依頼者の気持ちに寄り添い、きめ細やかなサポートで相続問題を解決。女性弁護士と2人体制で対応
石川県金沢市で「泉が丘法律事務所」を経営する酢谷昌司弁護士(金沢弁護士会所属)に、相続案件を手がける上での心構えや事務所の強みを伺いました。依頼者とのコミュニケーションを大切にしている酢谷弁護士。相手方に対する思いなど感情的な部分も受け止めた上で、法的に妥当な解決を目指して対応を進めていきます。相続の悩みを弁護士に相談・依頼するメリットについても詳しくお話しいただきました。
インタビュー
当事者の不安や精神的負担が大きい相続問題を円満に解決
事務所設立の経緯や仕事をする上で大切にされていることを教えてください。
金沢市内の法律事務所に入所して10年ほど経験を積んだのち、平成28年10月に現在の事務所を設立しました。
弁護士に相談するハードルが高いと感じている方は、まだまだ多いです。相談に来た方の中にも、緊張してなかなか話せない方が少なくありません。緊張を和らげるために、依頼者の気持ちに寄り添ってじっくりお話を聞くことを心がけています。説明する際は難しい法律用語をなるべく使わず、分かりやすく伝えることを意識しています。
弁護士費用についても、どのぐらいかかるのかと不安に思う方が多いので、初回相談時に見積もりを提示しています。
相続案件に注力されている理由はなんでしょうか。
相続は、誰にでも起こりうる身近な法律トラブルです。身近とは言っても手続きには法律の知識が必要ですし、近しい人同士の問題だからこそ感情的に激しく対立することもあります。当事者の方だけではなかなか対処しきれないケースが少なくありません。
弁護士は第三者的な立場で介入し、感情的な問題があることは当然ですが、お話をきちんと整理しまして、法律のルールに基づいて相続の手続きを進めていきます。弁護士が入ることで、それまで対立していた当事者が冷静さを取り戻し、論理的に話し合えるようになることが多いです。
相続の悩みを早く円満に解決することにやりがいを感じますし、依頼者にも満足していただけているので、当事務所の1つの柱として力を入れています。
相続について、多く寄せられる相談内容を教えてください。
大きく3つあります。1つは遺言書の作成です。遺言書は自分で作成することもできますが、書き方や内容が適切か不安に思われる方もいます。弁護士に相談してアドバイスを受けることで、法的な要件を満たし、自分の意思を反映した内容の遺言を作成できます。
2つめは遺産分割です。財産の分け方を身内同士で話し合っても折り合いがつかず、弁護士に入ってほしいということで相談に来る方が多いです。
話合いが難航する事情はケースバイケースですが、きょうだい間の感情的なしこりが影響していることが多いように思います。「兄は親の生前、多額の援助を受けていたのに、取り分が同じなのは不公平だ」といったケースです。このような背景事情や各相続人の主張を踏まえて、全員が納得できる落とし所を探っていきます。
3つめは遺留分減殺請求です。遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に認められた権利で、最低限保障される遺産の取り分を指します。例えば、遺言書で、「全ての財産を長男に相続させる」と書かれていた場合、他の相続人の取り分はゼロとなってしまいます。このような場合に遺留分を主張すると、取り分を増やせる可能性があります。
遺留分については、当事者間で話し合っても合意を得にくい、請求額の計算が複雑、請求には時効があるなど、難しい問題がいくつもあります。侵害されている遺留分を取り戻すには、なるべく早い段階から弁護士のサポートを受けることが重要です。
依頼者の「伝えたい」という想いを受け止める
相続案件を手がけるうえで心がけていることを教えてください。
依頼者の話をじっくり聞くことです。案件解決のために必要かどうかという観点でジャッジせず、依頼者が私に伝えたいと思っていることは全て聞くようにしています。
相続には感情的な問題が絡むため、他の相続人に対する不平不満を抱えている依頼者は多いです。法律相談の際、「昔こんなことをされて傷ついた」「相手が自分より財産を多くもらうことが許せない」というふうに、感情的な主張をされる方もいます。
ただ、「それは感情論であって、法律の問題ではない」などと切り捨てるようなことはしません。抱えている想いを外に出すことである程度気持ちが落ち着き、今後の対応を冷静に考えられるようになります。どのような話であっても、依頼者が「伝えたい」と思っていることは全て聞きます。その上で、法律的に重要な話と感情的な話とを整理し、法律的に妥当な解決に向けて道筋を組み立てていきます。
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
1つは、弁護士が入ることで当事者の対立が落ち着き、法律のルールに基づいて話合いを進められるようになることです。お互いが不平不満をぶつけ合うばかりの状態から脱して、適切に財産を分けるというゴールに向かって、建設的な話合いができるようになります。
相手方との交渉は弁護士が代行するので、依頼者が自分でやりとりする必要がなくなることもメリットです。寄与分など、自分で他の相続人に主張してもなかなか受け入れてもらえないことも、弁護士が法的根拠に基づいて主張・立証し、他の相続人との利害を調整しながら交渉することで、認められる可能性が高くなります。
財産調査などの煩雑な手続きを任せられることもメリットです。自分で調査することも可能ではありますが、被相続人が取引をしていた金融機関が複数あったり、財産が多かったりすると、全て調べ切るには相当な手間がかかります。苦労して調査し、遺産分割協議が終わった後に、把握していなかった財産の存在が判明することもあるかもしれません。弁護士に任せてもらえれば、依頼者に代わって、迅速・確実に調査をおこないます。
初回相談から弁護士2名で対応。豊富な知見を活かし、困難な事案も解決に導く
先生の事務所の特徴はどんなところでしょうか。
通常、案件を進める際は弁護士1人で対応しますが、当事務所では最初の相談から、私ともう1人の女性弁護士の2人体制で対応しています。1つの案件に2人で取り組むことで、多角的な視点から案件を分析し、最適な解決方法を提案することが可能です。依頼者をきめ細やかにサポートし、早く、最善の解決を導けるように対応を進めます。
加えて、これまで多数の相続案件を手がける中で、解決のノウハウを蓄積してきました。特に、不動産が絡む案件の経験が豊富で、遺産分割の問題なども多く取り扱っています。専門家との連携のもと、不動産鑑定や査定、売却までサポートします。相続税や固定資産税など税務に関する手続きにも税理士と連繋して対応可能です。
これまで取り組まれてきた相続案件の中で印象に残っているものを教えてください。
兄弟間で激しく争っている相続案件で、難しい争点が複数あるケースを無事解決できたときでしょうか。調停で何度も話し合いを重ねて、最終的にはお互いが納得できる答えを見出すことができました。
長期にわたる事件を解決に導いたときも喜ばれますが、逆に早く解決できたときも、非常に感謝していただけます。受任して1ヶ月程度で解決に至った事件では、依頼者が「こんなに早く解決してもらえるとは思わなかった」と大変喜んでくださって、嬉しかったですね。
相談・依頼を検討している方へのメッセージをお願いいたします。
相続について悩みを抱えている方の中には、「弁護士に依頼すると高額な費用がかかるのではないか」「こんなことを相談していいのかな」といった不安を感じて、相談を迷われている方もいると思います。
当事務所では、30分5000円(税別)で法律相談を承っています。相談だけであればそこまで高額な費用はかからないので、気軽に利用していただきたいです。初回相談時に、依頼していただく場合のサポート内容や費用の見積もりを提示しますので、その上でゆっくり検討していただければと思います。相談したら必ず依頼しなければならないわけではないのでご安心ください。
最初に自分で対応されていて、途中からお任せいただくこともありますが、「手続きがとても大変だった。もっと早く依頼すればよかった」とおっしゃる方も多いです。
日々の仕事や家事と並行して相続の手続きを進めることは、負担が大きいでしょう。早めにお任せいただくことで、少しでも皆さんのストレスを軽くできればと思います。まずはお気軽にご相談ください。