相続弁護士 ドットコム

相模大野法律事務所

所在地
神奈川県相模原市南区相模大野8-10-6 ユタカビル6階
受付時間
  • 平日可

依頼者の気持ちを大切にする法的サポート〜相続分野に取り組むことで地域のニーズに応える

白澤 章子相模大野法律事務所

神奈川県相模原市「相模大野法律事務所」の白澤章子弁護士(神奈川県弁護士会所属)に相続分野の取り組みについて話を聞きました。共同代表の小谷馨弁護士とともに長年にわたり相模原周辺の法律トラブルに対応してきた白澤弁護士。相続問題を扱う上で心がけていることや事務所の特徴などについて聞きました。

インタビュー

法律で幸せにする弁護士事務所

事務所設立の経緯を教えてください。

2005年に弁護士登録をして、相模原市の弁護士事務所で活動していました。その中で、地域の皆さんにもっと寄り添えるような活動がしたいという思いが強くなり、2007年に司法修習の同期である小谷馨弁護士とともに「相模大野法律事務所」を開設しました。

相模大野という場所は裁判所からは少し離れていますが、交通の便が比較的良いことから、地元の方々が気軽に相談に訪れやすい環境だと思っています。この地で、法律トラブルを抱える方々の力になれる存在でありたいと考えています。

事務所の理念を教えてください。

「地域の人たちを法律で幸せにする」という理念があります。これは私が弁護士になった当初から一貫して大切にしている姿勢です。

また、弁護士事務所は「敷居が高い」「連絡しにくい」といった印象を持たれがちです。そうしたイメージを払拭し、誰でも気軽に相談できるような、話しやすく親しみやすい雰囲気の事務所を目指しています。

依頼者の気持ちに配慮した解決

相続分野に注力している理由はどのような点にありますか。

市役所などで行われる市民相談に参加すると、半数近くが相続に関する悩みであることを実感したからです。それだけ相続問題に直面している方が多いのだと感じました。

相続は非常にデリケートな問題であり、感情的にも法律的にも複雑になることが少なくありません。そうした悩みを解決し、地域の方々に法的サポートを提供することに意義を感じ、相続分野に力を入れるようになりました。

どのような相談が多いですか。

特に多いのが相続放棄に関するものです。例えば、長年疎遠になっていた近親者が亡くなり、相続が発生したことを知らされるケースや、予期せぬ請求書が届いて相続の事実を知ることになったという方々からの相談があります。

相続放棄の手続き自体はそれほど複雑ではありませんが、期間の制限があったり、戸籍謄本の取り寄せなど、煩雑な作業が伴います。そのため、弁護士への依頼を検討される方が多いようです。

遺産分割でもめているという相談もあります。そのようなケースでは、基本的に調停を勧めています。交渉を何年も続けても話がまとまらない場合も多く、早期解決のためには中立的な立場の裁判所を介した調停が有効だからです。

また、交渉では相手方から「依頼者の味方」と受け取られてしまうことがありますが、裁判所を通じた調停であれば、第三者である調停委員が間に入るため、相手方も納得しやすくなります。

相続案件を扱う上で心がけていることはありますか。

依頼者の感情にしっかり寄り添うことです。相続問題では法律上の争点だけでなく、感情面でこじれているケースが多いと感じています。そのため、厳密には相続の範囲に含まれない事柄であっても、必要だと判断した場合には、依頼者の気持ちを相手方に伝えるようにしています。

しかし、法定相続分のように法律で定められた割合があるため、依頼者の要望を叶えることができない場合もあります。そのため、見通しをしっかり説明して、納得していただけるよう努めています。

また、専門用語を避けてわかりやすい言葉で説明することを常に意識しています。一般の方々にとっては、法律用語や仕組みはなじみが薄いものですから、できるだけ噛み砕いた説明を心がけています。

相続問題を弁護士に相談するメリットにはどのようなことがありますか。

相続の相談先としては、司法書士や税理士などもありますが、交渉で解決できるのか、それとも調停を申し立てたほうが良いのかといった判断ができるのは、弁護士ならではの強みです。

例えば、交渉を続けても話が進展しない場合、最終的に調停を申し立てることになります。しかし、その判断が遅れると、余計な時間や費用がかかることもあります。弁護士であれば最初の段階で状況を的確に見極めて、最適な解決策を提示することができるため、時間やコストの面でもメリットが大きいのです。

また、相続問題は法律だけでなく、人間関係や感情が大きく絡むケースが多いため、問題の本質を捉えながら、相手方との調整や交渉を進めることが求められます。弁護士であれば、法律的な側面だけでなく、依頼者の意向を踏まえた最善の解決策を見出すことができるのも大きな利点です。

印象に残っている相続案件やエピソードを教えてください。

独立して最初に担当した遺産分割調停が、特に印象に残っています。依頼者は高齢の方で、もともと別の弁護士に依頼する予定だったそうですが、利益相反の関係で依頼できず、最終的に私のもとに紹介されました。

相手方から調停を申し立てられたものの、依頼者は出席を拒否し、裁判官が直接出向いても応じようとしない状況でした。代理人としてついた私も、なかなか依頼者の頑なな態度を変えることができず、調停は3年ほど続くことになりました。

それでも根気強く依頼者の自宅に何度も足を運び、じっくり話を伺いながら、「どのような内容なら納得できるのか」を丁寧に確認しました。その積み重ねによって、最終的には調停をまとめることができました。

この案件を通じて、相続問題では法律だけでなく依頼者の気持ちに寄り添うことの大切さを改めて実感しました。依頼者の納得を得ることの難しさを痛感する一方で、粘り強く向き合うことで解決へ導くことができた経験は、今でも私の自信になっています。

最後に、相続問題を抱える方にメッセージをお願いいたします。

相続問題は今後も増えていくと考えられますが、相続人同士の争いをできるだけ避けるためには、生前に適切な準備をしておくことが大切です。その一つの方法として、遺言書を作成することを強くお勧めします。

また、相続発生後の手続きに関しても、相続放棄のように期限が設けられているものがありますので、早めにご相談いただきたいと思います。

相続の問題は、早めに対応することで選択肢が広がり、より良い解決につながります。心配ごとがある方は、ぜひ気軽にご相談ください。