一人ひとりの意向に沿った解決を。話しやすい弁護士が親身にサポート、円満相続を目指します

大阪府大阪市北区「服部・大村法律事務所」の大村匡保弁護士(大阪弁護士会所属)に、相続分野への取り組みについて聞きました。依頼者と丁寧にコミュニケーションを取り、一人ひとりの意向を汲むことを大切にしている大村弁護士。「相続は単にお金を分けるだけの話ではなく、家族の関係に関わる重要な問題」と話し、早期・円満な解決を目指します。
インタビュー
財産を分けるだけでなく、家族関係を守るためのサポートを提供
先生のご経歴について教えてください。
2016年に弁護士登録し、当事務所の前身である「服部正弘法律事務所」に勤務弁護士として入所しました。5年ほど前に、服部弁護士と共同で経営する体制に移行し、そのタイミングで「服部・大村法律事務所」に名称変更して現在に至ります。
仕事をする上で大切にしていることを教えてください。
フットワーク軽く動くことです。依頼者からの連絡にはできるだけ早くレスポンスしますし、刑事事件のように緊急性が高い案件については、依頼を受けたら遠方であってもすぐに現地へ足を運ぶなど、常に積極的に、迅速に動くことを心がけています。
また、特に相続問題においては「わかりやすさ」を重視しています。相続は、お金の計算一つとっても複雑ですし、法律的にも難しいポイントが多いです。しっかりと理解していただけるように、計算根拠を全て示し、専門的な話はかみ砕いて説明することを心がけています。
相続案件に注力している理由を教えてください。
勤務弁護士として事務所に入った当初から、相続案件を担当する機会が多かったのですが、転機になったのは家族の相続問題です。数年前に私の親がきょうだいと相続で揉め、それまで仲が良かった人たちが相続をきっかけに対立する様子を目の当たりにしました。このとき、「亡くなった人は絶対にこんな結果を望んでいなかっただろう」と強く感じたのです。
この経験から、相続は単にお金を分けるだけの話ではなく、家族の関係に関わる重要な問題だと認識するようになりました。相続だから必ずしも揉めるわけではなく、適切な分け方をすれば円満に手続きを終えることも十分可能です。お金の話を超えて、家族関係を守るためのサポートができたらと思い、相続にいっそう力を入れるようになりました。
客観的な視点から分割方法を示しつつ、依頼者の意向も最大限尊重
相続について、どのような相談が寄せられますか。
一番多いのは税金に関する相談です。やはり相続税の心配をする方が多いと感じます。税金の話は弁護士の専門外なので、必要に応じて税理士の先生を紹介しています。
次に多いのは遺留分の相談です。遺言に、自分が一切財産を相続できない旨が記載されていた方から、「少しでもお金を分けてもらう方法はないか」といったご相談を受けています。
また、特に揉めてはいないけれど遺産分割協議書の作成をお願いしたいという依頼も一定数あります。
中には、相続人同士の対立がすでに深まっている状態で相談に来る方もいます。かなり激しく争い、裁判に発展しかねない状況の方もいますが、裁判になると解決まで長い時間がかかりますし、完全に関係が壊れるリスクもあります。なるべくそうならないように、話し合いか調停の段階で解決することを目指しています。
相続案件を手がける際に心がけていることを教えてください。
法律に基づく、客観的な見通しを依頼者に伝えることです。相続は、法律のルールである程度財産の分け方が決まっているため、現実的な範囲での解決策を提案することが重要です。
例えば、不動産の評価額を高めに見積もって相手方に請求するといった方法もあり得ますが、そうすると話がこじれる原因になります。依頼者に対して、まずは客観的な数字を示し、その上で相手方とどう折り合いをつけていくか話し合うことを心がけています。
依頼者の中には、仏壇など特定の財産に思い入れがあり、絶対に譲りたくないと考えている方もいます。そのような方には、客観的な視点から分け方を提案した上で、できるだけ意向を叶えられるように柔軟に対応を進めていきます。依頼者の思いを否定して、私の方針を押し付けるようなことはしないように気をつけています。
相続について弁護士に相談するメリットは何ですか。
一番のメリットは、客観的な視点から適切な財産の分け方や金額を知ることができる点です。これにより、不要な親族間のトラブルを回避し、早期解決につなげることができます。
相談の時期が早くても遅くても費用はあまり変わらないので、少しでも不安に思うことがあれば、ぜひ早めにご相談ください。
問題が複雑化してからでは、最初から調停を申し立てざるを得なかったり、調停でまとまらず裁判に発展したりする可能性もあります。弁護士が早めに介入することで、当事者同士の直接対話ではなく、弁護士というクッションを挟んで冷静な話し合いができます。これにより感情的な対立を防ぎ、問題の長期化を避けられます。
また、遺言についても、弁護士に依頼していただければ、法的に有効かつ後々もめにくい文案を提案できます。まだ作らなくてもいいだろうと先延ばしにしていると、認知症が進行するなどして、そもそも遺言を作成できない状況になる可能性があります。遺言作成を検討している方も、思い立ったらなるべく早めに相談することをお勧めします。
豊富な経験と親身なサポートで、相続問題を納得の解決へ
相続について、先生の事務所ならではの強みを教えてください。
当事務所は、もともと服部弁護士が税務関係の案件を多く手がけていたことから、税理士とのつながりが強く、相続案件も数多く手がけてきました。事務所として、様々な相続案件を解決するノウハウを蓄積し、他士業とのネットワークも築いているので、皆様の問題解決のお役に立てると考えています。
私自身も、弁護士になった当初から多くの相続案件を手がけて経験を積んできました。依頼者からは「話しやすい」「弁護士っぽくない」と言われることが多いです。相続は派生する事柄が色々とあり、例えば事業をおこなっている方であれば事業承継をどうするかという問題が出てきます。そのような、相続に伴う別の悩みや、ちょっとした疑問も気軽に聞いてくださる方が多いので、話しやすいと思っていただけているのかなと思います。
これまで手がけた相続案件の中で、印象に残っている案件はありますか。
遺留分をめぐって裁判まで進んだ案件が印象に残っています。依頼者は遺留分を請求された側で、解決まで3年以上争いました。その間、依頼者とは頻繁に連絡を取り合い、進捗状況や案件の進め方などについてコミュニケーションを重ねました。最終的には和解という形で、依頼者に納得していただける条件で解決することができました。
案件が終了して少し経った頃に私が結婚したのですが、依頼者が結婚祝いとしてお茶碗とお箸と箸置きをプレゼントしてくださったんです。今でも愛用していますし、依頼者からはその後も別の件で相談していただいてお付き合いが続いたこともあって、印象に残っています。
1人で抱え込まず、気軽にご相談ください
初回相談の流れを教えてください。
まず、事務所に来ていただく前に、電話などで大まかな相談内容を聞きます。
遺言作成の相談であれば、財産の内容を分かる範囲で調べてもらい、後日事務所に来ていただいた際に、どの財産をどのように分けたいかを聞き取ります。その上で、いったん次の相談日を設定していただき、私の方で遺言の文案を作ってご提案するという流れになることが多いです。
一方、遺産分割の相談であれば、まず、相続人関係と相続財産の内容を確認します。その上で、依頼者の率直な考えを聞きます。絶対にほしい財産はあるのか、一番理想的なのはどういう分け方か、などです。いったんその日の相談は終えて、不動産や株式、貴金属など評価額の算出が必要な財産については、後日改めて具体的な金額をご案内します。その金額を前提に、依頼者が希望する財産を獲得するための手順を一緒に検討していきます。
相談の場では、丁寧に話を聞くことを一番に心がけています。決めつけず、ときには雑談もまじえながら、リラックスした雰囲気の中で話していただけるように努めています。
相続について弁護士への相談を検討している方へ、メッセージをお願いします。
相続に限ったことではないかもしれませんが、実際に弁護士に相談することで分かることは色々あると思います。相談した結果、弁護士に依頼せず、自分で対応する方法が見つかることもあります。
相続は、親の意思をどう汲んで財産を分けるかをめぐる重要な問題です。ご自身で対応することが難しいと感じたら、まずは1回相談に来ていただければと思います。現状を整理し、意向を伺った上で、次のステップに進むためのお手伝いをさせていただきます。
大切な方を亡くしたばかりのタイミングは、葬儀や税金など様々な問題に直面し、精神的に非常に辛い時期です。すべてを一人で抱え込まず、専門家に相談することで心の負担も軽減できるかもしれません。ぜひ一度、お話を聞かせていただければと思います。