飯田市に根ざして36年。町医者のように依頼者に寄り添い、相続問題を解決に導く
長野県飯田市「弁護士法人はら協同法律事務所」の原正治弁護士(長野県弁護士会所属)に、相続分野への取り組みについて聞きました。36年に亘って飯田市で活動し、「町医者のような存在でありたい」と話す原弁護士。弁護士3名、事務局4名の充実した体制も活かし、迅速・丁寧な対応で相続問題の解決に取り組んでいます。相続についてよくある相談や弁護士に相談するメリット、事務所の強みなどを詳しく聞きました。
インタビュー
迅速に、親切に、誠意を込めて案件に取り組む
事務所設立の経緯を教えてください。
1989年に弁護士登録をし、同年4月に、出身地である飯田市で事務所を設立しました。
2025年4月からは事務所名を「弁護士法人はら協同法律事務所」に変更し、私を代表として、長女の原史織、次女の原愛実と共に弁護士3名体制で運営しています。
事務所の理念や大切にしていることは何ですか。
町医者のような存在であることです。地元の方々に寄り添い、一人ひとりの声に真摯に耳を傾けながら法律問題を解決することを信念としています。
分野を限定せず、基本的にはどのような案件でもお受けするスタンスです。私を信頼して案件を任せてくださった依頼者のために、迅速に、親切に、そして誠意を込めて仕事をしています。弁護士になってから今年で36年が経ちますが、一貫して大切にしてきた姿勢です。
遺産分割の相談多数。相続人や遺産の範囲を念入りに調査し、スムーズな解決へ
相続について、どのような相談が寄せられますか。
最も多いのは遺産分割に関するご相談です。亡くなった方の遺産をどのように分けるか当事者間で意見が合わず、相談に来る方が多いです。弁護士が入って交渉しても折り合いがつかない場合は調停、さらには審判、場合によっては高等裁判所への即時抗告まで進むこともあります。
具体的に揉めやすいポイントとしては、まず遺産の範囲について争いがあるケースが多く見られます。生前に預金から引き出された使途不明金の扱いが特に問題となります。また、不動産や株式等の遺産の場合には、その評価が問題となります。さらに、寄与分・特別受益の問題なども争いの典型例です。分割方法としては、田舎の山の中にあるような、ほとんど価値のない不動産をどう分けるかといった問題もあります。
すでに当事者間で話がまとまっている方から、遺産分割協議書の作成を依頼されることもあります。遺留分侵害額請求に関する相談も多く、請求する側・される側双方の案件を扱っています。
遺言作成の相談も寄せられます。依頼者の希望によっては自筆証書遺言を作成することもありますが、基本的には公正証書遺言をお勧めしています。依頼者と一緒に公証役場に行って作成することもあれば、移動が難しい場合は公証人に出張してもらうこともあり、個別の状況に応じて柔軟に対応しています。
件数としては少ないですが、死亡危急時遺言を作成した経験もあります。これは、遺言者に死期が迫っているなど、緊急性が高い場合に作成する遺言です。念のため、意思能力がある旨の診断書を医師に作成してもらった上で、証人3人の立会いのもと病床にある方から話を聞き、本人に代わって遺言を作成します。
相続案件を手がける上で心掛けていることを教えてください。
解決に向けたプロセスを正確に踏むことです。第一にすべきことは相続人の範囲の確定です。シンプルなケースであれば、法律のルールに従ってすぐに確定できますが、再婚や養子縁組などで複雑な関係になっている場合は慎重に調査しなければなりません。相続人の範囲が決まると法定相続分が明確になるので、誰がどのくらいの遺産を引き継ぐのか、計算を正確におこなうためにも丁寧に調べて確定します。
次に、遺産が何なのかをきちんと確定する作業が必要です。この調査が不十分だと、遺産分割を終えた後に新たな遺産が出てきたりして、協議を最初からやり直さなければならない可能性があります。遺産の範囲確定後は、寄与分や特別受益の有無をチェックし、その上でどのように分割していくかを協議します。
協議を始める前の準備段階にしっかりと時間をかけ、相続人と遺産の範囲を明確にすることは、スムーズに問題を解決するために重要なポイントです。
一人で悩まず、気軽にご相談ください
相続分野における事務所の強みを教えてください。
一つは、司法書士や税理士など他士業とのネットワークがあることです。登記や税務に関する手続きが必要な場合も、信頼できる専門家につなぐことができます。
また、不動産業者や不動産鑑定士とのネットワークもあり、難しい不動産案件にも対応できます。特に田舎では価値の低い土地の処分に苦労することが多いため、こうした人脈は大きな強みとなります。
もう一つは、弁護士3名、事務局4名という充実した体制です。一つの案件について弁護士同士で検証し合い、多角的な視点から最適な解決方法を検討しています。事務局長と私は同じ経験年数で、事務所設立以来36年に亘って一緒に仕事をしてきました。実務面でのノウハウも蓄積しているので、相続の手続きについても迅速かつ正確に対応することが可能です。事務所一丸となって、依頼者の問題解決をサポートします。
相続について弁護士に相談するメリットは何ですか。
相続は、多くの方が人生で一度は経験する身近な事柄ですが、手続きの中には法律の知識が必要なものもあります。どのように進めればいいのか判断に迷うこともあるでしょう。弁護士に相談し、専門知識に基づいたアドバイスを受けることで、適切なやり方で手続きを進められます。相談後に依頼もする場合は、複雑な手続きを全面的に代行してもらうことが可能です。
相続に関する法律は近時頻繁に改正されており、配偶者居住権、特別寄与分制度の新設など、最新の法改正情報をキャッチアップすることが重要です。常に変化する法制度に対応するためにも、専門家のサポートを受けることは有益だと思います。
相談のタイミングはなるべく早い方がいいです。手続きがよくわからないからといって放置しておくと、その間に別の相続が発生して相続人がどんどん増えていく可能性があります。実際に私が手がけた案件でも、相続人が80人近くに膨れ上がったケースがありました。そういう状態になってしまうと、不動産の名義変更一つするにも膨大な時間とお金がかかります。
相談が遅れると、財産が散逸したり、証拠が失われたりするリスクもあります。また、最近の民法改正により、相続開始後10年を経過すると、特別受益と寄与分の主張はできなくなります。さらに、相続放棄や遺留分侵害額請求などには期限があり、超過すると手続きができなくなってしまいます。こうしたリスクを避け、法律に則って正当に遺産を分割するために、相続が発生したらなるべく早めに弁護士に相談することをお勧めします。
相続について弁護士への相談を検討している方へメッセージをお願いします。
相続のトラブルを抱えている方は、一人で悩まず、どのような法的解決が可能なのかという点について一度弁護士に相談していただきたいと思います。解決の方向性が分かるだけでも、心の負担が軽くなるはずです。
相続人同士で意見が合わない、手続きが難航しているなどの状況はもちろん、「意見はまとまっているが、本当にこの方向性でいいのか不安」という場合でも、遠慮なくご相談ください。法的な見地からアドバイスいたします。
問題を解決し、依頼者に喜んでいただくことが私達の何よりのやりがいです。お悩みの解決に貢献できるよう、誠心誠意対応します。