
自分で相続放棄の手続きを行う場合は、上記のうち、公的書類の取得費用と裁判所に納付する費用だけがかかります。通常は2,500円から3,500円程度に収まることが多いですが、必要な戸籍の通数や裁判所が指定する郵便切手額によって増減します。
弁護士または司法書士に依頼する場合は、さらに弁護士費用または司法書士費用がかかります。司法書士費用の方が若干安い傾向にありますが、実際の依頼費用は弁護士・司法書士によって異なります。
相続放棄を専門家に依頼する場合、依頼先としては弁護士または司法書士が候補となります。
相続放棄の手続きがよくわからず、専門家にすべて任せたいと考えている方は、弁護士への依頼をおすすめします。
弁護士は、申述書の作成や戸籍謄本等の取得を本人に代わって行い、さらに代理人として相続放棄の申述手続きを進めることができます。申述書等を提出すると、家庭裁判所から照会書面が送られてくることがありますが、その回答内容の検討や提出対応についても弁護士に任せることができます。
司法書士に依頼する場合、申述書など家庭裁判所に提出する書類の作成や、戸籍謄本等の取得を依頼できます。一方、家庭裁判所に対して代理人として相続放棄の申述手続きそのものを行うことは、弁護士の業務範囲とされています。
そのため司法書士に依頼した場合でも、申述は本人名義で行い、家庭裁判所からの照会への回答も、基本的に本人が対応する必要があります。
依頼費用は、弁護士よりも司法書士の方が若干安い傾向にあります。ただし、実際の費用は依頼先によって異なるので、依頼前にあらかじめ見積もりをしてもらいましょう。
相続放棄の弁護士費用は、依頼者となる申述人(=相続放棄をする人)が自分で払うのが原則です。
ただし、亡くなった被相続人に多額の借金があった場合などには、複数の相続人が相続放棄をすることもあります。その場合、相続放棄をする相続人全員が、同時に弁護士へ依頼するのが便利です。公的書類を共通して利用できるほか、トータルの弁護士費用を抑えられる可能性があります。
複数の相続人が、相続放棄を同時に弁護士へ依頼する場合、弁護士費用の分担は相続人が話し合って決めることになります。
なお、相続放棄を予定している場合は、相続財産から弁護士費用を支出することは避けるべきです。相続財産を処分したと評価されると「法定単純承認」が成立し、相続放棄が認められなくなるおそれがあるので十分ご注意ください(民法921条)。
相続放棄の弁護士費用を抑えたい場合は、以下の方法が考えられます。
弁護士への相談時には相談料がかかるのが原則ですが、無料相談を受け付けている弁護士も多数存在します。無料相談では、相続放棄をすべきかどうかや申述手続きの流れなど、幅広い事柄についてアドバイスを受けられます。
少しでも弁護士費用を抑えたい方は、無料相談ができる弁護士に相談するのがよいでしょう。
弁護士ポータルサイト(=弁護士の情報がまとまっているウェブサイト)を利用すれば、無料相談ができる弁護士をスムーズに検索できます。
相続放棄の弁護士費用は、依頼先の弁護士によって異なります。手続きの内容は同じでも、ある弁護士には10万円と言われたのに、別の弁護士は5万円だったということがよくあります。
弁護士費用を抑えて相続放棄を依頼したい場合は、複数の弁護士に相談して見積もりを取得し、それらを比較するのがよいでしょう。
費用の面に加えて、人柄や能力などの面から信頼できる弁護士を見極める観点からも、複数の弁護士に相談することをおすすめします。
相続放棄をする相続人が複数いる場合には、足並みをそろえて同時に弁護士へ依頼すると、トータルの弁護士費用を抑えられる可能性があります。
相続放棄の申述は各相続人ごとに行う必要がありますが、必要書類の収集や方針確認をまとめて進められるため、バラバラに依頼を受けるよりも弁護士の手間が省けるからです。
特に、亡くなった被相続人が多額の借金を負っており、遺産総額がマイナスである場合には、相続人全員で相続放棄を検討するのが合理的です。
ただし、先順位の相続人が相続放棄をすると次順位の親族が相続人になることがあるため、どの範囲の親族が手続きをすべきかも確認しましょう。この場合は、関係する相続人が同時に弁護士へ依頼することで、相続放棄の費用を抑えられます。
相続放棄の手続きを自分で行えば、弁護士費用(または司法書士費用)を支払わずに済みます。
相続放棄の必要書類や手続きの流れなどは、家庭裁判所で手続案内を受けられることがあります。自分で相続放棄を行う場合は、管轄の家庭裁判所に問い合わせてみましょう。
ただし家庭裁判所は、手続き以外の部分についてはアドバイスをしてくれません。たとえば、相続放棄をすべきかどうかの判断や、相続放棄に当たって注意すべきこと・してはいけないことなどについて、家庭裁判所は詳しく教えてくれません。
注意点を知らずに相続放棄の手続きを進めた結果、後にトラブルが生じるケースがよくあります。相続放棄に関するトラブルを避けるには、多少費用がかかっても弁護士に依頼するのが安心です。
相続放棄の手続きは、多少費用がかかるとしても、弁護士に依頼して進めてもらうのが安心です。
相続放棄の弁護士費用は、1人当たり5万円から10万円程度が標準的です。無料相談を利用する、複数の弁護士の見積もりを比較する、複数の相続人が同時に依頼するなどの方法により、相続放棄の弁護士費用を抑えられる可能性があります。
相続放棄には期限(自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内。民法915条1項)があります。期限が迫っている場合や調査に時間がかかる場合は、期間伸長の申立ても含めて、早めに手続きの準備を進めることが大切です。亡くなった被相続人に多額の借金がある、遺産相続に関わりたくないなどの理由で、相続放棄をご検討中の方は、弁護士へご相談ください。
