不動産に関する豊富な知見が強み。依頼者の真のニーズを理解し、相続問題を納得の解決へ

大阪府大阪市中央区、天満橋駅からほど近い場所で「喜多啓公法律事務所」を経営する喜多啓公弁護士(大阪弁護士会所属)に、相続案件への取り組みについて聞きました。不動産案件の解決実績が豊富な喜多弁護士。相続においても土地や建物が絡む問題に多く対応し、依頼者一人ひとりのニーズに寄り添った解決を目指します。相続案件を扱う上で心がけていることや、事務所の強みなどを聞きました。
インタビュー
弁護士に相談するハードルを下げ、早期解決へ
事務所設立の経緯について教えてください。
2015年に弁護士登録したときから、「いずれは独立して自分の名前でやっていきたい」という思いがあり、2023年の4月に「喜多啓公法律事務所」を開設しました。それまでの8年間は勤務弁護士として経験を積み、特に不動産関連の案件に多く携わりました。その中で培った知見を活かし、現在も不動産に関する様々な問題に対応しています。
仕事をする上で最も大切にしているのは、依頼者の思いに寄り添うことです。一人ひとりのお話を丁寧に伺ってニーズを理解し、知識と経験を駆使して、最適な形で悩みを解決できるように進めていきます。
相続案件に力を入れている理由を教えてください。
小さな悩みの段階から相談していただくことで、将来的に大きな問題を回避できることが多いからです。数多くのご相談をいただくのですが、その中には「もっと早く相談に来ていただけていたら」と思うものが少なからずあります。
相続において最も重要なのは早めの相談です。ご本人が元気なうちに遺言を作成しておけば、相続発生後の紛争を未然に防ぐことができます。また、相続が発生した後でも、相続人間の話し合いがこじれる前に相談していただければ、円滑な解決が可能になります。
「弁護士に相談するのは大げさではないか」と考えて相談をためらう方はまだまだ多いと感じますが、相談のハードルを下げて、少しでも早く相談していただくことでより良い解決に導ければと思っています。
不動産相続の相談多数。問題をあとに残さず、今の代で完結させる
相続についてよくある相談内容と、解決の流れについて教えてください。
相続対策のために遺言を作りたいという相談がよくあります。最近は、特定の人に多く渡したいという方は少なく、公平な分配を希望する方が多い印象です。ご本人の想いはもちろん、遺されるご家族のことも考えて、スムーズな相続につながる文面に仕上げます。
あとは相続が発生したあとに、遺産の分け方で揉めて相談に来る方も多いです。特にトラブルになりやすいのは、遺産の中に不動産が含まれているケースです。現金と違ってそのままでは分けられないので、分割方法や評価をめぐって相続人同士で対立することが少なくありません。
複数の相続人で共有にするという方法もありますが、自由に売却やリフォームができないなどデメリットが多いため、お勧めはしにくいです。
解決策として一番多いのは、不動産を売却して、得られたお金を相続人同士で分配するという方法です。不動産を高く売却できれば、相続人全員にとってメリットがあります。実際に、複数の相続人が対立していた案件でも、「不動産を高く売る」という共通の目標を見出すことで、3年がかりではありましたが満足していただける解決に至ったケースがあります。
ただ、売却が絶対的な正解というわけではなく、個々の事情によってベストな解決方法は変わってきます。不動産をめぐる問題は非常に個別性が高く、ご家族ごとに家のあり方に関する認識は異なります。「先祖代々の土地なので、売らずに残したい」と考える方もいます。そのため、できるだけ当事者の思いを尊重して対応を進めるようにしています。
相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
依頼者の想いやニーズを理解することです。表面的な言葉だけではなく、心の奥底にある想いもくみ取るために、じっくり話を聴くことを大切にしています。また、亡くなった方の意思を尊重することも重要です。遺言があればその意思は明確ですが、ない場合でも、「故人ならどう考えただろうか」という視点を持って案件に取り組むようにしています。
問題解決後の家族関係にも配慮しています。「徹底的に争って縁を切りたい」とおっしゃる方もいますが、相続人同士は何らかの形で今後も関わることが多いものです。法事などの場で顔を合わせる機会もあるでしょう。そのときに依頼者が気まずい思いをしないように、案件終了時には人間関係がある程度整った状態になることを目指して進めていきます。
そして、何より大切にしているのは、問題をあとに残さないことです。解決しないまま放置すると、次世代にさらに複雑な問題として引き継がれてしまいます。中には、不動産の分け方が決まらないため、登記の名義変更をせず被相続人のままにしておくという事例も見られます。それは結局、問題を先延ばしにしているだけなのです。
次の代になったときには相続人の数がさらに増え、戸籍調査などの手続きをしなければならず、解決までに膨大な時間と費用がかかる可能性があります。そのため、依頼者には「次の世代に問題を残さないようにしましょう」とお伝えし、今の代で全てが完結するような解決を目指しています。
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
遺言作成については、弁護士が関わることで、後々揉めるリスクが少ない内容にすることができます。相続の専門家を標榜する非士業や、士業であっても行政書士などが作成した遺言が、意図せず紛争の火種になってしまうケースは少なからずあります。弁護士は「紛争防止」という観点から遺言を作成するので、スムーズな遺産承継を実現することが可能です。
また、依頼者の代理人として他の相続人と交渉したり、調停や訴訟など裁判所での手続きに対応したりすることは、士業の中でも弁護士にしかできません。そのため、「遺産分割の話し合いがまとまらない」「他の相続人と話をしたくない」など当事者だけで遺産分割協議を進めることが難しい場合は、弁護士のサポートを受けることをお勧めします。
不動産に関する豊富な知見を相続問題解決に活かす
事務所ならではの強みや、他の事務所との違いを教えてください。
独立前は宅建協会の顧問弁護士を務める事務所で勤務していたこともあり、不動産関連の知識が豊富なことです。不動産に関わることは全て経験したと言っても良いくらい、ありとあらゆる事案を手がけました。不動産は相続問題と密接に関わっており、このときに培った知識が相続案件の解決に役立っています。
不動産業者や司法書士、税理士といった専門家とのネットワークもありますので、不動産の売却や登記、税金に関する相談にも対応可能です。
相続について、今後の展望をお聞かせください。
当事務所の強みは不動産に関する案件ですので、今後はより広い意味での「不動産」と「相続」に関連する取り組みをおこないたいと考えています。その一つが、賃貸物件の入居者が亡くなった後の問題です。
たとえば、アパートで高齢の単身入居者が亡くなった場合、賃貸の解除や残置物の処理などが必要です。通常の場合では、相続人が対応することとなりますが、相続人がいない場合や、相続人がいても全員が相続放棄をした場合、対応する人がいなくなりますので、相続財産管理人選任申立等の裁判手続を不動産のオーナーや管理会社が対応しなければなりません。時間的にも経済的にも大きな負担を抱えることになります。
そういった問題を解決するため、不動産オーナーや管理会社向けに、高齢の単身者と賃貸借契約を交わしたうえに、「死後事務委任契約」を結ぶように提案することを考えています。死後事務委任契約を結ぶことで、賃貸借契約の解除や残置物の処理をどのように行うのかといった事柄をあらかじめ決めておくことができます。さらに、入居者に対しては簡易的な遺言作成を勧めたいと考えています。そうすることで、入居者本人の希望に沿う形で死後の手続きを進められます。
こういった取り組みを考案した背景には、孤独死などのリスクから、単身の高齢者が賃貸住宅への入居を断られることが少なくないという社会問題があります。今後高齢化が進んでいく中で、入居したい人も貸す人も安心して契約を交わせる環境を作っていく。そのための活動を今後展開したいと思っています。
相続について相談、依頼を検討している方へのメッセージをお願いします。
相続問題は誰もが直面する可能性のある問題です。まだ相続が発生していない段階であれば、今のうちにできる対策をご提案します。「将来、家族に相続で揉めてほしくない」「財産管理について相談したい」など、相続への備えを検討している方はぜひご相談ください。
すでに問題が起きている方も、なるべく早めに相談していただくことをお勧めします。大事に至る前に適切な対応をすることで、時間的にも経済的にも負担が少ない解決につながります。
初回相談は30分5500円で承っています。営業時間は9時から18時までですが、ご相談いただければ時間外も対応します。相続でお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご連絡ください。