遺産分割で認知症を原因とした生前贈与を無効にしアパートと賃料を遺産に持ち戻した事例
相談の背景

40代
遺産の種類不動産(土地・建物)
父が亡くなり兄弟5名での遺産分割が始まりましたが、兄弟の1人が生前に父からアパートの贈与を受けていたことが判明しました。相手方はそのアパートと生前中の賃料は遺産分割の対象外だと主張。しかし贈与当時、父は明らかに重度の認知症であり、有効な贈与はありえない状況でした。不当な財産移転を前提とした分割協議に納得できず、正当な遺産配分を求めて当事務所へ相談に来られました。
事務所の対応
まずは交渉を試みましたが、相手方が贈与の有効性を強く主張し決裂したため、贈与無効を求める訴訟を提起しました。過去の認知症を証明することは容易ではありませんが、当時の明確な診断書がない中で、父の判断能力の欠如を裏付ける可能性のある周辺資料や医療記録の収集に注力。立証活動を徹底した結果、贈与時に父が重度の認知症であり、贈与意思が認められないことを裁判所に認めさせることに成功しました。
相談後の結果
裁判所により生前贈与が無効であるとの判決が下されました。これによりアパートおよび生前中の賃料収入をすべて遺産として持ち戻すことが可能となり、これらを加えた正当な範囲での遺産分割協議を行う道が開かれ、依頼者の納得いく解決に至りました。
解決のポイント
認知症を利用した不当な財産取得は許されません。客観的な証拠が乏しい事案でも、多角的な資料収集により重度の認知症であったと裁判所に判断させたことが鍵です。経験豊富な弁護士が介入し、緻密な立証を行うことで、一度失われた遺産を取り戻すことが可能になります。
解決した事務所