相続弁護士 ドットコム

大熊・莖田法律事務所

所在地
岡山県 倉敷市平田628-2

「相談が解決の第一歩」〜豊富な経験と冷静な判断力で相続問題の早期解決を目指す

大熊 裕司大熊・莖田法律事務所

岡山県倉敷市「大熊・莖田法律事務所」の大熊裕司弁護士(岡山弁護士会所属)に、相続分野の取り組みについて話を聞きました。弁護士経験30年以上の豊富な知見を活かし、地域の相続問題解決に尽力してきた大熊弁護士。相続問題を解決するための心構えや、弁護士に相談することの重要性について語っていただきました。

インタビュー

地元の倉敷市で独立開業

事務所の設立の経緯を教えてください。

1996年に地元の倉敷で「大熊法律事務所」を開設しました。当時は、弁護士になって3年から5年で独立するのが一般的でしたので、私もその慣例に従い、勤務弁護士として3年間経験を積んだ後に独立という道を選びました。

その後、事務所の規模を拡大し、より多くの依頼者の皆様のニーズに応えられるよう、2009年に莖田信之弁護士を迎え入れました。そして2017年には、パートナーシップの形を明確にするため、事務所名を「大熊・莖田法律事務所」に改めました。

現在は、私と莖田弁護士の2名体制で運営しており、さまざまな法律問題に対応しています。

事務所の理念を教えてください。

弁護士法第1条第1項にある「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」という言葉に基づいて行動することです。弁護士業務の目的はこの理念に尽きるといっても過言ではありません。

弁護士として30年以上活動してきましたが、この基本的な理念は今も昔も変わらず、弁護士として活動する上で大切にしています。どんなに時代が変わっても、この基本的な使命感を忘れずに、依頼者の権利を守り、社会に貢献することを目指しています。

依頼者の負担を減らすために早期解決を心がける

相続分野に注力しているのはどのような理由からですか。

相続法は非常に複雑で、専門的な知識とテクニカルなノウハウが必要不可欠です。例えば、遺産の範囲を巡る争いや、寄与分、特別受益といった概念は、法律の専門知識がなければ適切に対応することが困難です。弁護士が介入することで、より公平で円滑な解決が可能になることに意義を感じ、注力しています。

また、相続分野は弁護士の経験によって対応や方針に大きな差が生じる分野でもあります。長年の経験を通じて培ってきた知識やノウハウ、そして数多くのケースを見てきたからこそ得られる洞察力を活かせることに、やりがいを感じます。

どのような相談が多いですか。

使途不明金のような遺産の範囲を巡る紛争や遺留分の問題が多く寄せられます。特に、使途不明金のトラブルが目立ちます。

たとえば、被相続人と一緒に暮らしていた相続人が、財産を私的に使っていたケースなどです。このような問題は、厳密にいえば遺産分割の問題から外れ、民事訴訟に発展することが多いのですが、双方が譲歩し合い、総合的に調整して、遺産分割の範囲内で解決する方向性を探ります。

こうした問題を解決する上で重要なのは、証拠の存在です。通帳の履歴や被相続人が残した手紙、生前の贈与に関する記録などをもとに、事実関係を細かく洗い出し、立証作業を行います。その上で、当事者の主張や事情を考慮しながら、公平かつ適切な遺産分割の方法を検討していきます。

相続案件を手がける上でどのようなことを心がけていますか。

できるだけ短期間で解決するように努めています。

使途不明金など、遺産の範囲で争いが生じると、単なる遺産分割では済まず、別の裁判を起こさなければならないこともあります。そうなると、解決までにかなりの時間がかかり、当事者にとって精神的にも経済的にも負担が大きくなります。

そのため、できる限り他の訴訟を必要としない範囲で終わらせることを目指し、双方に譲歩を促しながら妥協点を見出すよう努めています。

「長期化しても良いことは何もない」ということをしっかりと説明し、スムーズな解決へ向けたサポートを行うことが、最終的には依頼者の負担を軽減し、利益につながると考えています。

依頼者とのコミュニケーションにおいて意識していることはありますか。

できるだけ感情論に引きずられないよう意識しています。相続問題では、何十年も前の些細なこと、たとえば「おかずの数が少なかった」といった話が持ち出されることも少なくありません。しかし、そのような感情的な話を続けても解決にはつながりません。できる限り争点を整理し、スリム化することを心がけています。

また、依頼者も紛争の長期化は望んでいないはずです。紛争ごとはどうしても過去の話に焦点が当たりがちですが、過去のことにばかりとらわれるのは精神的にも良くありません。古い話をいつまでも蒸し返すよりも、前を向いて解決策を見出すことの方が、お金では買えない価値があるということを依頼者に理解してもらい、より円滑で建設的な解決へと導いていくことを意識しています。

30年以上の弁護士経験で培った知見が強み

相続問題を弁護士に相談するメリットにはどのようなことがありますか。

一番のメリットは、早期解決にあると考えています。私の経験上、弁護士が介入することで問題解決のスピードが格段に上がります。理由は、弁護士が冷静で客観的なアドバイスをすることで、依頼者は感情に左右されずに、現実的な解決策を見出すことができるからです。

私が扱った案件の中には、10年以上も争いが続いたケースがあります。相続問題の特徴として、相手方が1人とは限らないという点があります。相続人が5人いれば、5人全員の言い分が異なるということも珍しくありません。このような複雑な状況を、当事者だけで解決しようとするのは非常に困難です。

このような複雑な状況下でも、法律の専門知識を持ち、客観的な立場から全体を見渡すことができる弁護士が介入することで、各当事者の主張を整理し、解決策を見出すことが可能になります。

相続案件における事務所の強みや特徴を教えてください。

長年の弁護士経験と実績にあります。30年以上の弁護士生活で多くの相続案件に関わってきました。その中には、相続人の数が多かったり、解決までに10年以上の歳月を要した複雑な案件もありました。そうした案件を多数経験しているため、依頼者にとって価値のあるアドバイスができると自負しています。

相続案件のやりがいをどのような点に感じていますか。

依頼者が納得してくれたときや感謝の言葉をいただいたときです。もちろん、理想は依頼者にとって良い結果で終わることですが、必ずしもそうなるとは限りません。それでも、依頼者から「ありがとうございました」と感謝の言葉をいただける瞬間があります。

結果が思うようにいかなくても、一生懸命取り組んだ姿勢が依頼者に伝わり、その努力が評価されると、「頑張って良かった」と実感します。

また、相続案件は解決までに時間がかかることが多いため、依頼者との信頼関係が深まりやすい特徴があります。長い時間をかけて一緒に問題に取り組む中で、依頼者が納得できる形で解決に至ったときの達成感は格別です。

最後に、相続トラブルを抱えている方へメッセージをお願いします。

「とりあえず相談してみること」が大切です。依頼するかどうかはその後の話で、まずは相談することから始めてみてください。相談することそのものが、問題解決への一歩になります。

1人で悩み、考えているだけでは、前に進むことはできません。どんな小さなことでも構いませんので、ぜひ弁護士に相談してみてください。相談を通じて、弁護士に任せた方が良いと感じたり、この弁護士なら信頼できると思ったら、そのときに依頼するかを検討してみれば良いのです。

相続に関する不安や疑問を少しでも感じたら、遠慮なくご相談ください。問題を抱え込まず、ぜひ気軽にご連絡いただければと思います。