相続弁護士 ドットコム

福井スカイ法律事務所

「目の前の依頼者を幸せにすること」をモットーに、個人から企業まで幅広い相続問題に対応

福井県福井市「福井スカイ法律事務所」の代表・伊賀弘弁護士に、事務所設立の経緯や相続問題への取り組みについて聞きました。家庭裁判所調停委員の経験や企業法務の知識を活かし、個人・企業を問わず幅広い相続案件に注力しているという伊賀弁護士。相続問題の傾向や、相続案件を扱う際の心構えなどについても話していただきました。(福井弁護士会所属)

福井スカイ法律事務所(福井県福井市)伊賀弘弁護士_メイン画像
伊賀 弘弁護士
福井スカイ法律事務所

インタビュー

依頼者への3つの約束「丁寧に」「親身に」「迅速に」

事務所設立の経緯を教えてください。

弁護士登録後、出身地の神戸で働いていたのですが、妻の出身地である福井に転居して、現在の事務所を開設しました。

妻の出身地とはいえ、私自身は縁もゆかりもない土地でしたので、開設した当初は苦労もありました。最初の1年は依頼も少なく、弁護士会の協力を得ながら地元の方々の信頼を得るために努力しました。

それから徐々に依頼が増えて事務所も軌道に乗り、事務所開設から13年以上経った今では私もすっかり福井県民です。県民の1人として、地元の方々の問題解決や企業のサポートに尽力しています。

事務所の理念を教えてください。

「目の前の依頼者を幸せにすること」がモットーです。弁護士事務所に相談に来る方の多くは、トラブルに巻き込まれ不安や悩みを抱えています。相談を終えて帰るときに少しでも不安が解消され、来たときよりも明るい気持ちになってもらうことをスタッフ一同心掛けています。

当事務所では、依頼者の皆さまに「丁寧に」「親身に」「迅速に」という3つの約束をしています。どれも仕事をする上で基本的なことですが、基本を徹底することで、よりよいリーガルサービスを提供できると考えています。

また、当事務所のホームページには弁護士だけでなく、事務員のプロフィールも掲載しています。依頼者が事務所に問い合わせをした際、最初に応対するのは事務員で、依頼を受けた後も事務員が連絡窓口になることがあります。事務員の顔が見えることで、安心感を持っていただけるのではないかと思っています。

対立を避けて円満な解決を目指す

相続分野に注力している理由を教えてください。

もともとは中小企業の企業法務に力を入れてきたのですが、顧問先から事業承継の相談を受ける機会があり、個人だけでなく企業にとっても相続は重要な問題だと考え、注力するようになりました。

また、家庭裁判所の調停委員として多くの相続問題に携わるなかで、相続に関するトラブルを少しでも減らしたいという思いが注力している理由です。

現在は個人・企業を問わず、相続問題に取り組んでいます。

個人からの相談にはどのようなものが多いですか。

遺言書の作成や遺産分割調停など、内容は様々です。福井県は農地や山林を所有している方が多いのですが、農地などは自由に売買することができないため、農業を継ぐ意志のない相続人から相続放棄の相談を受けることもあります。

家督相続といって、昔は一家の後継ぎが全財産を引き継ぐことが一般的でした。しかし最近は「財産を均等に分けてもらいたい」と法定相続分どおりの権利を主張する意識が高まっています。そのため、不動産のように簡単に分けることができない財産がある場合は紛争になりやすく、調停や審判に発展するケースが多いです。

中小企業における相続ではどのような問題が起きますか。

経営者が亡くなった際、所有している自社株も相続の対象となります。遺言などを活用して後継者に承継していればよいのですが、そうでない場合は遺産分割協議をおこなうことになり、経営権争いに発展する可能性があります。

経営者は、経営に専念するあまりに相続対策を後回しにしがちです。家族経営している会社などは、「家族間で争いは起こらないだろう」と油断して、具体的な対策を取らないこともあります。

相続は、いつ、何がきっかけで問題が起こるかわかりません。トラブルを招かないためにも、生前から専門家のアドバイスを受けて対策することが大切だと思います。

相続案件を扱う上で心掛けていることはありますか?

対立をできるだけ避け、円満な解決を目指すことを心掛けています。相続は親族間の問題であり、事件解決後も関係は続いていきます。関係がこじれて次の代に影響を及ぼすことがないように、依頼者の利益を守ることだけでなく、相手方の納得も得られるような解決を目指しています。

そのために大切なのは、相手方の話もしっかり聞くことです。一方的に書面を送りつけるようなことはせず、可能な限り会いに行って直接話すようにしています。

遺産分割で揉めるケースは、相続人同士が直接話し合いの場を持つことができず、話が平行線のまま進まないことが大半です。弁護士が間に入って双方の話を聞き、法律的な見解を交えながら説明して理解を得ることが、円満な解決に必要なことだと思います。

紛争を招かないための生前対策

印象に残っている相続案件はありますか。

私が扱った案件の中でも特に印象的だったのが、会社経営者の相続です。戸籍を調べてみると、被相続人には妻以外の女性との間に子どもがいることがわかりました。

婚姻関係を結んでいない相手との子どもでも、認知している場合は相続人になります。被相続人は遺言を残しておらず、遺族もその子どもの存在を知らなかったため、遺産分割に際して交渉が必要となりました。

被相続人の財産には会社の株も含まれていたため、交渉は慎重におこなう必要がありました。もしも相手が株の取得を望んだ場合、会社の経営に影響を及ぼす可能性があったからです。

相手方に対して相続の権利を説明し、依頼者と相談して決めた遺産分割の条件を提案しました。その結果、こちらの提案を受け入れてくれて、円満に遺産分割を成立させることができました。

被相続人が相続についてどのように考えていたかはわかりません。認知した子どもにも財産を分け与えたかったのか、それとも相続人に該当するとは思っていなかったのか。もし遺言書を残していれば、もっとスムーズに解決できたはずですし、被相続人の思いも伝えられたはずです。

紛争予防はもちろんのこと、本人の意志を伝えるためにも遺言は重要だと感じた事件でした。

事務所の特徴や強みを教えてください。

家庭裁判所の調停委員として多くの相続案件を担当したことで、相続に関して豊富な知識を得ていると思います。また、調停や審判の見通しを正確に立てることができます。依頼者が希望する結果の実現に向けて、適切な対応方法を構築していきます。

また、当事務所では、登記の手続きにも対応しています。司法書士に依頼せずに事務所内で対応していますので、依頼者の手間や費用を抑えられます。

相続問題の解決から不動産の登記までを一貫して扱うことで、高品質なリーガルサービスを提供できることが強みです。

最後に、相続問題で弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

福井スカイ法律事務所_事務所の様子

争いのない相続を実現するには、生前対策をすることが重要です。私の事務所では生前対策のアドバイスもおこなっていますので、相続発生後の親族間での争いを避けるために、ぜひ活用してほしいと思います。

生前対策をしていない場合も、相続が開始したら早めに相談に来ていただくことをお勧めします。「仲がよいから揉めることはない」と思っていた家族が、相続で揉めることは珍しいことではありません。トラブルが起こってからよりも、トラブルが起こる前に相談することが、相続を円滑に進めるために大切なことです。

正しい相続の知識があれば不要な争いを避けることができます。遺産分割の方法や相続放棄の方法、遺産分割協議書の作成や不動産の登記など、お役に立てることが多々あると思います。

紛争解決のご相談はもちろん、相続についてわからないことがあるというご相談でも、お気軽にお問い合わせ下さい。