親族間でいい関係を長く続けるために〜徹底的に「人」に向き合い相続問題を解決する
福岡県久留米市に「ことまる法律事務所」を構える中村愛弁護士(福岡県弁護士会所属)に、事務所設立の経緯や相続問題を弁護士に依頼するメリットなどを伺いました。家庭裁判所調停委員の経験も活かしながら、相続問題に取り組んでいる中村弁護士。徹底的に「事案」と「依頼者」に向き合う姿勢で、多くの事案を解決してきました。
インタビュー
「相談すればいいことがある」弁護士への信頼を守りたい
事務所設立の経緯について教えてください。
東京でプログラマーとして就職したものの、次第に自分一人でやっていける仕事に就きたいと考えるようになりました。もともと、大学時代に弁護士になりたいと考えていたのですが、大学に相談したら「今は弁護士は飽和している」と言われ、諦めていました。
たまたま再会した友人の「法律の勉強をやり直す」という言葉に刺激され、私も弁護士の勉強をスタートさせ、2010年、司法試験に合格。地元の福岡県久留米市で研修し、研修先の事務所にそのまま就職しました。
その事務所では、離婚や相続、交通事故、建築訴訟など様々な事案を扱っており、所長弁護士と二人三脚の形で経験を積ませてもらいました。勤務して4年目で「自分1人でやっていく」という目標を達成するために独立の準備を始め、2017年に「ことまる法律事務所」を開業しました。
事務所の理念や大切にしていることを教えてください。
ことまる法律事務所の「ことまる」は、「事を丸くおさめる」からきています。当事務所では「思いやりと共感を持って、地域の皆さまの弁護士に対する信頼を守ります」という理念を掲げています。
実は、私は20歳の時に交通事故に遭ったのですが、示談書を偽造されて示談が終わっていたというショッキングな出来事がありました。それを弁護士に相談したら、「示談が終わっているから覆せない」と言われたんです。
弁護士は正義の味方だと思っていたのに、信頼が打ち砕かれてしまった。私に相談してくれた方には、そんな思いは絶対にさせないようにしたい。「弁護士に相談したらいいことがある」という、弁護士への信頼を守りたいと思って、日々、相談に来てくださった方と向き合っています。
2つ目の理念は、「依頼者の正当な権利を暴力的でない手段で実現します」です。依頼者、そして関係者と丁寧に話し合いを重ね、課題の解決に努めることを心がけています。
調停委員の経験が弁護士業務にもプラスに
相続分野に注力している理由を教えてください。
前の事務所に勤務していた時に、成年後見人についていた方が急死し、その相続人の方すべてに連絡をして、事務手続きを進めたことがありました。家系図を見ながら一人ひとり読み解いていき、相続人とお話しして理解を得ることは、もつれてしまった糸を解く感覚に似ています。とても大変でしたが、やりがいを感じたので、「相続事件にもっと取り組んでいきたい」と思うようになりました。
その後、家庭裁判所の調停委員さんから調停委員の打診がありました。裁判所がどのように相続事件を判断しているのか知りたいと思い、引き受けました。実際に仕事についてみると、通常の弁護士事務所における感覚とは異なり、お金や売り上げと切り離され、調停委員同士が純粋に法律の解釈について話し合い、純粋に議論を交わす素晴らしい環境でした。
調停委員は今も続けています。私よりも大先輩の方も多々いらっしゃり、毎回深い洞察や法律への理解などたくさんのことを学ばせてもらっています。
実際に自分の目で見た裁判所の姿勢を依頼者にわかりやすく説明することができており、日々の弁護士の業務、特に相続分野において調停委員の経験が活きていると感じます。
相続問題ではどのような相談が多いですか。
遺産分割について、まず何から手をつけたらいいかわからない、という方が圧倒的に多いです。それから人間関係がもつれてしまって、親族と険悪になってしまったという方もいます。
あとは現役世代の方だと、仕事をしながら相続問題に取り組むのが大変なので、手続きを任せたいということで依頼されることが多いです。
相続問題を扱う時に、心がけていることはありますか。
相続とは、「残された財産を分け合う」ことだと考えています。しかし、ちょっとした行き違いや誤解から憎しみあってしまうことも少なくありません。
せっかく何かあったら頼れる親族同士なのに、憎しみあって負の感情を持ってしまうのはもったいないし、将来にわたって憎しみあうことに何も良いことはありません。
依頼者だけでなく、事件の相手方ともコミュニケーションを取っていくと、「何が怒りの原因なのか」が次第にわかってきます。原因をしっかりと特定した上で、怒りを解きほぐして、依頼者と周りの方との今後の関係性を良くするお手伝いをしていきたいと考えています。
徹底的に依頼者と向き合い、悩みを引き受ける
相続問題を弁護士に相談することには、どんなメリットがありますか。
相続問題には、先にお話しした「人間関係のもつれ」と「相続財産をどうしたらいいのか」の2つの柱があると考えています。
相続の選択肢は、たくさんあります。例えば、親から土地と現金が兄弟3人に残された場合、1人が土地を全て相続し、その分を他の2人に現金で払う方法もあれば、土地を売ってそのお金を3人で分ける方法もあります。
逆に、誰もいらない土地を仕方がなく受け取る時に、どう精算するのか。固定資産税を誰が払っていくのか。賃料が発生している不動産があればそれを今後どうしていくか、など依頼者の数だけさまざまなケースがあります。
弁護士に相談してくだされば、その「どうすればいいか」を弁護士に任せることができる。いわば、「悩みを手放すことができる」ことがメリットになると考えています。
私がご依頼を受けるときは、依頼者ご自身の現在の職業や家族構成に加え、ご両親の職業や兄弟仲が良いか悪いか、などバックグラウンドを深く掘り下げて伺います。
依頼者からは「ここまで聞いてもらえたことはない」と言われることもよくあります。できるだけ依頼者を理解し、お気持ちに寄り添うために「それって関係あるの?」ということまで聞かせていただきます。
それを聞いた上で、現在のご意向を伺い、こちらから「こんな手段もいいかもしれません」とご提案させていただくことができています。
どうしても、弁護士に相談するのはハードルが高いと感じる方もいらっしゃいます。
相続のご相談は、発生してからできるだけ早く相談に来ていただくほど、依頼者の希望や目的に合った解決方法を提案できますし、悩む時間も少なくなります。
時間が経ってしまい人間関係がもつれてしまった後だと、費用も時間も労力もかかってしまいます。
親族間で話し合った末、不利な条件の合意書に印鑑を押してしまい、条件を覆すのに裁判をした例もありました。そうなると金銭面はもちろん、長期にわたって精神的な負担を負うことにもなります。そのような事態を避けるためにも、ぜひ早めにご相談いただければと思います。
ことまる法律事務所ならではの強みを教えてください。
相続事件の経験件数が多く、家庭裁判所の調停委員を現役で務めていることもあり、さまざまなケースに対応が可能です。
また、事務員は私が前事務所から一緒に働いている方なので、お互いの求めることがおおよそ分かっています。常にお互いの情報を共有しながら仕事をしているので、依頼者からいつご連絡をいただいてもタイムリーにお返事ができます。いたずらに待たせたりすることなく、ホッとしていただける対応ができていると自負しています。
ご連絡はLINEで行うことが多く、普段お仕事をされている方でもご負担なくやりとりできるようにしています。
当事務所では初回の法律相談料は30分無料です。悩んで体調を壊すぐらいでしたら、一度足を向けてほしいと思います。駐車場もありますので、どうぞお気軽にご相談にいらしてください。