【遺言】認知症の父が作成した遺言の無効を訴訟で主張し、当初の遺言内容を実現した事例
相談の背景

70代以上 | 男性
遺産の種類不動産(土地・建物)、現金・預貯金
長年お父様の介護をされてきた依頼者様。お父様もその貢献に感謝し、不動産等の主な遺産を依頼者様に相続させる公正証書遺言を作成していました。しかし、お父様が認知症を患った後、他の兄弟が依頼者様の不在時に父を連れ出し、内容の異なる新たな公正証書遺言を作成。後の遺言が優先されると知り、納得できずご相談に来られました。
事務所の対応
ご依頼を受け、後から作成された公正証書遺言は、お父様の意思能力がない状態で作成されたもので無効であると主張し、遺言の無効確認訴訟を提起しました。当時の主治医への聞き取りやカルテ等の医療記録を収集・精査し、遺言作成時のお父様には正常な判断能力がなかったことを証明するため、法廷で詳細に立証活動を行いました。
相談後の結果
裁判所は当方の主張を認め、後の遺言は無効であるとの心証を開示しました。その心証に基づき、当初の遺言が有効であることを前提とした和解案が提示されました。最終的に、依頼者様は他の兄弟に遺留分相当額を支払う内容で和解が成立し、不動産を含む主な遺産を守ることができました。
解決のポイント
公証人が関与する公正証書遺言は証明力が高く、その無効を認めてもらうのは容易ではありません。本件では、主治医の協力や医療記録といった客観的な証拠を丹念に集め、ご本人の意思能力が欠如していたことを具体的に立証できた点が、当初の遺言内容の実現に繋がりました。
解決した事務所
西法律事務所解決事例| 住所 | 神奈川県厚木市中町4-16-18 ヤギビル4階 |
| 最寄駅 | 本厚木駅 |
| 対応地域 | 神奈川県 |
| 営業時間 | 平日 9:30〜19:00 |