人生の大事な場面を支えたい。常に依頼者の目線に立ち、相続問題の解決を細やかにサポート

兵庫県神戸市で「アトム神戸法律事務所」を経営する濱手亮輔弁護士にインタビューを行いました。刑事事件の対応で培った迅速な対応力や交渉力を活かし、相続問題の解決に取り組んでいる濱手弁護士。事務所の理念や弁護士として大切にしていること、相続の対応方針、事務所の強みなどを聞きました。(兵庫県弁護士会所属)
インタビュー
相続という「人生の大事な場面」に寄り添う
事務所設立の経緯と、相続に注力している理由を教えてください。
私が弁護士を目指したきっかけは、大学の授業で弁護士による刑事事件の講義を受けたことです。犯罪を犯してしまった少年を立ち直らせるまでの過程を聞くなかで、「人の人生の大事な場面」に関わる、弁護士という仕事に魅力を感じました。
そのような経緯があり、最初は刑事事件を多く取り扱う事務所に所属しました。全国展開していた事務所でしたが、私自身が大阪で生まれ育ったこともあり、大阪での勤務となりました。その後、ご縁があって神戸で独立する運びとなりました。
独立して今の事務所を設立してからも、想いは変わっていません。相続分野についても「人生の大事な場面」の一つという認識のもと、注力するようになりました。今や、社会全体の高齢化が進んでおり、遺言などの生前対策の重要性も増しています。そのような社会的なニーズに応えたいという想いもあり、相続分野に積極的に取り組んでいます。
事務所の理念や、弁護士として大切にしていることを教えてください。
スピード感とコミュニケーションです。迅速な対応を意識しつつ、依頼者と適切にコミュニケーションを取ることで、より良い解決につながると考えています。
対応方針については逐一お伝えし、報告や連絡もこまめに行うよう心がけています。解決までの過程では、依頼者に選択肢を選んでもらう場面が出てきますので、そのような場合は、それぞれの選択肢についてなるべく具体的に説明するようにしています。納得して判断してもらうからこそ、依頼者にとってベストな解決につながると考えているためです。
また、依頼者のニーズに合わせたコミュニケーション方法も意識しています。主にLINEや電話を使っていますが、特に電話が多いかもしれません。電話だと、文面には表れないような不安や懸念事項を把握できることがあるのです。常に依頼者の温度感を意識して対応しています。
依頼者の想いを丁寧に汲み取る
相続の対応方針を教えてください。
依頼者の言いたいこと、伝えたいこと、主張したいことの全てを、できる限り法的な主張に反映させることを重視しています。それは、依頼者の納得感ある解決を目指すために欠かせない過程だと考えているからです。
そのために私は、依頼者と一番最初にお会いするときに、話をじっくり聞くことを心がけています。なぜなら、家族の歴史を含めて話を聞き、依頼者の想いをまるごと全て知ることで、依頼者が本当に主張したいことが見えてくるからです。そこで見つかった法的に関連性のある部分については、できる限り主張に反映させていきます。
だからこそ、初回相談はとても重要です。ひとまず、何でもざっくばらんに話してもらえればと思っています。もちろん、解決までの過程で気持ちが変わることもあると思いますので、常に優先順位を確認しています。どのようなときでも、安心して気持ちを正直に話してもらえれば嬉しいです。
具体的にどのような点に気を配っていますか?
依頼者が何を不安に思っているのかを常に把握し、先回りして解消できるよう意識しています。そのために「自分だったらどうしてほしいか」「どうしたら全て解決したときに『頼んでよかった』と思ってもらえるか」を常に考え、依頼者の立場に立った対応を心がけています。
そもそも、相続は相手がいる問題です。こちらがどれだけスピード感のある対応をしても、相手の対応次第では待つ時間が長くなります。そうなると、「今どうなっているのか」「何を待っている時間なのか」など、今の状況に対する不安が発生してしまうことがあります。
そこで、そのような不安を解消するべく、こまめな連絡を意識し、積極的にコミュニケーションを取っています。さらに、解決までの見通しも示すようにしています。今の状況説明だけではなく、これからどうなっていくのかまで伝えることで、依頼者の不安解消につながると考えているからです。
例えば「今こういう現状です」と伝えるだけではなく、「ここまで待ってもダメだったら次はこうしましょう」など、より具体的な対応や見通しを伝えています。
最近の相談の特徴や傾向を教えてください。
兵庫県は南北に広いこともあり、相続財産に不動産を含む方の相談が多いです。亡くなる直前まで住んでいた家の相続で悩んでいるケース、住んでいた家の周辺に複数の不動産を所有していたことから相続でトラブルになっているケースも少なくありません。
不動産関連のご相談が多いことから、税理士や司法書士などの他士業との連携は欠かせません。協力関係にある他士業の方とも積極的にコミュニケーションを取りながら、スピード感と納得感のある解決を目指しています。
また、亡くなったあとの相続問題だけではなく、生前対策のご相談もあります。実際の相続事件をきっかけに、自分の相続対策について考え始める方も増えていますね。実際、担当した相続のご依頼で関わった方から、「自分が相続で大変な思いをした方から、自分自身の相続では争いを防ぎたい」ということで相談を受けて、依頼につながったケースもあります。
今まで培った経験を全て相続に活かす
相続分野における事務所の強みを教えてください。
刑事事件で培ったスピード感や交渉力が強みです。相続では相続税申告や相続放棄など、手続きに期限がある場合もあります。そのため、納得感のある解決を目指しつつ、スピード感を持った対応が重要です。
また、スピード感という意味では、コミュニケーションの取りやすさにも自信があります。当日・休日・夜間も対応可能としており、LINEでの連絡も活用しているため、不安は解消しやすいのではないでしょうか。信頼関係にもつながる部分なので、重視しているポイントの一つです。
交渉力については、相手が何を望み、何を重視しているのかを限られた時間で聞き出しつつ、こちらの主張も受け入れてもらえるよう言葉を選びながら話をしています。依頼者はもちろん相手にも「重視しているポイント」があるはずなので、それを的確に把握することが重要ですね。
相手との交渉で心がけていることはありますか?
会話をすることです。会話を通じて、相手が何を重視しているのかを探るようにしています。例えば不動産であれば、実家を残したいのか、売却してスッキリさせたいのか、など、人によって希望は異なるでしょう。言葉の端々に表れる気持ちを取りこぼさないようにしています。
時には単刀直入に「何を重視しているのか」と聞くこともありますし、何度も話をするなかで、相手が徐々に本音を話してくれることもあります。いずれにせよ、それぞれの立場で重視していることを理解し、どこで妥協できるのかを探りながら、交渉を進めています。
印象に残っているご依頼について教えてください。
兄弟間で争いがあり、「この問題が片付かないとスッキリ生きていけない」と言っていた依頼者のご依頼が印象に残っています。
長年の関係性による感情的な問題が大きかったのですが、調停の場では依頼者の気持ちを十分に反映させる主張ができました。口頭での伝達内容も含めて、依頼者の気持ちを希望通りに相手へ伝えられたのです。
最終的には、解決できたことで「人生を前に進められた」と感謝の言葉をもらいました。相続によって兄弟関係は疎遠になってしまったかもしれませんが、問題を解決できたことで、依頼者にとって大きな区切りになったのだと思います。
相続問題の解決に向けて伴走します
相続でお悩みの方へメッセージをお願いします。
法的な知識がないと、相続で不安に感じることが多いのではないでしょうか。ご自身に必要な正しい知識を得るだけでも、私たち弁護士と話す意味があると思います。中には相談だけで解決できる問題もありますから、必ずしも依頼する必要はありません。
相談のタイミングとしては、なるべく早めをおすすめします。当事者が解決への意欲が高い段階のほうがより良い解決につながりやすいと感じているからです。感情的な問題についても、早めに対処すれば複雑化することを防ぎやすく、解決の可能性が広がります。
一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。