依頼者との信頼関係を大切にし、希望を丁寧にヒアリング。遅い時間や土日の相談にも対応
東京都新宿区で「弁護士法人ゆかり法律事務所」を経営する田中健一弁護士(東京弁護士会所属)に、相続案件に携わる上で心がけていることなどを聞きました。依頼者の希望をしっかりと聞いた上で、依頼者の事情を考慮しながら見通しを丁寧に説明するという田中弁護士。相続について弁護士に相談・依頼するメリットについても詳しく聞きました。
インタビュー
デメリットも含めた見通しを説明し、依頼者との信頼関係を築く
事務所設立の経緯を教えてください。
弁護士になった当初から、将来独立したいと考えていました。まずは経験を積むため、企業内弁護士として金融機関で働き、その後、別の法律事務所で勤務弁護士として働きました。
自分の事務所を持つために必要な準備が整ったと感じた2017年に、独立を決意しました。
「ゆかり法律事務所」という事務所名の由来を教えてください。
「依頼者とのご縁を大切にする」という思いを込めて、この名前にしました。縁を大切にすることが、この事務所の基本的な方針だと考えています。
また、あまり敷居が高いと感じないように、親しみやすさを感じられるひらがなの名前にしました。
事務所の理念や大切にしていることを教えてください。
依頼者との信頼関係を重視しています。最初から本音で話し、デメリットも含めて今後の見通しをしっかりと説明し、ご理解いただいた上で依頼を受けるようにしています。
一般的に望ましいとされる解決策があっても、依頼者の望むものがそれとは異なる場合があります。まずは依頼者が何を望んでいるのかをしっかり聞き、その希望に沿えるかどうかを、依頼者の事情を考慮しながら説明しています。
また、常に進捗状況を報告し、依頼者に安心していただけるよう心がけています。
遺産分割や遺言無効、遺留分に関する相談が多数
相続について、よくある相談内容を教えてください。
遺産分割で揉めているケースが多いです。例えば、相続人のうちの1人から独占的な分配方法を提案されたが、自分の取り分は認められないのかという相談がよくあります。
また、遺言の無効や遺留分をめぐる相談もあります。
件数は多くはありませんが、遺言を作成したいという生前対策の相談もあります。
相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
相続の相談を受ける時点では、相続人同士の感情的な対立が激しいことが多いです。そのため、感情をうまく収め、話し合いをスムーズに進めて、最終的な解決策にまとめることを心がけています。
具体的な対応はケースバイケースですが、こちらの意図がなかなか伝わらない相手方には、寄り添う形ではなく、淡々と冷静に対応する方が効果的な場合もあります。
仕事帰りでも相談しやすいよう、夜遅い時間や土日にも対応
相続について弁護士に依頼するメリットを教えてください。
間違った判断を避けられることです。相談者の中には、インターネットの情報を基に相談に来る方もいますが、その内容が誤っていることが多く、前提条件や手続きの流れが実際とは異なることがあります。
例えば、ネットの情報を頼りに遺言書を自分で作成や修正した結果、法的要件を満たさず無効になるケースが見受けられます。
また、特殊な事例を参考にして「自分も同じように解決できるはず」と思う方もいますが、実際には難しい場合が多いです。
さらに、遺産分割協議書にサインした後に、「やっぱりこれを無効にしたい」という相談もありますが、一度サインした後に遺産分割協議を無効にすることは難しいです。
このようなリスクを避け、適切なアドバイスを受けるためにも、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
早めに弁護士に相談した方がよい理由を教えてください。
早めに弁護士に相談することで、遺産の使い込みなどのトラブルを防げる可能性が高まります。
例えば、被相続人の死亡を金融機関に知らせることで口座を凍結できますが、この制度を知らずにいると、相続人が自由にお金を引き出せる状態が続き、使い込まれてしまう可能性があります。弁護士に早めに相談し、正しい知識を得ることで、不正な出金を防ぐことができます。
また、証拠収集の点でも早めに弁護士に相談することが重要です。
例えば、他の相続人が生前に被相続人から贈与を受けていた場合、特別受益を主張して遺産の取り分からその金額を差し引くことができます。しかし、これを証明するためには、通帳の履歴や契約書類などを早めに確保しておく必要があります。
相続でトラブルが起きそうだと感じたら、弁護士に早めに相談するのが最善です。無理に当事者同士で進めるよりも、弁護士のアドバイスを受けて方向性を確認するだけで、状況が大きく変わる可能性があります。
先生の事務所ならではの強みを教えてください。
相続に詳しい税理士の方々とも連携しているため、税金問題も含めて一緒に解決できることが強みです。
また、仕事帰りでも相談しやすいよう、夜遅い時間や土日にも対応可能です。平日は夜8時まで営業していますが、事前にご連絡いただければ、状況に応じて夜9時まで対応することもあります。
弁護士に相談することで不利益になることはありません
これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。
遺産分割の際、単に法定相続分どおりに分けるのではなく、将来のトラブルを見越し、工夫して分配したケースが印象に残っています。
父親が亡くなったAさんから遺産分割に関する相談を受けました。相続人はAさんと、別の場所に住む兄弟のBさんと、母親です。Aさんは父親名義の不動産に両親と同居しており、父親が亡くなった後も母親とその家に住み続けていました。
法定相続分に従うと、母親が2分の1、AさんとBさんがそれぞれ4分の1ずつ遺産を分けることになります。遺産は自宅の不動産が多くの割合を占めており、母親が実際に住んでいることを考えると、母親に自宅を相続させるのが一般的です。
しかし、母親が将来亡くなると、その自宅も再度AさんとBさんで分配されるため、Aさんが住み続けられるかどうか分からなくなります。
そこで、最初からAさんが自宅を取得できるよう、自宅をAさんが取得し、母親とBさんには現預金など他の財産や自宅の代償金を受け取ってもらう形にしました。
少しの工夫で将来のトラブルを未然に防ぐことができ、依頼者にも感謝された案件として、印象に残っています。
初回相談の流れを教えてください。
まずは予約のお電話をいただきます。その際に事務員を通さず、私が具体的な事情を直接伺います。
面談では、相続人や相続財産の詳細を伺い、どのような問題があるのかを確認します。その後、見通しについてアドバイスを行います。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
弁護士に相談することで不利益になることはありません。むしろ、相談を通じて得られる情報や解決策は多いと思います。初回相談料は無料ですので、費用の心配なくお話しいただけます。
ぜひ、お気軽にご相談いただければと思います。