相続弁護士 ドットコム

山口法律事務所

豊富な経験に基づく交渉力で依頼者の利益を追求〜他士業とも連携し、相続トラブルを円満解決に導く

福井県敦賀市に山口法律事務所を構える山口征樹弁護士(福井弁護士会所属)に、仕事をする上での心構えや相続トラブルを防ぐポイントなどについて聞きました。手がける案件のうち、相続事件が約半数を占めるという山口弁護士。豊富な経験に裏付けられた交渉力や、他士業との強固なネットワークが強みです。相続について悩みや疑問を抱いた場合に弁護士に相談するメリットや、相談のタイミングなどについてもお話いただきました。

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山口 征樹弁護士
山口法律事務所
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インタビュー

依頼者の希望を最優先し、満足度の高い解決を

事務所設立の経緯を教えてください。

滋賀県大津市の出身なので、弁護士の仕事をするなら大津か、近隣の京都でと思っていました。ただ、司法試験合格後の司法修習地が福井市で、検察庁や弁護士会に出入りしているうちに福井県内で活動している先生方とのつながりができました。

いつしか福井県に愛着が湧き、「せっかく県内の先生方とお近づきになれたのだから、このまま福井で仕事をしたい」と考えるようになりました。福井県の中でも敦賀市は関西の文化圏にあり、大津にも近い土地です。ここなら水が合うと感じ、市内の事務所に入所して10年ほど経験を積みました。そして2018年に独立し、敦賀の地で事務所を開設しました。

手がけている案件の半数が相続事件と伺いました。

以前の事務所でも注力していたのですが、独立してからさらに増えました。

案件の中で最も多いのは成年後見です。現在は20件近くの案件で後見人を務めています。被後見人が存命の間は後見人として財産管理などをサポートし、亡くなった後は相続人へ会計状況の説明や相続財産の引き渡し業務をおこないます。場合によっては、不動産の売却などの相続手続きを全面的に請け負うこともあります。

成年後見の次によく手がけているのが遺産分割事件の紛争案件です。財産の取り分などをめぐって相続人の間で話がまとまらず、相談に来る方が多いです。

相続の案件を手がける際に心がけていることはありますか。

依頼者の希望を一番に考えることと、依頼者・相手方ともにソフトに対応することです。

以前手がけた案件で、遺産分割協議が難航し、これ以上自分でやりとりするのは難しいということで当事務所に相談に来た方がいました。

相続人同士の対立が激しく、調停や審判に発展してもおかしくない状況でした。ただ、できることなら話合いで折り合いをつける方が早期かつ穏便に問題を収束でき、依頼者にも相手方にもメリットがあります。その案件については、受任し、話合いでの解決を目指して対応を進めることになりました。

依頼者の代理人として、できる限り意向に沿った解決を導くことは大前提ですが、こちらの主張を一方的に伝えても相手方の反発を招くだけです。そこで、依頼者の意向や考慮してほしい内容を伝えるとともに、相手方の希望や懸念事項にもしっかりと耳を傾けて交渉をおこないました。

相手方の主張を受け止めた上でお互いが納得できる解決策を提案し、その回答を踏まえて次の対応を考える…というふうに話合いを重ねました。こちらの主張を伝える際は、相手方がストレスを感じないように柔らかい表現を使いつつ、反論すべき部分はしっかりと反論することを意識しました。

丁寧な交渉の結果、相手方の合意を得ることができ、協議成立に至りました。話合いでの解決が叶ったばかりでなく、こちらの主張をほぼ受け入れてもらうことができ、依頼者にも満足していただけました。

山口法律事務所_相談室1

信頼できる専門家とともに問題解決に取り組む

相続案件を弁護士に相談するメリットについて教えてください。

個人的には、相続の手続きを進めるにあたって、必ずしも弁護士を入れる必要はないと思っています。当事者間で話し合って進められるなら、それに越したことはありません。

ただ、一見したところ当事者だけで進められそうなケースでも、よくよく見れば、注意すべき問題をはらんでいる場合があります。一般の方が見落としがちな問題も、弁護士であれば気づくことができ、注意すべきポイントや具体的な対応方法もアドバイスできます。

相談したら必ず依頼をしなければならないわけではありません。「依頼するかはわからないが、一度弁護士の意見を聞きたい」という方も、ぜひ気軽にご相談ください。

事務所の強みを教えてください。

信頼できる士業や専門家との強いネットワークを築いていることです。長年一緒に仕事をしてきた司法書士や税理士、土地家屋調査士と連携を取りながら案件に取り組んでいます。税務などに関する手続きもスムーズに対応可能です。

不動産を換金して分割するケースも多いので、不動産会社とも連携しています。非常に質の高い仕事をする会社で、土地の境界確認や売却手続きなどを依頼すると、「そこまでしてくれるのか」と驚くほど丁寧に対応してくれます。

また、弁護士の仕事を始めた当初から相続の案件に注力してきたので、対処方法の引き出しが豊富なことも強みだと思います。

遺言書作成がトラブル予防のカギ。早めに相談を

相続トラブルを未然に防ぐためには、どんな対策が有効ですか。

財産をお持ちの方自身が、ひと手間かけて遺言書を書いておくことです。

「自分が死んだ後のことを考えたくない」と思う方が多いためか、積極的に遺言を作ろうと考える方はまだまだ少ないです。

遺言を残せば、財産の分け方をあらかじめ指定することができます。そのため、「誰が」「どの財産を」「どの程度」相続するかという点で、相続人同士が話し合う必要がなくなります。話合いの手間が省けるだけではなく、相続人同士の意見がぶつかるシチュエーションを回避できるので、紛争のリスクも抑えられます。

大切なご家族を相続トラブルから守るためにも、ぜひ前向きに作成を検討してほしいです。

そして、作成を希望される方は、なるべく早めに弁護士にご相談ください。遺言はご自身で作成することもできますが、書式を間違えたり、内容に不明確な部分があったりすると、無効になってしまう可能性があります。無効になった場合、せっかく作った遺言書の内容を実現できません。

弁護士に依頼していただければ、書式について法的要件を満たすことはもちろん、内容についても万全なサポートを提供します。「誰に、どのくらいの財産を残したいか」というご意向を踏まえて、遺留分にも配慮し、相続人1人ひとりが適切に財産を引き継ぐことができる内容に仕上げます。

山口法律事務所_相談室2

弁護士に相談するタイミングは早いほどいいのでしょうか。

そうですね。遺言作成については、認知症などで判断能力が低下してしまうと、作成しても無効と判断される可能性がありますし、急病や不慮の事故で作成が叶わなくなる可能性もゼロとは言えません。ぜひ、ご自身が心身ともに元気なうちに弁護士に相談し、遺言を作成することをお勧めします。

また、被相続人が亡くなって相続が発生した場合も、手続きについて少しでも疑問や不安があれば、早めに弁護士にご相談ください。「これだけ財産があるので、このように相続人の間で分けようと思いますが大丈夫でしょうか」というような相談で全くかまいません。法律上問題がないか確認し、問題がある場合はどのように是正すべきかアドバイスします。もちろん、依頼していただければ、手続きを全面的に代行することも可能です。

すでに紛争が発生している場合は、まだ火種が小さい段階で弁護士が介入し、適切な対処をすることで早期解決が目指せます。当事者だけで解決しようとするとかえって状況がこじれる場合もあるので、ぜひ一度弁護士のアドバイスを受けてもらえればと思います。

最後に、相続トラブルを抱えている方へメッセージをお願いします。

弁護士事務所に対して、敷居が高いという印象を持つ方もいると思います。ですが、一度来ていただければ、全くそんなことはないと思ってもらえるはずです。

私は人と話すことが好きですし、周囲からも、「あまり弁護士っぽくない」と言われます。リラックスして相談できる雰囲気づくりを大切にしていますので、どうか肩肘張らず、気軽にお問合せください。