相続弁護士 ドットコム

佐藤真吾法律事務所

弁護士キャリア約20年。弁護士過疎地域での経験も活かし、権利を実現できる社会を目指します

北海道旭川市東光で「佐藤真吾法律事務所」を経営する佐藤真吾弁護士(旭川弁護士会所属)に、遺産相続案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みなどを伺いました。佐藤先生は2005年に弁護士となり、弁護士過疎地域での経験なども通じて、個人に寄り添う弁護士として活躍してこられました。これまでのキャリアや仕事のやりがいなども詳しくお話しいただきました。

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佐藤 真吾弁護士
佐藤真吾法律事務所
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インタビュー

地域の弁護士として約20年のキャリア

これまでのキャリアについて教えてください。

北海道で生まれ、これまでずっと北海道内で暮らしてきた、いわば生粋の道産子です。
2005年に弁護士となり、弁護士法人すずらん基金法律事務所にて経験を積んだ後、2008年に稚内ひまわり基金法律事務所の初代所長に就任しました。任期が満了した2013年に佐藤真吾法律事務所を開設し、今に至ります。当事務所の弁護士は私1人ですから、初回相談から解決まで私が責任をもって対応いたします。

また、旭川弁護士会副会長と北海道弁護士会連合会理事を、それぞれ2年務めた経験もあります。

ひまわり基金法律事務所というのは、どういった事務所なのでしょうか?

弁護士が全くいない、あるいは極めて少ない「弁護士過疎地域」と呼ばれる場所でも法的サポートを受けられるように、日本弁護士連合会などの支援を受けて設置される公的な法律事務所です。全国各地に設置されており、稚内の事務所もその1つです。

泣き寝入りを強いられない、権利の「実現」ができる社会を目指して

現在の事務所を開設された経緯を教えてください。

ひまわり基金法律事務所の任期満了後は、様々な進路があります。その中で私は、稚内での知識や経験を基に、引き続き北海道の皆様のお役に立ちたいと思い、旭川に事務所を開設しました。

旭川を選んだのは、北海道各地から車でお越しいただきやすいですし、私自身が様々な場所へ行きやすいといった理由です。実際、旭川だけでなく、稚内、枝幸、中頓別、紋別、北見など、様々な地域にお住まいの方からご依頼いただいております。

どういったことを事務所の理念にされていますか?

「法的知識がないことが理由で権利が損なわれることがないように配慮する」ということは常に意識しています。法律はどんな方にも関係することですが、誰もが正しく法律を理解しているかというと、そんなことはありません。むしろ法律知識をあまりお持ちでない方の方が多いでしょう。ですから、法律知識がないことで権利が損なわれるということは十分ありえます。しかしそれでは不公平・不平等ですから、私は法律の専門家として、正しい知識をお伝えし、法律を知らないことによって不利益を被ることがないようにサポートしたいと思っています。

相談者・依頼者と接するときは、どういったことを心がけていらっしゃいますか?

佐藤真吾法律事務所_相談室

相談者・依頼者が話すことをよく聴くことは当然ですが、弁護士から適切な質問をすることも非常に重要です。私のほうから、「こういう事実はありませんか?」「こういう資料はありませんか?」といったように積極的に質問したり提案したりしています。

そうやって話をしていくうちに、相談者・依頼者自身は重要だと思っていなかった事実や、忘れていた事実がポロッと出てくることは多いです。そこで出てきた事実の中に、解決の鍵を握る重要な情報が潜んでいることもよくあります。

相談者・依頼者が一方的に話すわけでも、私が一方的に話すわけでもなく、今置かれている状況の中でどうすることが最善かを一緒に考えるようなイメージですね。

相続について、どういった相談が多く寄せられますか?

遺産分割全般です。親が亡くなったけれど何をどう進めれば良いかわからない、相続人同士で話し合ったけれど協議がまとまらない、調停を申し立てられたなど、様々な相談があります。

そもそも誰が相続人かわからない、相続人と連絡が取れない・取りたくないというケースや、どういう遺産があるのかわからないといった相談も多いです。

相談者の男女比や年代などはいかがでしょうか。

特に男性が多い・女性が多いということはありません。年代は、親の相続で来られる方が多いので必然的に50〜60代の方が多いですが、それ以外の方もいらっしゃいます。

自分では解決が難しいことは弁護士にお任せください

相続分野に注力している理由を教えてください。

相続トラブルは、誰にでも起こりうる身近な法律問題です。私は弁護士になった当初から、地域の皆様の身近な法律トラブルを扱ってきました。そして相続トラブルは法律的に難しい問題も多く含まれますから、弁護士がお役に立てる分野でもあります。

法律知識がなかったり、声の大きい相続人の言いなりになってしまったりして、一部の人の権利が損なわれることがあってはいけません。公平・公正に相続手続きを進めるためのお役に立ちたいという思いから、力を入れています。

相続案件のやりがいはどういったところでしょうか?

相続は、ただ遺産を分けるだけという単純な話ではありません。相続人の確定、遺産全体の把握、不動産などの評価や売却、生前に一部の相続人が贈与を受けていた場合や介護に尽力していた場合にどう考慮するかなど、検討すべきことや解決すべき問題は多岐に渡ります。その上、相続人同士の感情的な対立も激しくなりがちなので、そうなるとさらに問題は複雑化します。

たとえば以前取り扱った案件では、樺太戸籍の相続人がいたり、共同相続人が20名近くいるというケースもありました。そういうケースをご本人で解決するのは、現実的にかなり難しいと思います。

ご本人では解決が難しい案件について、弁護士が入ったからこそ解決でき、権利が守られたときに、大きなやりがいを感じます。

特に相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。

依頼者に丁寧に説明して納得を得ることを心がけています。

法律上、法定相続分というものが定められています。ただ、法定相続分通りに遺産を分ければ全員が納得するかというと、そうとは限りません。

たとえば相続人の中には、被相続人(亡くなられた方)と同居して身の回りの世話をしていた方や、頻繁に帰省して交流を持っていた方もいるでしょう。他方で、早々に家を出て、あまり実家に寄り付かなかった方もいれば、被相続人から金銭的な援助を受けていたような場合もあるかもしれません。

各相続人の事情を加味して、一定の場合には、寄与分や特別受益という形で法定相続分より多く相続できる場合はあります。ただそう簡単な話ではないので、やはり納得がいかない部分も出てくるわけですね。

遺言があれば、そこには被相続人の意思が示されているので、基本的にはそのとおりに分けます。ところが、遺言がなければ何かしらの基準で分けるしかなく、それが法定相続分ということになります。つまり法定相続分は、「一番望ましいもの」ではなく、「他に基準がない以上やむを得ないもの」ということを依頼者に説明して、納得を得るようにしています。

なるほど。そうなってくると、自分の意思を遺すために遺言の作成も大事になってくるわけですね。

そのとおりです。結局のところ、自分に対して誰が何をしてくれたか、誰が何をしてくれなかったかということは、被相続人にしかわかりません。それを遺言という形で遺しておけば、ご自身の意向どおりに財産を引き継いでもらえますし、相続人同士で揉めるリスクを減らすことができます。

ただし注意が必要なのは、遺言が有効と認められるためには法律上の要件を満たす必要があることです。せっかく作った遺言が無効になってしまうのは非常にもったいないですから、きちんと弁護士に相談して、間違いない形で作ることをお勧めします。

私も遺言作成の経験は多数ありますから、すでに遺言の内容が決まっている方も、どうしようか悩んでいる方も、お気軽にご相談ください。

相続案件の依頼を受けた場合、どういう方針で進めていかれるのでしょうか?

もちろんケースバイケースですが、依頼者の意思をしっかり確認して進めます。相談に来たときは怒りや悲しみの気持ちが強くて、「徹底的に闘ってください」という方もいらっしゃいます。ただ、多くの方にとって、1年、2年と長い期間トラブル状態が続くことは大きなストレスです。そのため、長い時間をかけて闘う以外の選択肢も提示し、それぞれの方法を選んだ場合の見通しをお伝えした上で最終的な方針を決めるようにしています。

とはいえ、なかなか気持ちの整理がつかない方もいらっしゃいますから、そういった場合はご自身でじっくり考えていただいたり、ご家族など信頼できる方に相談してから決めていただいたりすることも多いですよ。私から即断を迫ることはありません。

早めに相談することで早期解決できることも多いです

先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。

弁護士として20年近いキャリアになりますので、その過程で得た経験・知識・スキルは大きな強みだと自負しています。

そのキャリアを築く過程でも、非常に濃い時間を過ごして参りました。弁護士になった当初から、弁護士過疎地域への赴任を見越して、短期間で、独力で事件処理できる力量を身に付けました。赴任してからは、多種多様な相談・依頼が寄せられ、それを1人で解決してきました。若いうちから弁護士としての多くの経験を積めたことが、現在の弁護士業務の礎にもなっています。

早めに弁護士に相談するメリットと、相談が遅れることによるデメリットを教えてください。

早い段階でご相談いただければ、相続人同士の対立も激しくなっていないこともありますし、悩みの幅が狭まるといいますか、考えるべきことを絞ることができます。その結果、早期解決につながることが多いです。

たとえば理屈上はABCという3つの選択肢があった場合、弁護士に相談することで、BとCは現実的ではなく、現実的にはAが良いとわかったりします。弁護士に相談しなければ、ABCを並べて延々と協議を繰り返していた可能性もありますよね。

遅れるデメリットは、なんといっても時効など法律上の期限を過ぎてしまう危険があることです。どんなに優秀な弁護士でも時間を戻すことはできませんから、取り返しがつかない事態になる前にご相談いただきたいですね。

また、遺産分割協議書にサインしてしまった後に相談に来られても、まずやり直すことはできません。そこまでいかなくても、相続人同士で散々話し合って感情的な対立が深まった後に相談に来られると、どうしても解決に時間がかかります。ですから、依頼するかどうかはさておき、まず一度相談することをお勧めします。

先生に相談したい場合は、どのようにすれば良いでしょうか?

事務所にお電話いただくか、弁護士ドットコムのWeb問い合わせまたはHPのお問い合わせフォームから予約してください。基本的には平日9時から17時の間に事務所へお越しいただきますが、土日祝や夜間でも、可能な限り対応いたします。

相続について悩み、弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

1人で悩んでいるだけでは、その悩みがどんどん深くなることもあります。ですからまずは弁護士にご相談いただき、悩みの解決方法やご自身に認められた権利などを1つひとつ整理していき、最も納得できる解決に結びつけていければと思います。