倉敷市内では数少ない女性弁護士として10年以上活動。想いに寄り添い、幸せを運ぶ解決を目指す
倉敷市西中新田で「青い鳥法律事務所」を経営する渋谷康華(しぶたに やすか)弁護士に、遺産相続案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みなどを伺いました。10年以上にわたって倉敷市で活動し、地域の方から寄せられる相談に応えている渋谷弁護士。依頼者の本当の想いを汲み、その方にとっての幸せを実現することを目指しているといいます。相続について弁護士に相談・依頼するメリットなどもお話いただきました。(岡山弁護士会所属)
インタビュー
依頼者の心の奥底にある想いに寄り添い、解決策を探します
これまでのキャリアについて教えてください。
2013年に弁護士となり、倉敷市内の法律事務所に所属した後、2022年10月に独立しました。当事務所は、倉敷市駅から車で9分の場所にあり、倉敷市内では数少ない女性弁護士の法律事務所です。
事務所の理念を教えてください。
弁護士に依頼する方は何かしら悩みを抱えているわけですが、案件を解決する過程で、依頼者に幸せになっていただくことを大切にしています。
「幸せ」の概念は人それぞれですが、私が思う「幸せ」は、依頼者が自分で将来を決めて、問題を解決し、明るい気持ちで人生を歩んでいけるーー。そんなイメージです。「青い鳥法律事務所」という名前も、皆さんに幸せを運ぶ存在でありたいという願いを込めて付けました。
事務所の理念を実現するために、どういったことを意識されていますか?
依頼者の話をしっかり聴くことを強く意識しています。話を聴くこと自体は弁護士業務の基本ですが、私の場合は、依頼者の表面上の言葉にとらわれず、その背景・価値観・考え方まで理解するようにしています。
たとえば依頼者が、「時間はいくらかかっても構いません」「徹底的に闘って1円でも多く取ってほしい」と言っていても、よく話を聴くと、実は人一倍平穏な生活を望んでいらっしゃることもあります。そういう場合に、表面上の言葉だけ聴いて方針を決めてしまうと、結局モヤモヤが残って依頼者の幸せにつながらないこともあります。
依頼者が、自分の本当の望みを理解できているとは限らないのですね。
そうですね。もちろん、望みはわかっているけれど、うまく言い表せない方もいます。他方、そもそも自分の悩みや本音を正確に把握できていない方も少なくありません。
ですから、依頼者のちょっとした言葉や表情もしっかり見て、心の奥底にある想いを見逃さないこと、そしてその想いに沿った解決策を一緒に探すことを大切にしています。そういう過程を経ることで、より依頼者が満足いく形で解決できると考えています。
倉敷市内で10年以上、身近な弁護士として法律問題を解決してきました
相続について、どういった相談が多いでしょうか?
相続放棄と遺産分割が多いです。
相続放棄は、被相続人(亡くなられた方)が借金などの債務を抱えていた場合に、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続しないようにする手続きです。手続き自体は難しくないのですが、亡くなってから数年後に債権者から請求が来た場合などは、法的にクリアすべき問題もあるので、弁護士に相談していただくほうが安全です。
遺産分割については、「相続人同士で話し合っても協議が整わない」ということで相談に来る方が多いです。もともと相続人同士で感情的な対立があり、それが相続を機に表面化して争いに発展するケースが散見されます。また、被相続人の預金通帳を見てみたら、およそ生活費とは思えない額が引き出されていて、「実は同居していた相続人が使い込んでいたんじゃないか」という疑いから紛争になるケースもよくあります。
遺産分割について依頼を受けた後、どのように対応を進めていくのでしょうか?
もちろんケースバイケースで、依頼者の希望や他の相続人の性格などにもよります。ただ基本的なスタンスとしては、いきなり遺産分割調停を起こすのではなく、まず他の相続人へお手紙を出して、話合いでの解決を試みることが多いです。
調停になるとどうしても時間がかかります。一方、話合いであれば早期解決につながる可能性が高く、その分、依頼者がストレスを感じる期間も短くて済みます。
相続は家族や親族の間で発生するので、遺産分割が解決した後も関係性が継続します。法事などの行事で顔を合わせたり、同じ市内に住んでいれば街中で偶然会ったりすることもあるでしょう。お互いにしこりを残さないためにも、対立が深刻化する前に、話合いで早期・円満に解決することを目指しています。
相談者は、どういった方が多いでしょうか?
男女比は半々くらいで、年代も30代から70代までと幅広いです。また、倉敷市内に住んでいる方からの相談が大半です。やはり、遠方の弁護士に相談するより近くの弁護士のほうが安心感があるのだと思います。
相続分野に注力している理由を教えてください。
相続問題というのは、誰にでも起こりうる身近な法律問題の1つです。しかし多くの方は法律に関する専門知識をお持ちではなく、およそ法的に通らない主張を続けて紛争が複雑化してしまったり、直接主張をぶつけ合うことで感情的なしこりが残ってしまうことも少なくありません。あるいは、相続人の中に強引な人がいて、他の相続人が言いなりになってしまうこともあります。
そこで弁護士が入ることで、法的な交通整理ができますし、無理な主張を繰り返して紛争が長期化・深刻化することも防げます。その結果、相続人同士で延々と話し合うよりも早期解決できる場合が多いですし、法的に公平で正しい解決が見込めます。そういった理由から、弁護士になって10年以上、一貫して相続分野に注力してきました。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
倉敷市は岡山市に比べて弁護士の数自体が少なく、さらに女性弁護士は限られています。そういった中で、特に倉敷市の方にとって、「近くで相談できる弁護士」という点は強みです。10年以上倉敷市で弁護士をしてきたので、土地勘もありますし、司法書士・土地家屋調査士・税理士といった他士業との連携や、不動産売却の際に必須となる不動産業者とのネットワークも築いています。
また、案件全体のバランスを見て解決するという点も特徴だと思っています。弁護士によっては徹底的に争うタイプの方もいます。それを頼もしく感じる依頼者もいるでしょう。相手を打ち負かすことができればその時は良いかもしれません。ただ、特に相続の場合はその後も一定の関係が続きますから、徹底的に争ってしまうと、事件が終結した後の関係性にヒビが入る可能性があります。
ですから私は、もちろん譲れない部分は強く主張しますが、譲れる部分は譲って早期に解決し、感情的なしこりや長期間争いが続くことによるストレスを少なくするほうが好ましいと思っています。こういった説明をすると、多くの方は「たしかに」と納得してくださいますし、結果的に依頼者を幸せな方向に導くことができるのではないかと思っています。
弁護士に相談することで、様々な問題が整理できます
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
遺産の総額がはっきりしていて、相続人全員が法定相続分で分けることに異論がないというシンプルな事案であれば別ですが、法的に解決すべき問題が絡むケースは多いです。その上、感情的な対立があれば、相続人同士で話合いを重ねても余計に争いが激化してしまいます。
そこで弁護士に相談することで、法的に認められること・認められないことが整理できます。何もわからない状態だと不安が大きくなってストレスも溜まりますが、ここは気にしなくて良い、この問題はこのように解決していけば良いと整理できるだけでも、随分楽になるでしょう。
依頼すれば弁護士を通じて遺産分割協議ができるので、他の相続人と直接やりとりをする必要がなくなります。その結果、必要以上に対立が深まることを防げますし、結果的に早期解決できる可能性が高くなります。
先生に相談したい場合は、どのようにすれば良いでしょうか?
まずは当事務所へお電話ください。ご希望の日時や悩みの概要を伺い、法律相談の予約をお取りします。受付時間は平日の9時から17時までですが、皆さんのご都合に合わせて、時間外の相談にもできる限り対応します。
初回相談は緊張される方も多いと思いますが、どういった対応をされていますか?
相談に来た方が安心して話せるように、ゆっくりお話を聴くようにしています。当日は、質問したいことやわからないことについて、簡単で良いのでメモしてお持ちいただくと、スムーズに相談していただけると思います。
相続について悩み、弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
弁護士に相談することに対して、敷居が高いと感じる方も多いと思います。しかし、1人で悩むより一歩踏み出して相談に行くことで、解決に向けてどうすれば良いかわかりますし、悩まなくて良いこともわかって頭の中の交通整理ができます。
依頼するかどうかをすぐに決断する必要はありませんので、まずは気軽に相談してみてください。