相続弁護士 ドットコム

木下綜合法律事務所

所在地
青森県 青森市長島2-10-5 パークフロント青い森ビル7階

依頼者の感情に寄り添い、平穏な日常を取り戻す力に〜相続人多数のケースなど複雑な案件にも対応

木下 晴耕木下綜合法律事務所

青森県青森市に「木下綜合法律事務所」を構える木下晴耕弁護士は、2011年の開業以来、多数の相続案件を解決に導いてきました。自身が相続トラブルに直面した経験も活かし、依頼者の気持ちに寄り添うきめ細やかな対応を意識されています。「不安があれば、少しでも早めに相談してほしい」と話す木下弁護士。相続について弁護士に相談するメリットや、相続案件を手がける上での心構えなどを聞きました。(青森県弁護士会所属)

インタビュー

縁を感じた青森で、依頼者に寄り添った事務所を

こちらで開業された経緯を教えてください。

私は静岡県の出身なのですが、司法修習生時代に配属されたのが青森県の事務所でした。修習が終わった後も同じ事務所に5年間ほど勤務し、そのまま青森で開業したという経緯です。母が青森の出身であったため、子どもの頃からしばしば青森を訪れていました。親しみを感じていた街で開業することになり、縁を感じています。

先生の事務所について教えてください。

現在の事務所は青森市内の県庁や裁判所に近い場所にあります。バス停も目の前ですので、公共交通機関を使って来所される場合にも便利な場所です。

依頼者の中には「弁護士事務所に行く」ということに人の目を気にされる方もいらっしゃいます。当事務所はさまざまなテナントが入っている集合ビルの中に構えていますので、そういった方でも来所しやすいと思います。またビルの7階ですので眺めも良く、不安や悩みを抱えている方の気持ちを少しでも晴れやかにできるのではないかと思っています。

小さなお子さん連れの方にも気兼ねなく来ていただきたいので、相談室の一角にキッズスペースを設けています。ジョイントマットを敷いて絵本やおもちゃなどを準備した、ちょっとしたものではありますが、ご活用いただければ嬉しいです。実際に「子どもを連れて行っても良いですか」という問い合わせもしばしばあり、ぜひどうぞとお伝えしています。

開業以来、様々な相談に対応。相続人が50人、100人にのぼるケースも

先生の事務所ならではの強みは、どのようなことでしょうか。

相続案件と一口に言っても、その内容はさまざまです。当事務所は開業して今年(2024年)で13年になります。この間、多くの相続案件を扱ってきました。過去には、ニッチな法律が絡むものや、古い戸籍謄本を読み取らなければいけないもの、また、いわゆる難事例と呼ばれるものも手がけてきました。さまざまな経験をすることでノウハウも蓄積され、勘所もつかめるようになってきました。

相続についてどのような相談がありますか。

段階に応じてさまざまな相談があります。被相続人が亡くなった直後でこれからどうしたらいいかという相談や、既に親族間で話し合いを始めたものの揉めてしまい、にっちもさっちも行かなくなってしまったという相談などです。ご自身で調停を申し立てて、相手方とやりとりをしている最中の方からの相談もあります。

中には相続人の数が50人、100人とかなり多い案件もあります。被相続人が亡くなられてから時間が経っていると、相続人となる子どもや孫も既に亡くなっていることがあるからです。そうなると数次相続といってさらに次の相続が発生し、相続人が次々と広がっていくこともあり得ます。

また、相続はしばしば法改正が行われるため、被相続人が亡くなってから時間が経っていると手続きがより複雑化することも少なくありません。

先生の事務所では、解決にあたってどのような方針をお持ちですか。

相続人の数が5人程度で、比較的少ない場合であれば、話し合いにより全員の合意を目指すこともあります。しかし先ほど話したような、相続人の数が多いケースでは、話し合いで全員の合意を得ることが難しい場合が多いです。

人数が多くなれば、遠方に住んでいる人や面識がなく会ったことがない人、名前すら知らなかった人とやり取りをする場合もあります。もちろん話し合いでまとまる可能性もありますが、先方の意向もわからないような状況であれば、早い段階から調停を活用することも多いです。調停を申し立てて、裁判所を介して話し合うことで、結果的に早期解決につながるケースもあります。

相続案件を手がける際に気を付けていることを教えてください。

初回の相談では、「そもそも誰が相続人なのか」といった基本的なことから丁寧に説明するように心がけています。相続によって親族と対立している状況は、依頼者にとって本当にストレスだと思います。心のモヤモヤが少しでも軽くなるよう、法律的なことはきちんとご理解いただき、納得した上で話を進めていきたいと考えています。

中には、話している途中で感情があふれ、涙を流される方もいらっしゃいます。正直、弁護士になりたての頃はどう対応していいかわからず、動揺したり戸惑ったりしていました。しかし、あるとき、当時勤めていた事務所の先輩から「弁護士の前で涙を流すというのは、それだけ信頼されている証だ」と言われ、目から鱗が落ちたような感覚になったんです。それ以来、依頼者の感情があふれたときは、より丁寧なフォローを意識するようになりました。

自分の権利を守るために、専門家の目を活用してほしい

初回相談の際の持ち物などについて教えてください。

相談の内容にもよりますが、絶対に持ってきていただきたい、というものは特にありません。「何かの書類を準備しなければ相談に行ってはいけないのでは」と考えずに、まずは手ぶらでもかまいませんので、早めに相談にお越しいただくのが良いと思います。

もし、既に戸籍を取られていたり、手書きでも親族関係図を作られていたりする場合はお持ちいただくと良いかと思います。通帳や遺産のリストなどもお手元にあれば、可能な範囲でお持ちいただければありがたいです。

また、多くの方が弁護士に相談する際に不安に思うことの一つが、費用だと思います。当事務所では、ホームページに初回相談の料金や各種着手金の目安を記載していますので、相談前にご確認いただくことができます。

早めに弁護士に相談することのメリットとは、どのようなことでしょうか。

相続の手続きを、ご自身にとって不利益のないように進められているかのチェックができることだと思います。

相続の案件でよくあるトラブルのひとつが「声の大きな相続人の意見や希望に流されてしまう」ことです。主張の強い相続人が一方的に話を進めて、気が付けば他の相続人はよくわからない書類に捺印するように迫られていた、といったことがよくあります。

実際に受けた相談で、遺産の内容を全く知らされていないにもかかわらず、ある日突然「遺産はすべて〇〇(手紙の送り主)が相続する」という内容の協議書の案が送られてきて捺印を求められた、というものがありました。

遺産を誰か1人に集中させるのであれば、協議書には、「その分、他の相続人に代償金をいくら支払う」といった条件を盛り込むべきです。しかしそのような記載はありませんでした。さらに、よく話を聞くと、相手は近い間柄の相続人ではなく、全く会ったこともない相続人だというのです。

協議書の内容や相手方との関係を鑑みると、捺印をするのはリスキーです。その方には、「あなたにとって不利な内容になっているので、捺印はしない方がいい」というアドバイスをしました。

内容に納得して捺印するなら良いですが、よく確認せずに相手の求めに応じるのは避けた方がいいでしょう。ご自身では気づかなくても、弁護士が確認してみると非常に不利な内容になっていたりする場合もあります。よくわからないまま自分の権利を失って後悔することになりかねませんので、少しでも不安に思うことがあれば、ぜひ早めに弁護士にご相談いただきたいです。

平穏な生活を取り戻すために、早めに相談を

相続トラブルを抱え、悩んでいる方々にメッセージをお願いします。

実は私自身も、弁護士の仕事を始めた後に相続人となった経験があります。長く連絡を取っていなかった親類から、随分前に亡くなった親戚の遺産のことで、ある日突然攻撃的な連絡が来たのです。

相続でトラブルがあると親族関係が悪化しやすいことは以前からわかっていたものの、「人は疑心暗鬼になると攻撃的になる」ということを身をもって感じました。また、やりとりの大変さも実感しました。そういった自分自身の経験からも、やはり、法律の知識がある人間が交通整理をすることの必要性を感じましたね。

ですので、もしも相続に関する不安やトラブルがあれば、ひとりで抱え込まずに早く専門家に相談した方が良いと思います。ストレスや心配事があると、普段の生活にも影を落としてマイナスな気持ちになります。専門家に相談することが解決への近道になりますし、不安や心配事を話すだけでも心が軽くなるはずです。

1日も早く平穏な生活を取り戻すことができるよう、ぜひ弁護士を頼っていただければと思います。