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相続税
更新日:2026/09/02

5000万円の相続税はいくら?家族構成別の早見表で確認

監修者
高山弥生
東京都>中央区
VSG相続税理士法人
高山弥生
5000万円の相続税はいくら?家族構成別の早見表で確認
親の遺産をざっと数えたら「だいたい5,000万円くらい」——そんなとき、まず気になるのが「うちに相続税はかかるのか」「かかるならいくらか」ですよね。じつは相続税がかかるかどうかは、相続人の人数だけでほぼ判定できます。この記事では、課税されるかどうかの境目と、家族構成別に相続税額がひと目でわかる早見表を中心に、申告の要否や、遺産5,000万円で生じやすいお金と分け方の問題まで、はじめての方にもわかりやすく解説します。
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遺産5000万円に相続税がかかるかは相続人の数で決まる

相続税の基礎控除は相続人1人で3,600万円、2人で4,200万円、3人で4,800万円、4人で5,400万円となり、遺産5,000万円は相続人3人までは課税対象、4人になると基礎控除が5,000万円を上回り課税されないことを示した図

相続税には基礎控除という非課税の枠があり、遺産がこの額以下なら相続税はかからず、申告もいりません。

そして基礎控除の額は、相続人が何人いるかだけで決まります。まずは自身の家族に相続税がかかるのかを、この一点で見ていきましょう。

基礎控除は3000万円+600万円×法定相続人の数

相続税の基礎控除は、3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算します。相続人が1人増えるごとに、非課税の枠が600万円ずつ広がるしくみです。

法定相続人(ほうていそうぞくにん)とは、民法で決められた相続する権利のある人のことです。配偶者は必ず相続人になり、あわせて子ども、いなければ親、それもいなければ兄弟姉妹の順で相続人になります。

遺産の合計がこの基礎控除以下なら、相続税はかからず申告も不要です。超えた部分にだけ、相続税が計算されます。

相続人1人から4人までの課税・非課税早見表

相続人の数ごとに基礎控除を出すと、遺産5,000万円に相続税がかかるかは次のとおりです。

相続人の数

基礎控除額

遺産5,000万円は

1人

3,600万円

課税される

2人

4,200万円

課税される

3人

4,800万円

課税される

4人

5,400万円

課税されない

ポイントは、相続人が4人いれば基礎控除が5,400万円になり、遺産5,000万円には相続税がかからないことです。たとえば配偶者と子ども3人なら、この4人にあたります。

相続人が3人までなら基礎控除は5,000万円に届かず、超えた部分に相続税がかかります。自身のケースで相続人が何人かを、まず数えてみましょう

なお、相続放棄をした人がいても、基礎控除の計算に使う人数は放棄がなかったものとして数えます。放棄で相続人が減っても、非課税の枠は変わりません。

判定に使う5000万円は正味の遺産額

基礎控除と比べる「遺産5,000万円」は、プラスの財産から借金や葬式費用を引いた正味の額です。預貯金や自宅の評価額を足し、そこから差し引くものを引いて出します。

注意したいのは、子や孫の名義でも、実際は被相続人が管理していた預金(名義預金)は遺産に含める点です。名義を分けただけでは子や孫の財産にはならず、税務調査でも指摘されやすいところです。

また、自宅の土地は「時価」ではなく相続税評価額で数えます。売買価格より低くなるのが一般的で、その分だけ遺産額もおさえられます。

相続財産に何が含まれ、どう調べるかは、次の記事でくわしく解説しています。

家族構成別に見る遺産5000万円の相続税額

遺産5,000万円を法定相続分で分けた場合の相続税の合計は、配偶者と子1人で40万円、配偶者と子2人で10万円、配偶者と子3人で0円、子だけ1人で160万円、子だけ2人で80万円、子だけ3人で20万円、配偶者だけで0円となることを示した早見表の図

相続税がかかる場合、実際にいくらになるのかを家族構成別に見てみましょう。次の早見表は、遺産5,000万円を法定相続分どおりに分けた場合の相続税の合計です(配偶者は税額軽減を適用したあとの金額)。

家族構成

相続税の合計

概要

配偶者と子1人

40万円

配偶者の分は0円

配偶者と子2人

10万円

人数が増えて軽くなる

配偶者と子3人

0円

基礎控除5,400万円で非課税

子だけ1人

160万円

配偶者がいないと重い

子だけ2人

80万円

2人で分けて軽くなる

子だけ3人

20万円

3人でさらに軽くなる

配偶者だけ

0円

税額軽減で0円

配偶者と子どもが相続する場合

配偶者と子どもが相続する場合、相続税はかなり軽くなります。配偶者と子1人なら40万円、子2人なら10万円、子3人なら0円です。

軽くなる理由は2つあります。1つは、配偶者が取得した分は「配偶者の税額軽減」でほぼ0円になること。もう1つは、相続人が増えるほど基礎控除が大きくなることです。

配偶者と子3人だと相続人は4人になり、基礎控除5,400万円が遺産5,000万円を上回るため、相続税は0円になります。

子どもだけが相続する場合

配偶者がすでに亡くなっているなどで子どもだけが相続する場合は、子1人で160万円、2人で80万円、3人で20万円です。

配偶者がいるケースより税額が重いのは、配偶者の税額軽減が使えないからです。同じ遺産5,000万円でも、誰が相続人かで負担が大きく変わります。

人数が増えると軽くなるのは、基礎控除が広がるうえ、相続税が一人ひとりの取得額に分けて計算され、低い税率が使われやすくなるためです。

配偶者と親、配偶者と兄弟姉妹が相続する場合

子どもがいないと、配偶者は親、または兄弟姉妹と一緒に相続します。この場合も、配偶者が取得した分は税額軽減でほぼ0円になり、残りの親や兄弟姉妹が取得した分に少額の相続税がかかります。

ただし兄弟姉妹が相続すると、その人の相続税は2割加算される点に注意が必要です(くわしくは後述します)。同じ遺産額でも、相続人が親か兄弟姉妹かで負担が変わります。

配偶者だけが相続する場合

配偶者だけが相続する場合、相続税は0円です。配偶者の税額軽減により、1億6,000万円まで(または法定相続分まで)は相続税がかからないためです。

ただし、目先が0円でも安心とは限りません。配偶者もいずれ亡くなり、その財産を子が相続するときには軽減が使えないため、子の代でまとめて相続税がかかることがあります。これを二次相続の問題といいます。

早見表と同じ税額にならないことがある

早見表はあくまで目安です。実際の税額は、誰がどれだけ取得するか、どんな特例を使うかで変わります。表と同じにならない主な理由を見ておきましょう。

誰がどれだけ取得するかで各自の負担が変わる

相続税の総額は法定相続分をもとに計算しますが、実際に納める額は、各自が取得した割合で分けます。多く受け取った人ほど、負担する相続税も多くなります。

たとえば同じ相続でも、配偶者が全部取得すれば税額軽減でほぼ0円、子が全部取得すればその子に相続税がかかります。分け方を決めることが、税額を決めることでもあるのです。

配偶者が取得した分は税額軽減で0円になる

父の相続で母が財産を全部取得すると配偶者の税額軽減で相続税は0円になるが、その母が亡くなる二次相続では配偶者の税額軽減が使えず、子が相続税を負担することになる二次相続の仕組みを示した図

配偶者の税額軽減は、配偶者が取得した遺産のうち1億6,000万円、または配偶者の法定相続分の多いほうまで相続税をかけない制度です。遺産5,000万円なら配偶者の分は0円になります。

ただし前に触れたとおり、配偶者に寄せすぎると二次相続で子の負担が増えることがあります。目先の0円だけで決めず、次の相続まで見て分け方を考えるのが安全です。

なお、この軽減を使って税額が0円になる場合でも、相続税の申告は必要です。「0円だから申告不要」と考えないよう注意しましょう。

自宅の土地は小規模宅地等の特例で評価が下がる

被相続人の自宅の土地は、小規模宅地等の特例を使えると、330㎡までの評価額を80%減らせます。5,000万円の自宅の土地でも、条件を満たせば1,000万円ほどで評価できることになります。

この特例を使うには、配偶者や同居していた親族が相続するなどの要件を満たし、申告期限までに遺産分割を終えて申告する必要があります。使えば税額が0円になる場合も、申告は必要です。

自宅の土地をいくらで評価するのか、その調べ方はこちらの記事で確認できます。

孫や兄弟姉妹が相続すると税額が2割増える

配偶者・子・親以外の人が相続すると、その人の相続税は2割加算されます。兄弟姉妹や、代襲相続人でない孫などが当てはまります。

たとえば遺言で孫に多く残したり、相続人がいなくて兄弟姉妹が相続したりすると、税額が1.2倍になります。ただし、親より先に亡くなった子の代わりに相続する孫(代襲相続人)は、2割加算の対象外です。

遺産5000万円で相続税の申告が必要になるとき

相続税は、自身で申告して納める税金です。どんなときに申告が必要になるのか、期限とあわせて確認しましょう。

税額が出るなら10か月以内に申告して納める

相続税がかかる場合、申告と納付の期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です。被相続人の住所地を管轄する税務署へ申告します。

納付は原則として現金で一括です。相続財産に預貯金が少なく自宅が中心だと、この納税資金の準備が課題になりやすいので、早めに見込みを立てておきましょう。

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税額が0円でも申告しないと使えない特例がある

見落としやすいのが、計算結果が0円でも申告が必要なケースです。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、申告してはじめて使える制度だからです。

一方、基礎控除以下でそもそも相続税がかからない場合は、申告も納付も不要です。

期限に間に合わないとどうなるか

期限までに申告・納付をしないと、本来の相続税に加えて無申告加算税・延滞税などがかかります。悪質と判断されれば重加算税が上乗せされることもあります。

さらに困るのが、分け方が決まらず未分割のまま期限が来ると、配偶者の税額軽減も小規模宅地等の特例も使えないことです。いったん軽減なしの高い税額で申告・納税することになります。

この場合、「申告期限後3年以内の分割見込書」を出しておけば、後日分割がまとまったときに軽減を受け直せます。とはいえ、期限内に分け方を決めておくのが一番です。

遺産5000万円の相続で生じやすいトラブル

遺産5,000万円の相続は、税額そのものより「分け方」と「納税資金」で詰まりやすいのが実情です。自宅が財産の大半を占めるケースで、とくに問題が生じます。

遺産の大半が自宅で分けられない

遺産5,000万円の中身が「自宅4,000万円+預貯金1,000万円」のように自宅に偏っていると、きれいに分けるのが難しくなります。現金なら等分できても、家は物理的に割れません。

自宅に住み続けたい相続人と、その分の代わりに現金がほしい相続人とで、取り分をめぐって対立しやすいのがこのパターンです。分け方には現物分割・代償分割・換価分割・共有などの方法があります。

自宅など不動産をどう分けるかには複数の方法があり、その流れはこちらでまとめています。

相続税を現金で一括して払えない

相続税は現金一括が原則のため、自宅中心で預貯金が少ないと、納税資金が足りなくなることがあります。相続したのは家なのに、税金は現金で求められるという、ちぐはぐな状況です。

どうしても一括で払えないときは、分割で納める延納や、現物で納める物納が認められる場合があります。ただしいずれも税務署の許可が必要で、担保の提供など条件があるため、当てにしすぎるのは禁物です。

家を売って納税資金にあてる、生命保険金を活用する、といった備えも含めて、早めに資金の見通しを立てておきましょう。

分け方が決まらないまま申告期限が来る

分け方でもめている間にも、申告期限の10か月は進みます。前に触れたとおり、未分割のままだと配偶者の税額軽減も小規模宅地等の特例も使えず、税額がふくらみます。

「話し合いがまとまらないから申告もしない」は最も避けたい対応です。期限に間に合わないと、加算税・延滞税の負担が発生します。

共有名義にして次の相続でさらにもめる

分けられないからと、とりあえず自宅を相続人全員の共有名義にするのは、先送りにすぎません。売却も建て替えも共有者全員の同意が必要になり、身動きが取りにくくなります。

しかも共有者の誰かが亡くなると持分がその相続人に引き継がれ、世代が進むほど共有者が増えて権利関係が複雑になります。次の相続でさらにもめる火種を残すことになりかねません。

実際に、弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」にも、「亡くなった父の遺産が自宅の土地建物と、遠方にある共有名義の実家しかなく、共有者とも連絡が取れずに困っている」という相談が寄せられています。共有のまま放置すると、このように解きほぐしが難しくなります。

Q
遠隔地の土地のみ相続したくないは、可能ですか?
相談者の疑問
亡くなった父の土地の相続について相談です。 父は生前、三人兄弟で実家を三人共有名義で相続しました。 亡くなり残った家族は母、私と弟の三人です。 残された財産は今住んでいる土地建物と先述の父の実家です。 ただ、実家は遠隔地の為、私達家族の誰も継ぎたく無い状態です。 当時父の兄弟であった二人も連絡が取れず困っています。 都合の良い話ですが、遠隔地である父実家だけ相続せず、今住んでいる土地建物のみを相続するという事は可能なのでしょうか?
弁護士の回答
新保 英毅 弁護士
相続財産の一部だけ放棄するということはできません。 相続する者のうち誰か(単独でも共有でも可)が本件実家の父の共有持分を承継する必要があります。 例えば、➀母が実家を相続し、相談者と弟が他の財産を相続する、➁その上で、母が父の兄弟を相手取って共有物分割請求をし、その際、相手方が行方不明であれば不在者財産管理人の選任申立をし、最終的には売却代金を分配してもらう、という方針も考えられます。 一度、お近くの弁護士に相談されるといいでしょう。
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相続税がかかりそうだとわかったらやること

遺産5,000万円で相続税がかかりそうだとわかったら、期限から逆算して早めに動くのが肝心です。やるべきことを順に見ていきましょう。

財産と相続人を早めに確定させる

まずは財産の全体像と相続人の確定です。預貯金・不動産・保険・借金を洗い出し、戸籍で相続人が誰かをはっきりさせます。

この2つが決まらないと、税額の見積もりも分け方の話し合いも進みません。名義預金など見落としがちな財産もあるため、早めに着手して10か月の期限に余裕を持たせましょう

申告期限から逆算して分け方を決める

相続税の申告期限は10か月です。特例を使うには期限までに分割を終える必要があるため、逆算して数か月前には分け方の合意を目指します

自宅が中心で分けにくいケースほど、話し合いは早めに始めるのが得策です。感情的な対立が深まる前に、代償金や売却も含めた現実的な選択肢をテーブルに乗せましょう。

弁護士と税理士のどちらに相談するか

相談先は、税額の計算・申告は税理士、分け方の交渉やもめごとは弁護士と役割で分かれます。相続税の試算や特例の適用、申告書の作成は税理士の仕事です。

一方、自宅の分け方でもめている、他の相続人が話し合いに応じない、代償金でそろわないといった場面は弁護士が対応します。税額の問題と分け方の問題が両方あるときは、両者が連携して進めることもあります。

よくある質問

遺産が5000万円くらいかどうかはどうやって調べる?

預貯金は残高証明書、自宅の土地は路線価などから相続税評価額を出し、保険や株式も加えて合計します。そこから借金や葬式費用を引いた正味の額で判断します。

このとき、子や孫の名義でも被相続人が管理していた預金は含める必要があります。財産の範囲や調べ方は、先に紹介した相続財産の記事も参考になります。

借金や葬儀費用は5000万円から差し引ける?

引けます。被相続人の借金などの債務と、葬式費用は、遺産から差し引いて相続税を計算できます。その分、課税対象がおさえられます。

ただし、香典返しの費用や、初七日・四十九日などの法要費用は葬式費用に含められません。差し引けるものとそうでないものがあるため、領収書は残しておきましょう。

相続税を一括で払えないときは分割にできる?

現金一括が難しい場合、分割で納める延納が認められることがあります。それでも難しければ、不動産などで納める物納が例外的に使えます。

いずれも税務署への申請と許可が必要で、担保の提供などの条件があります。利子税もかかるため、まずは資金を用意できないか、専門家と一緒に検討するのがよいでしょう。

まとめ

遺産5,000万円に相続税がかかるかは、相続人の数で決まります。相続人が4人(基礎控除5,400万円)なら課税されず、3人までは超えた分に課税されます。

税額は家族構成で大きく変わり、配偶者がいれば税額軽減でぐっと軽くなります。ただし配偶者に寄せすぎると二次相続で子の負担が増える点には注意が必要です。

遺産5,000万円は、税額より「分割が決まらない」で詰まりがちです。早めの準備が肝心です。

相続税の試算や特例の適用、申告は複雑で、判断を誤ると余計な税金がかかります。まずは一度、税理士への相談で、自身のケースで相続税がいくらになるか、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が使えるかを確認しておきましょう。分け方でもめそうなときは、あわせて弁護士に相談すると安心です。

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高山弥生
東京都>中央区
VSG相続税理士法人
高山弥生(東京地方税理士会所属)
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