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遺留分
更新日:2026/10/20

兄弟姉妹に遺留分はある?遺言書に納得できないときの対処法

監修者
小室光子
北海道>旭川市
こむろ法律事務所
小室光子
兄弟姉妹に遺留分はある?遺言書に納得できないときの対処法
遺言でご自身の取り分がゼロと知り、納得できずにいませんか。兄弟姉妹と甥・姪には遺留分がありませんが、遺言書の無効を主張するなど、遺産を受け取れる道が残ることもあります。弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」に寄せられた兄弟姉妹の遺留分の相談58件もふまえ、対処法と注意点を解説します。
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兄弟姉妹に遺留分はない

被相続人の配偶者・子・孫・直系尊属などが相続人となる場合は「遺留分」が認められますが、被相続人の兄弟姉妹には遺留分が認められていません。

遺留分が認められる人・認められない人(家系図)

遺留分とは

「遺留分」とは、相続などによって取得できる財産の最低保障額です(民法1042条1項)。 被相続人は原則として、生前贈与や遺言書により自由に財産を処分できます。しかし、あまりにも偏った財産の配分が行われると、相続人の相続に対する期待が害されてしまいます。

そこで、被相続人の配偶者・子(およびその代襲相続人)・直系尊属には遺留分が認められ、相続に対する期待が一定の限度で保護されています。

遺留分を下回る財産しか取得できなかった人は、財産を多く取得した人に対して遺留分侵害額請求(民法1046条1項)を行い、不足額に相当する金銭の支払いを受けられます。

配偶者や子など、遺留分がある人の割合は、ケース別の早見表で確認できます。

兄弟姉妹に遺留分が認められていない理由

しかし、被相続人の兄弟姉妹には、遺留分が認められていません。その理由については諸説ありますが、主に以下の理由が背景にあると考えられます。

  • 兄弟姉妹は相続順位が低いため
    兄弟姉妹の相続順位は、子・直系尊属に次いで第3順位です。上位の相続人に比べて、相続に対する期待を保護する必要性が低いことが、遺留分が認められていない理由の一つと考えられます。
  • 兄弟姉妹は経済的に自立していることが多いため
    兄弟姉妹は、被相続人とは独立の生計を営むケースが大半であるため、遺留分によって生活保障を行う必要性が低いといえます。
  • 代襲相続で甥・姪に遺留分を認めるのは不適当であるため
    兄弟姉妹が死亡等により相続権を失った場合は、甥・姪が代襲相続人となります。この場合、仮に兄弟姉妹に遺留分が認められると、代襲相続人である甥・姪も遺留分を得ることになります。

しかし、一般に、甥・姪が被相続人と非常に近しい関係にあるケースは少ないです。

甥・姪に遺留分を認めてまで、被相続人の意思で行われた贈与・遺贈を覆すのは不適当であるため、さかのぼって兄弟姉妹に遺留分を認めるべきではないとの考え方があります。

兄弟姉妹を代襲相続する甥・姪にも、遺留分は認められない

弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」には、「独身の叔母が公正証書遺言でほかの姪たちに財産を遺し、自分の名前は書かれていなかった。姪として遺留分を請求できるか」という相談が寄せられています。

Q
独身の叔母死後の遺産相続の「遺言公正証書」の効力について。遺留分減殺請求はできますか?
相談者の疑問
父方の叔母が亡くなりました。叔母は生涯独身で、親兄弟は既に死別しています。 遺産相続の対象者としては、私を含む姪が3名、甥が1人います。 私が14歳まで同居していた叔母が引っ越して以来、私は叔母に会っていませんでした。 老後は姪のXが身元引受人となり、施設に入居していたそうです。 この度、2019年1月に叔母が亡くなり、ある金融機関の相続相談課より3月5日付で「遺言公正証書」が郵送されてきました。 そこには姪のXが持ち家を相続すること。 金融資産は姪のXが6割、Yが2割、甥のZが2割相続と記されており、私への相続については記載されていませんでした。 私は26年前より外国に居住しておりますが、永住権保持者ですので日本国籍です。 先生方に3つ質問がございます。 1.叔母の金融資産を私を含めた4人の姪と甥で相続する場合、私は叔母の金融資産のどのくらいの割合を相続できるのでしょうか? 2.上記が遺留分減殺請求に当たる場合、一年以内に受遺者や受贈者に対してその侵害額を請求する必要があるということでしょうか? 3.遺留分を申し立ては、相手方(受遺者または受贈者)内容証明郵便等により意思表示を行い、応じてもらえない場合は、家庭裁判所で話し合う「調停」、それでも応じてもらえない場合には、裁判を起こす「訴訟」という方法をとる必要があるのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、お答え頂けますと幸いです。 よろしくお願いいたします。
弁護士の回答
守谷 自由 弁護士
民法1028条から遺留分の権利が兄弟姉妹に認められておりません。叔母の兄妹であるお父様が亡くなられていて代襲相続となる場合は相談者様にも相続権はありますが、公正証書遺言があり、相談者様に遺言がないのであれば、残念ながら相談者様には遺留分を請求する権利はありませんので、他の受遺者に対して調停等も起こすことはできません。
すべての回答を見る

被相続人の兄弟姉妹には遺留分がないため、兄弟姉妹を代襲相続する甥・姪にも、遺留分は認められません。代襲相続人の遺留分は、被代襲者と同じであるためです。

兄弟姉妹が相続人になるケースと相続割合

兄弟姉妹は、いつでも相続人になれるわけではありません。相続できる順番(相続順位)が決まっており、上の順位の人がいない場合にだけ相続人になります。ここでは、兄弟姉妹が相続人になるのはどんなときか、そして相続できる割合はどのくらいかを整理します。

兄弟姉妹が相続人になるのはどんなとき?

法定相続人の相続順位(家系図)

相続人になれる血族には順位があり、第1順位が子、第2順位が父母などの直系尊属、第3順位が兄弟姉妹です。兄弟姉妹は最も下の順位のため、被相続人に子や孫がおらず、父母・祖父母などの直系尊属もいない(すでに全員亡くなっている)場合にはじめて相続人になります。

また、配偶者は順位に関係なく常に相続人です。そのため、兄弟姉妹が相続人になるのは「配偶者と兄弟姉妹」または「兄弟姉妹のみ」という組み合わせになります。

なお、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、その子(被相続人から見た甥・姪)が代わりに相続人になります(代襲相続)。ただし兄弟姉妹の代襲は一代限りで、甥・姪の子までは引き継がれません。

法定相続人の範囲や相続順位は、次の記事でくわしく解説しています。

配偶者も子も親もいない人が亡くなったときの相続は、こちらの記事でまとめています。

兄弟姉妹の相続割合(法定相続分)

配偶者と兄弟姉妹なら3対1で分ける(相続割合の図解)

遺言書がない場合の取り分の目安となるのが、法律で定められた法定相続分です。兄弟姉妹の相続割合は、配偶者がいるかどうかで大きく変わります。

ケース

配偶者

兄弟姉妹

配偶者と兄弟姉妹が相続人

4分の3

4分の1(人数で等分)

兄弟姉妹だけが相続人

—

すべて(人数で等分)

たとえば、配偶者と兄弟2人が相続人なら、配偶者が4分の3、兄弟2人で残りの4分の1を分けて各8分の1ずつになります。配偶者がいなければ、兄弟姉妹だけで均等に分けます。

注意したいのは、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹の相続分は、父母の両方が同じ兄弟姉妹の2分の1になる点です。また、甥・姪が代襲する場合は、その親(兄弟姉妹)の取り分をそのまま引き継ぎます。

兄弟間で遺産を分けるときの割合や、もめないための進め方は、次の記事が参考になります。

そして、兄弟姉妹には遺留分が認められていません。そのため、被相続人が「兄弟には相続させない」という遺言を残していた場合、兄弟姉妹は最低限の取り分を請求できず、原則として遺言の内容が優先されます。その理由や、遺言の内容に対抗できる場合については次で説明します。

遺言書で相続分をゼロとされた兄弟姉妹が遺産を相続する方法

遺留分のある相続人は、遺言書で相続分をゼロにされたとしても、遺留分侵害額請求を行えば一定額の金銭を確保できます。

これに対して、遺留分がない被相続人の兄弟姉妹は、遺留分侵害額請求を行うことができません。したがって、遺言書で相続分をゼロにされれば、原則として遺産を相続できないことになります。

被相続人の兄弟姉妹の方が遺言書の内容に納得できない場合は、以下の方法によって遺産を相続できないかを検討しましょう。

  • 遺言書の無効を主張する
  • 新たな遺産を発見する
  • 相続人全員の合意により、遺言書とは異なる方法で遺産を分割する

反対に、遺言で財産を受け取った側が、兄弟姉妹から遺留分を請求されて困っている場合は、こちらの記事をご覧ください。

遺言書の無効を主張する

遺言書は、締結の方式や内容に問題がある場合は無効になることがあります。遺言書が無効になれば、ご自身の相続分をゼロとする相続分の指定も無効になるので、遺産分割協議によって遺産を相続することが可能です。

たとえば以下のいずれかに該当する場合は、遺言書が無効となります。何らかの無効原因を主張できないか、弁護士に相談しながら検討しましょう。

  • 遺言書の方式が民法に従っていない場合(民法960条)
  • 遺言書の内容が不明確で、遺言者の真意が読み取れない場合
  • 遺言書の内容が公序良俗に反する場合(民法90条)
  • 遺言書の作成時において、遺言者が15歳未満だった場合(民法961条)
  • 遺言書の作成時において、その法的な意味を理解する能力がなかった場合(民法963条)
  • 遺言書が偽造された場合 など

「みんなの法律相談」にも、子どものいない伯母が、亡夫の親戚に全財産を遺贈する公正証書遺言を残しており、遺言を無効にするか、兄弟姉妹で少しでも相続する方法はないかと尋ねる相談が寄せられています。

Q
納得できない遺言の効力について
相談者の疑問
先日なくなったおばさんが遺言を残していました。財産を 女A に包括遺贈すると書いてありました この遺言を無効にする あるいは 兄弟姉妹で少しでも相続する方法はあるでしょうか? おばさん(私の母の姉)ーーー夫は死亡 子供無し 法定相続人は兄弟姉妹のみ 女A------------------亡き夫の親戚 月にいくら払うと言う約束で身の回りの世話をしてもらっていた。 遺言------- 公正証書遺言 立会人は信託銀行の行員2人です。   最初、遺言を作る時 兄弟姉妹で分けるようにしておいた と言っていた。が最近それを破棄してもう一度作り直していました。 月に払っていたお金にくらべ遺贈の金額があまりに大きいので本当におばさんが納得してたのか?と兄弟が怒っています。
弁護士の回答
原田 和幸 弁護士
公正証書遺言 立会人は信託銀行の行員2人です。 お気持ちはお察しいたします。 ただ,公正証書遺言となると,公証人が入って,それなりの手続きを踏まえたうえでの遺言ですから,無効にするのは難しいとされています。 期待に添えない回答で,恐縮です。
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新たな遺産を発見する

遺言書によって相続の方法が指定されていない新たな遺産が見つかった場合、その遺産は相続人全員の協議によって分割します。この場合、被相続人の兄弟姉妹も遺産分割協議を通じて、新たな遺産の分割に参加することが可能です。

ただし、新たに判明した遺産の相続方法が遺言書において指定されていた場合には、その定めに従います。

相続人全員の合意により、遺言書とは異なる方法で遺産を分割する

遺言書の内容にかかわらず、相続人全員が合意すれば、遺産分割の方法を新たに決め直すことができます。

したがって、被相続人の兄弟姉妹の相続分がゼロとされていても、他の相続人全員の同意が得られれば、遺産分割協議を通じて遺産を相続することが可能です。

ただし現実的には、遺言書によって多くの遺産を相続できるものとされた相続人の同意を得ることは困難な場合が多いでしょう。

【データで見る】兄弟姉妹や甥・姪の相続トラブルは「協議」での解決が最多

相続弁護士ドットコム掲載事務所の解決事例1,212件のうち、依頼者が亡くなった人の兄弟姉妹または甥・姪だった事例は78件ありました。

解決方法は、話し合い(協議)が33件と最も多く、次いで審判23件、調停16件、訴訟3件です。遺言や遺贈が関わる8件のうち4件は、遺言書の有効性や内容の解釈を争った事例でした(当社調べ・2026年10月時点、n=78)。

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兄弟姉妹の遺留分に関するよくある質問

遺言で遺産をもらえない兄弟です。遺留分は請求できますか?

「みんなの法律相談」にも、独身で親も子もいない長男が兄弟のうち1人に財産を遺す遺言を書いた場合に、ほかの兄弟が遺留分を請求できるかを尋ねる相談が寄せられています。

Q
兄弟間での遺留分請求
相談者の疑問
【相談の背景】 私は四人兄弟なのですが、相続についてお伺いしたいです。 【質問1】 長男が独身で親、子供もいません。 長男が亡くなった場合 もし仮に遺言で誰か兄弟1人の名前を書いてあったとします。 その場合他の兄弟は、遺留分請求出来ますか?
弁護士の回答
若松 辰太郎 弁護士
残念ですが、兄弟姉妹の場合は遺留分がなく、遺留分請求はできません。ですので、もし仮に財産取得をお望みなら遺言を書いてもらうべきです。終活が流行っていますので、進めてみてはいかがでしょうか。
すべての回答を見る

しかし、被相続人の兄弟姉妹は遺留分を請求できません。遺留分があるのは配偶者・子・直系尊属(親など)に限られます(民法1042条)。

代襲して相続人になった甥・姪も同様に遺留分はありません。そのため、遺言に「全財産を◯◯へ渡す」と書かれていても、遺留分としての金銭を請求することはできません。

実際の相談からみた遺留分の注意点は、次の記事でまとめています。

代襲相続で相続人になる人の範囲は、こちらの記事でくわしく解説しています。

遺留分が請求できないなら、遺産を受け取る方法はありますか?

音信不通だった独身の兄が亡くなり、相談者に一切相続させない遺言があったら相続できる可能性はないのか、という「みんなの法律相談」への相談もあります。

Q
兄の遺言による相続の可能性と対応方法について相談したいです。
相談者の疑問
【相談の背景】 実兄が亡くなりました。 両親の介護もすべて私に押し付けた兄です。 父が亡くなった後はもう全く音信不通で(危篤と伯父が連絡しても見舞いにも来ませんでした)、私も連絡する気すらなく母の介護や老人ホームや病院への入退院等全て行い、母が亡くなったときも連絡もしませんでした(従姉妹がこっそり連絡しましたが無視されたそうです)。先日某NPO団体からその兄が亡くなったと連絡がはがきで届きました。 葬儀からすべてそちらで行うとのことなのでお任せしていますが、兄が所有していたマンションや貯金等はもちろんそちらにつながる弁護士さんが管理しているとのことです。その点は問題ないのですが、あの兄の事ですからたった一人の相続人(兄は生前生涯独身でした)である私に最後まで自身の病状等を連絡しないよう言っていたそうなので、私に一切の相続をさせないという遺言を残している可能性があります。 【質問1】 相続を全くさせないとの遺言があった場合、私が相続できる可能性はないのでしょうか? またそのためにやらなければならないことはどのような事でしょうか?
弁護士の回答
高島 秀行 弁護士
【質問1】 相続を全くさせないとの遺言があった場合、私が相続できる可能性はないのでしょうか? またそのためにやらなければならないことはどのような事でしょうか?    兄弟姉妹には遺留分がありません。   したがって、全財産を誰かに遺贈する等の遺言があった場合、あなたは遺留分を請求できず、遺産を取得することは難しいと思います。   とりあえずは、公証役場や法務局で遺言を探してみたらよいかと思います。   ただし、自筆証書遺言は公証役場や法務局ではわからない場合もあります。   しかし、自筆証書遺言があれば検認の申立てがなされ裁判所から呼出状が来ます。
すべての回答を見る

遺留分以外の方法であれば、受け取れる可能性があります。主な選択肢は次の3つです。

  • 遺言の無効を主張する:形式の不備、遺言能力がなかった(認知症など)、偽造・変造が疑われる場合など。無効が認められれば、法定相続分に従って兄弟姉妹も相続できることがあります。
  • 相続人全員の合意で遺産分割に切り替える:受遺者を含む全員が合意すれば、遺言と異なる分け方も可能です。
  • 受遺者と話し合って一部を譲ってもらう:任意の合意による方法です。

ただし、遺言無効の主張はハードルが高く、客観的な証拠が必要です。可能性があるか迷う場合は、早めに弁護士に相談しましょう。

遺言と異なる分け方で合意したときは、遺産分割協議書を作ります。書き方は次の記事を参考にしてください。

被相続人の介護や援助をしてきました。何か請求できますか?

「みんなの法律相談」には、亡くなった兄と30年ほど同居して身の回りの世話をしてきた母が、兄の子(相続人)に特別寄与料を請求できるかを尋ねる相談も寄せられています。

Q
母の実兄の財産相続に関する問題:特別寄与者としての権利は?
相談者の疑問
【相談の背景】 母の実兄が、母の購入した家に家賃や生活費を支払わず、30年ほど居候していました。その実兄が先日亡くなり、遺品整理をしたところ、お金を持っていることが判明しました。そして、実兄の一人息子と元嫁が実兄の財産のすべてを持っていきました。元嫁にお金を預けていた分もあるようです。法定相続人は一人息子になるかと思うのですが、一人息子は実兄が母の家に30年ほど居候している間、実兄(自分の父親)の面倒は一切見ず、長く疎遠だった期間もあります。それに比べ、母は実兄と同居していた30年ほど、お金のことで喧嘩が絶えず、時には包丁などを持ち出されたりして脅されながら、母の退職後は自分の財産を食いつぶして生活をし、実兄の生活費も支払ってきました。その他、洗濯、ご飯作りなどの身の回りの世話もしていました。実兄の財産維持や増加に貢献した人になるため、母にも実兄の財産を相続する権利があると思います。 【質問1】 母は特別寄与者になることができますか? 【質問2】 法定相続人である一人息子に請求することは可能でしょうか? 【質問3】 請求することができる場合、財産の何割ぐらいをもらうことができますか?
弁護士の回答
緒方 直人 弁護士
「母は特別寄与者になることができますか?」  被相続人の遺産がどの程度かは不明ですが、ご記載の事実関係を前提とする限り、お母さんの相続人(被相続人の子)に対する特別寄与料の請求が認められる可能性はあるように思われます。 「請求することができる場合、財産の何割ぐらいをもらうことができますか?」    それは家裁の判断次第ですから、回答は難しいように思います。家裁への調停(審判)の申立をお考えであれば、弁護士に面談相談された方がよろしいように思います。
すべての回答を見る

相続人にあたらない兄弟姉妹でも、特別寄与料を請求できる可能性があります(民法1050条)。対象は、被相続人に対して無償で介護・看護などの労務を提供し、財産の維持・増加に貢献した親族です。

ただし、貢献の程度を示す記録が必要で、請求には期限(相続開始と相続人を知ってから6か月、または相続開始から1年)があります。

相続人として介護の貢献を主張する「寄与分」については、次の記事でくわしく解説しています。

【データで見る】兄弟姉妹の遺留分の相談は、遺言を書く側からも多い

弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」に寄せられた相続の相談30,302件のうち、亡くなった人(またはこれから亡くなる人)の兄弟姉妹や甥・姪の遺留分が話題になった相談は58件でした。

立場別に見ると、遺言を書く人や財産を受け取る人が「兄弟姉妹に遺留分はないか」を確かめる相談が33件(56.9%)と半数を超え、遺言で取り分がない兄弟姉妹や甥・姪の側からの相談は19件(32.8%)でした。甥・姪が関わる相談も30件(51.7%)あります。

遺言を書く側も、兄弟姉妹に遺留分があるかを事前に確かめていることがうかがえます。取り分がない側は、遺留分以外の方法を早めに検討することが大切です(2021年4月1日〜2026年7月8日に投稿された相談。当社調べ、n=58)。

まとめ

被相続人の兄弟姉妹には遺留分が認められていないため、遺言書によって相続分がゼロとされてしまうと、多くの場合は遺産を相続できません。

ただし、遺言無効の主張などが認められれば、相続分をゼロとされた被相続人の兄弟姉妹でも遺産を相続できる余地はあります。弁護士のアドバイスとサポートを受けながら、遺産を相続できる可能性がある方法を模索しましょう。

遺言書の内容に納得できない被相続人の兄弟姉妹の方は、弁護士にご相談ください。

【次に読む】遺留分を持つ相続人がいるとどうなるか

兄弟姉妹に遺留分はありませんが、ほかの相続人が遺留分を請求すれば配分は動きますし、遺言の内容しだいで受け取れるものも変わります。だれにいくらの遺留分があるのか、請求されると何が起きるのかは、次の記事であわせて確認してください。

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