一人ひとりのニーズを把握し、相続問題を納得の解決へ。税務や遺品整理も含め総合的にサポート
奈良県奈良市「オルタナ法律事務所」の田中悠介弁護士(奈良弁護士会所属)に、相続案件を手がける上での心構えや、事務所の強みを聞きました。依頼者の意向を細かく把握し、型通りでない、一人ひとりのニーズに合った解決を目指す田中弁護士。税理士や遺品整理業者などの専門家とも連携し、相続の様々な悩みを解決するためのサポートを提供しています。
インタビュー
「オルタナ」という名のとおり、既存の枠にとらわれない提案を
事務所設立の経緯と、事務所の理念を教えてください。
2022年4月に現在の事務所を開設しました。もともと、35歳までに自分の事務所を持つという目標があり、勤務弁護士として経験を積んだのち、依頼者の希望に寄り添った柔軟なサービスを提供したいという思いから独立を決意しました。
事務所名に冠した「オルタナ」は、「オルタナティブ」のことです。オルタナティブは「代替案」を意味しますが、他に、オルタナティブロックやオルタナティブ投資のように、従来の枠を超えた新しいアプローチという意味もあります。依頼者の悩みを解決するために、既存の枠にとらわれず、より柔軟な提案をしたいという思いを込めて、「オルタナ法律事務所」と名付けました。
特に相続や離婚の問題は、金銭的な利益だけを得られればいいかというとそうではなく、気持ちの上でも依頼者が納得しなければ本当の意味での解決とはいえません。依頼者の状況を丁寧に把握し、型通りではない、一人ひとりのニーズに合った解決策を提案したいと思っています。
丁寧な対話を通してニーズを把握。相手方にも配慮し、円満な解決をはかる
相続について、どのような相談が寄せられますか。
多く寄せられるのは、「遺産の分け方について相続人同士で揉めている」「相続放棄を検討している」という相談です。
遺産分割については、法定相続分を超えて取り分を主張する相続人がいると、争いになりやすい傾向があります。また、生前の被相続人から結婚祝いなどを受け取った人がいる場合も揉めやすいです。「あなたはすでにお金を受け取っているのだから、その分を相続分から差し引くべきだ」と主張しても相手が受け入れず、対立が生じて相談に来る方もいます。
相続放棄についてよくあるのが、疎遠だった家族が亡くなったことを知って、「どういう財産があるかもわからないし、長年音信不通だったので放棄したい。手続きはどうすればいいか」という相談です。
相続放棄の手続きは、被相続人が亡くなったことを知ってから3か月以内におこなう必要がありますが、すでに3か月が経過した後に相談に来る方も少なくありません。期限を過ぎていても、諸般の事情を考慮して例外的に相続放棄が認められる場合もあるので、諦めずになるべく早く相談していただくのがいいと思います。
財産をお持ちの方から、相続対策の相談を受けることもあります。基本的には遺言作成をお勧めしますが、財産を多くお持ちの方や会社経営者、障害があるお子さんがいる方など、財産管理のニーズが高い方には民事信託の活用を併せて提案することもあります。
相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
依頼者の話をよく聞いてニーズを把握し、それに応えられる解決策を提案をすることです。どのような解決を望むのか、細かい部分まで理解したいので、打ち合わせには充分に時間をかけます。
また、相続は親族間で生じるので、一連の手続きが終わった後もなるべく仲良くいられることがベストだと思っています。そのために、できうる限りのことはさせていただきます。
相続問題は、近しい間柄で起こる紛争であるために、かえって当事者同士で話合いをすることが難しい場合もあります。そういった場合は、第三者である弁護士が介入することで、主張が整理され、解決の糸口となる場合もあります。
スムーズな解決をはかるために、トラブルが起きたり、揉めそうだと感じたりしたときは、なるべく早めに相談してもらえればと思います。
専門家と連携し、遺品整理や税務、車の撤去などにも対応
弁護士に相談するメリットは何ですか。
自分や相手の主張が法的にどのような意味を持つかがわかることです。
当事者だけで話し合うと、お互いがどこかで聞きかじった知識に基づいて言いたいことをぶつけ合う、という状況が生じることがよくあります。正確な知識がないため、お互いの言い分が法的に正しいのかはっきりせず、着地点を見出せずに対立状態が続いてしまう可能性があるのです。
弁護士に相談することで、現状を整理でき、法的観点から、お互いの主張の正当性や問題の解決方法、妥当な着地点などについてアドバイスを受けられます。相続に関する正しい知識を得ることで、話し合いや手続きがスムーズに進み、無用なトラブルを避けられることが大きなメリットです。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
遺品整理業者や税理士などの専門家と密に連携し、相続問題の解決を総合的にサポートできることです。
例えば、相続した家を売却したい場合、家の中に残っている遺品を整理する必要があります。当事務所ではつながりのある遺品整理業者を紹介できる場合がありますので、ご自身で業者を探して依頼する必要はありません。また、相続税の申告など税務の手続きも、税理士をご紹介することも可能です。
専門家との連携が功を奏したケースを一つ紹介します。ある方から依頼を受けて相続の手続きを進めていたところ、マンション駐車場に被相続人名義の車が残っていることがわかりました。放置していると駐車場代が発生し続けるため、一刻も早く撤去する必要がありました。ところが、車検が切れていて公道を走れず、車を動かせなかったのです。
運輸局で仮のナンバープレートを取得すれば公道を走れるようになりますが、取得には相続人全員の同意が必要です。このケースでは連絡が取れない相続人がいたため、全員の同意を取るまでには時間がかかることが予想されました。
どうするべきか思案していると、遺品整理業者が、放置車両の撤去をおこなう業者を紹介してくれたのです。すぐに連絡を取って事情を説明し、レッカー車で車を撤去してもらいました。迅速に対応したことで無駄な駐車場代の発生を避けられ、依頼者からとても感謝されました。
専門家とのネットワークを活かして、弁護士の管轄外のことにも広く対応できる点は、当事務所の強みだと思います。
インターネットでは得られない、詳しく丁寧なアドバイスを提供します
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
悩みや不安がある方は、一人で抱え込まずに、ぜひ相談してもらえればと思います。「先生と話したら気持ちが楽になりました」と言っていただくことも多いです。
今はインターネットでも情報収集できますが、より詳しい情報や丁寧な説明を求めたい場合は、弁護士に聞くのが早いと思います。当事務所では、相続を積極的に取り扱っていますので、その知見に基づき、悩みを解決するための方法を詳しく説明します。
当事務所では、「オルタナ法律事務所」という名のとおり、従来のやり方にとらわれない提案ができるように努めています。あなたのニーズを細かく把握し、納得できる解決につながるよう親身にサポートしますので、相続でお困りの際は気軽にご相談ください。