

相続手続きを弁護士に依頼するメリットは、複数あります。滞りなく適切な形で相続手続きを完了したい方は、弁護士への依頼を検討しましょう。
弁護士は相続手続きに関する専門的な知識と豊富な経験を持っています。状況に応じて必要な手続きを漏れなく計画的に行ってもらえるため、スムーズに相続手続きを完了できます。
相続手続きの中には、期限の決まっているものもあります。弁護士に依頼すれば、適切な順序で進めてくれます。
相続手続きにおいて必要な対応は、相続人調査や財産調査、遺産分割協議書の作成、相続登記など多岐にわたります。手続きごとに自分で戸籍謄本を集めたり書類を作成したりするのは大変な作業です。
弁護士には大半の相続手続きを依頼できるため、手間が大幅に省けます。
民法のルールに沿って、相続分や遺留分を適正に確保するため、さまざまな方法を用いて対応してもらえます。依頼者の希望に沿った形で相続ができるよう、弁護士が代わりに交渉や調停をします。
遺産分割などで身勝手な主張をする相続人がいる場合も、弁護士が法律に基づいた主張や反論をおこない、依頼者の利益を最大限実現していきます。
相続トラブルの解決を依頼できる専門家は、弁護士のみです。
弁護士法は、一部の例外を除いて、弁護士以外が報酬を得る目的で法律事務を行うことなどを「非弁行為」として禁じています。
遺産分割や遺留分に関するトラブルが生じた際には、弁護士に依頼しましょう。
親族間で感情的な対立が激しい場合には、意見がまとまらずに、トラブルが長期化することもあります。また、相続人同士が疎遠な場合には、相続について連絡しづらいこともあるでしょう。
弁護士に交渉を任せれば、親族と直接やりとりする必要がなくなるので、心理的な負担も減らすことができます。
相続人が多い場合も、弁護士に任せることをおすすめします。
依頼する弁護士を選ぶ際は、実際に相談をしてみて、相性の良し悪しをはかることが重要です。費用の安さだけに注目するのではなく、話しやすさや経験値、事務所へのアクセスのしやすさなどを総合的に考慮して選びましょう。
初回は無料で相談できる場合もあるので、気になる弁護士が見つかったら、事務所に問い合わせてみるとよいでしょう。
相談したからといって、必ずその弁護士に依頼しなければならないわけではありません。何人かの弁護士に相談して、それぞれの方針や実績、人柄、費用などを比較しながら、「安心して依頼できそうだ」と思える弁護士を探してみてください。
以下では、相続や遺産分割を依頼する際の弁護士の選び方のポイントを解説します。
まず、選ぶ弁護士が相続問題に詳しいか確認しましょう。相続に関する実績や知識があるかどうかは、ホームページやポータルサイトに記載された解決事例を見ることで確認できます。
「相続弁護士ドットコム」では、相続問題に注力している法律事務所だけを掲載しています。また、弁護士に独自のインタビューをおこない、相続でよくある相談や解決までの流れについて聞いています。
相続トラブルの解決実績があり、専門性を有している弁護士を選ぶようにしましょう。
相続問題を解決するには、あなたの状況や希望を弁護士に深く理解してもらうことが大切です。すぐに話を遮って結論を出そうとしたり、真剣に耳を傾けてくれなかったりする弁護士は避けたほうがよいでしょう。あなたの話をよく聞いてくれる弁護士を選びましょう。
話を聞くだけでなく、その他のコミュニケーションがスムーズかも確認しましょう。電話やメールの対応のよさや、連絡を取りたい時に連絡を取りやすいと感じるかがポイントです。
相続に関する弁護士費用は、依頼先の弁護士によって異なります。
弁護士費用について納得のいく説明をしてくれる弁護士を選びましょう。料金体系や内訳がわかりやすく、追加費用の可能性も事前に説明がある弁護士がよいでしょう。予期せぬ高額な請求を避けるためにも、不明点については率直に質問するようにしましょう。
依頼内容が同じでも、弁護士によって費用が大きく異なるケースも珍しくありません。依頼先の弁護士を選ぶ際には、複数の弁護士に相見積もりを出してもらい比較するのがよいでしょう。
ただ、弁護士費用が安ければ安いほどよいわけではありません。相続に関する経験や実績、対応の丁寧さなどとあわせて検討し、一番信頼できる弁護士を見極めて依頼しましょう。
弁護士を選ぶ段階では、複数の弁護士に相談することをおすすめします。異なる弁護士のアドバイスを聞くことで、自分のニーズに合った弁護士を選びやすくなります。
相続手続きの弁護士費用は、相続人のうち誰かが負担することになります。
実際に誰が弁護士費用を負担するかは、弁護士との契約や相続人間での取り決めによって異なるので、一概に言えません。
一般的には、単独の判断で弁護士に依頼した場合はその人が、相続人全員で弁護士への依頼を決めた場合は相続人全員が負担するケースが多いでしょう。
これに対して、遺言書の作成など生前の相続対策の弁護士費用は、被相続人となる人が負担するのが一般的です。
相続に関する弁護士費用の金額は、依頼先の弁護士によって異なります。主な弁護士費用の目安額を紹介しますが、あくまでも目安額ですので、実際の費用は弁護士へ個別にご確認ください。
| 費目 | 目安額 | 
|---|---|
| 遺産分割・遺留分侵害額請求(着手金) | 経済的利益の額に応じて以下の金額(税込) | 
| 遺産分割・遺留分侵害額請求(報酬金) | 経済的利益の額に応じて以下の金額(税込) | 
| 遺言書の作成 | 11万円~22万円(税込) | 
| 相続放棄の代理 | 相続人1人当たり5万5,000円~11万円程度(税込) | 
相続について相談・依頼できる専門家には、弁護士以外に税理士や司法書士などがあります。
弁護士と税理士・司法書士では、相続について対応できる業務の内容が異なります。各専門家の主な対応業務は、以下のとおりです。
| 相続に関する相談先 | 主な対応業務 | 
|---|---|
| 弁護士 | ・遺産分割協議、調停、審判 | 
| 税理士 | ・相続税の申告 | 
| 司法書士 | ・不動産の相続登記 | 
弁護士の大きな特徴は、相続トラブルの解決(遺産分割協議・調停・審判や遺留分侵害額請求など)を取り扱うことができる点です。
税理士や司法書士は取り扱うことができないので、相続トラブルが発生した際には、弁護士への依頼が必須となります。
税理士には、相続に関する税務申告や生前の相続税対策について依頼できます。司法書士には、相続登記の手続きが必要となる場合に依頼するケースが多いです。
弁護士に相談すれば、税理士や司法書士の紹介を受けることもできます。対応業務が幅広く、税理士や司法書士との連携もある弁護士に依頼すれば、あらゆる相続手続きについてワンストップで相談できるので便利です。
相続に関しては、他の相続人などが依頼した弁護士から連絡を受けるケースも想定されます。特に遺産分割や遺留分に関してトラブルが発生した場合は、弁護士が介入するケースが多いです。
弁護士は依頼者のために行動するので、すべての相続人に対して中立的な立場ではありません。相手方の弁護士の言いなりになっていては、相続に関する権利が損なわれてしまうおそれがあります。
そのため、相続について弁護士から連絡を受けた場合は、ご自身も弁護士に相談してアドバイスを求めましょう。正式に依頼して弁護士を代理人とすれば、ご自身の正当な権利を適切に主張できるほか、相続トラブルへの対応のストレスが軽減されます。
弁護士は、幅広い相続手続きをサポートしています。 特に遺産分割や遺留分に関するトラブルについて、解決に向けた対応を依頼できる専門家は弁護士のみです。税理士や司法書士と連携している弁護士に相談すれば、あらゆる相続手続きについてワンストップで相談できます。
相続手続きをスムーズに完了するためには、弁護士のサポートが大いに役立ちます。相続に関する悩みや疑問がある方は、弁護士に相談してアドバイスを求めましょう。