豊富な知識と実績を駆使し、複雑な相続問題にも突破口を見出す〜しこりを残さない円満解決を実現
西新宿に個人事務所を構える吉直達法弁護士(吉直法律事務所)に、事務所の理念や相続案件を手掛ける際の心構えなどを聞きました。多数の相続事件を手がけるほか、遺産分割や遺言条項に関する本も執筆し、相続分野に精通されている吉直弁護士。相続に関してよく寄せられる相談や、弁護士に依頼をするメリットについても詳しくお話いただきました。(東京弁護士会所属)
インタビュー
依頼者の権利を守り、最善の結果を導くために
事務所の理念や大切にしていることを教えてください。
弁護士として当然のことではありますが、依頼者の権利を守り、求めていることを実現するために尽力することです。
料理人は、食材を集めてその食材に適した方法で調理し、お客様の舌を満足させる料理を作り上げます。弁護士の仕事も似ているかもしれません。依頼者にとって最善の結果を出すために、証拠という食材をどのように調理すればいいか熟考し戦略を組み立てること。これは、弁護士の仕事においてとても重要な要素だと考えています。
いい結果を出すためには、依頼者に対してはもちろん、相手方やその代理人、裁判所に対する向き合い方も重要です。言うまでもないことですが、たとえ相手方の代理人が自分より年齢や立場が上であったとしても、萎縮するようなことがあってはなりません。
依頼者の味方として、相手が誰であっても毅然とした態度でこちらの考えを伝え、不当な要求には決して応じない。このような信念のもと、全ての案件に真摯に取り組んでいます。
心情に寄り添う、丁寧なコミュニケーションを重視
相続の案件に注力されている理由を教えてください。
所属する弁護士会の委員会活動で2018年の相続法改正に携わり、本も執筆しました。相続は継続的に研究してきた分野であり、手がけた案件もかなりの数にのぼります。これまでに培った知見を活かしたいという思いで注力しています。
ただ、経験を過信することなく、常に自分の中の情報をアップデートするよう努めています。法改正はもちろんのこと、最新の裁判例のキャッチアップも欠かせません。トラブルの内容や依頼者が求める解決は事案によって実に千差万別です。それぞれの事案に適した解決方法を見極め、最善の結果を出すために、日々研鑽を積んでいます。
先生の事務所では、相続に関してどのような相談が寄せられますか。
「遺産分割の話合いがまとまらない」「手続きの方法がわからないのでアドバイスがほしい」などさまざまです。
その中でも特に多いのは使途不明金に関する相談です。たとえば、被相続人と同居していた相続人が、他の相続人から財産の使い込みを疑われて争いになるようなケースです。その相続人が実際に被相続人に無断でお金を引き出し、自分や家族のために使ったのであれば、使い込んだ分を他の相続人に返還する必要があります。
使途不明金の問題は、判断が難しい事案が少なくありません。取引履歴などの証拠を集めて、使い込みの事実があったかどうかを慎重に検討する必要があります。真相を解明し適切に対処するには高度な専門知識が必要になるため、使途不明金についてお困りの場合は弁護士に相談することをお勧めします。
相続の案件を手がける際に心がけていることはありますか。
依頼者の話を丁寧に聞くことです。事実関係だけではなく、不安や怒りなどの感情的なモヤモヤも含めて、言いたいことを全て吐き出してもらうようにしています。その上で、今後の見通しや、問題解決の方法を説明していきます。じっくり対話をするので、特に初回の相談時間は長くなることが多いです。
事案によっては、「この方の希望を叶えることは難しいかもしれない」と思われるケースもありますが、少しでも可能性があるような場合はなんとか突破口がないかと頭をひねり、依頼者が望む結果に少しでも近づけるための方法を考えるよう努めています。
また、相続トラブルの多くは家族や親族との間で生じます。血のつながりがある者同士だからこそ、積年の思いが噴出して感情的にヒートアップし、まともな話合いができないほど泥沼化するケースもあります。
弁護士が入ることで相続の手続きは完了したとしても、相続人間に感情的なしこりが残ってしまってはいい解決ができたとは言えません。依頼者はもちろん相手方ともコミュニケーションを取り、双方の利害を調整することで、当事者全員が納得できる結果に着地できるよう対応を進めていきます。
自分の判断で行動を起こす前に、弁護士に相談を
相続のトラブルが発生した場合に、弁護士に相談するメリットは何でしょうか。
今ある問題を法律に当てはめて考えた場合の結論がわかることです。ご自身や相手方の主張は法的に認められるのか、裁判で争った場合にどのような判断が下されるのか、といった点について見通しを立てることができます。
インターネット上の法律ガイドなどで情報を得ようとする方もいますが、そこに掲載されている情報が必ずしもご自身のケースに当てはまるとは限りません。インターネットの情報を信じて行動した結果、かえって問題がこじれてしまうこともあります。
相続については様々な法律や制度があります。それらをどのように組み合わせれば問題を解決できるのか、一般の方が判断することは難しいでしょう。ぜひ一度、専門家である弁護士のアドバイスを受けていただくことをお勧めします。
先生の事務所に相続の相談に行く際に、持っていった方がよい資料はありますか。
相続人と財産内容がわかる資料があるとありがたいです。簡単なメモでも構いません。あらかじめ整理しておいていただけると、私としても今後の方針を立てやすく、打ち合わせがスムーズに進みます。また、遺言書が残されている場合は必ずお持ちください。
最後に、相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続について疑問や不安が生じたときには、弁護士にご相談ください。
「大した問題ではないから、弁護士に相談するまでもないだろう」と考えて、自力で解決しようとする方もいるかもしれません。しかし、ご自身では些細な悩みと思うことでも、弁護士から見れば大きなトラブルの種が潜んでいて、芽吹く前に種を取り除くには法律の知識に基づく対応が必要なケースは少なくありません。
ご自身で判断して行動を起こす前に、ぜひ、弁護士にご相談いただければと思います。あなたの話をじっくり伺い、その悩みが法律で解決できるのか、解決のためにどんな手段があるのか、といったポイントを丁寧に説明します。今ある悩みがこれ以上大きくなる前に、ぜひ一度ご相談ください。