トラブル解決のみちしるべに。弱い立場の方の味方となり、法的に正しい相続を目指します
静岡県静岡市葵区で「法律事務所みちしるべ」を経営する亀子伸一弁護士(静岡県弁護士会所属)に、相続案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みなどを聞きました。不公平な条件を突きつけられているなど、弱い立場にある方の味方として相続トラブルの解決に取り組む亀子弁護士。相談しやすい環境づくりや精神面でのサポートも重視し、依頼者から「心が軽くなりました」と言ってもらえることも多いと話します。
インタビュー
「困った人のみちしるべになること」を理念に事務所を開設しました
これまでの経歴について教えてください。
出身は大阪府で、山梨学院大学法科大学院を卒業し、司法試験に合格しました。2016年に弁護士になり、静岡市内にある片山ひでのり法律事務所に入所し、2021年に独立して当事務所を開設しました。
事務所の理念を教えてください。
困った人のみちしるべになることを理念にしており、その想いを「法律事務所みちしるべ」という事務所名にも込めました。
法律トラブルに巻き込まれたとき、法律自体なかなか理解が難しいですし、どういう手段をとればよいかわからない方は多いです。そこで当事務所が、どの道に進むのがよいのか、この道を進むとどうなるのかといったことを示せる存在でありたいと思っています。
事務所の理念を実現するために、具体的に取り組んでいることを教えてください。
まずは依頼者のお話をしっかり聴いて、今置かれている状況や本人も気付いていないような問題点などを正確に把握することから始めます。
そして、依頼者の想い、不安や心配ごとなどを理解していきます。これは本人の口からすんなり出てくる場合もありますが、なかなか口に出せなかったり、自分でもうまく整理できていない方も少なくありません。ですからじっくり時間をかけて、お話していきます。
その上で、法律的に可能な方法や見通しについて、できるだけ専門用語を使わずわかりやすく説明することを心がけています。
弱い立場の人の味方として正しい相続を目指します
どういったご相談が多いでしょうか。
二極化していまして、一つが遺産分割協議に関する相談です。特に、弱い立場に置かれている方からの相談が多く寄せられます。たとえば、他の相続人から一方的な条件を突きつけられて困っている、財産の資料を見せてもらえない、被相続人と同居していた相続人が財産を使い込んでいるといったご相談です。そういった場合に、自分では解決が難しいと感じて相談に来られる方が多いです。
最近では、「終活」という言葉が定着しつつあり、遺言が存在する相続も増えてきた印象があります。遺言の有効性や、遺留分という権利が関わる相談も多いです。
あとは不動産が絡むと、どうしても揉める傾向があります。相続人によって不動産評価の仕方が違ったり、山林や空き家などの処分に困ったりして相談に来る方が多いですね。
自分では太刀打ちできないようなケースでも、弁護士が関わることで状況は変わるのでしょうか。
そうですね。弁護士として法律的に正しい主張をして毅然とした態度でのぞみますから、相手も無茶な主張や強引な進め方をしなくなるケースが多いです。
また、これは弁護士によっても考え方が分かれるところだと思いますが、私はできる限り話し合いで穏当に解決することが依頼者の利益につながると考えていますので、言うべきことは言いながらも、相手との話し合いの着地点を探るような対応を心がけています。
弁護士が交渉しても解決が難しい場合は、遺産分割調停を申し立てます。いずれにしても何らかの解決方法はありますから、諦めずに一度ご相談いただければと思います。
二極化のもう一つはどういったご相談でしょうか。
相続放棄に関するご相談です。多額の借金があるので放棄したいという方も多いですが、被相続人や他の相続人と疎遠で、そもそも遺産分割協議に関わりたくないという方もいらっしゃいます。
他にも、遺言書作成、遺留分侵害額請求など、相続全般についてご相談いただいております。
「安心して話ができました」といった感謝の言葉も多くいただいております
相続分野のやりがいはどういったところでしょうか。
弁護士が関わることで、依頼者の正当な権利をしっかり主張して、正しい解決ができることでしょうか。相続は親族間の問題なので、なかなか周りに自分の気持ちを相談できず「自分の考えが間違っているのかな」などと悩みを抱え込んでしまったり、親族間の力関係などが原因で自分の主張ができない・通らないことが少なくありません。
そういった場合に弁護士へ相談いただくことで、自分にどういった権利や主張ができるのかを知って安心や納得ができると思いますし、その後の対応を弁護士にお任せくだされば、精神的なご負担も減らせると思います。その結果、依頼者の権利を守り、正しい方向で解決できることで、依頼者に喜んでいただけることが大きなやりがいになっています。
相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。
相続の背景事情やお気持ちも含めて、お話をよく聴くことを心がけています。そうしないと、依頼者にとっての「よりよい解決」につながるアドバイスはできないと考えているからです。
アドバイスの内容も、難しい言葉で伝えてしまっては意味がありません。依頼者のご理解に合わせた説明をすることも心がけています。
また、相続の特徴として、身内の問題なので他人に話しづらかったり、「こうしたい」とか「これが嫌」ということを話せる相手がいないケースが多いと思います。特に相続人の中で孤立しているような場合だと、兄弟姉妹にも相談できませんよね。
ですから法律的な話はもちろんするのですが、それだけでなく色んな話をしていく中で、気持ちの整理ができたり精神的に楽になられる方も多くいらっしゃいます。依頼者の心の負担を減らせることは法律相談の目標の一つでもありますので、そういったカウンセリング的な要素も大事にしています。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いはどんなところでしょうか。
弁護士との相談や話がしやすいことと、説明がわかりやすいことが強みだと思っています。
当事務所では、弁護士亀子伸一が相談からご依頼後の対応・解決まで一貫して対応します。ご依頼後の連絡手段にはLINE等のツールを用いておりますので、弁護士に気軽に、質問や連絡していただくことができるようになっています。
まだまだ弁護士は敷居が高いと思われることも多く、緊張しながら相談に来られる方も多いです。私はやさしくお話を聴き、わかりやすい説明をするように心がけておりますので、実際相談が終わると、「安心して話ができました」「とても話しやすく、優しい先生で良かったです」「心が軽くなりました」など、感謝の言葉も多くいただいております。
また相続では、登記、税金、不動産売却などが絡むことが多いです。私は静岡市内で弁護士をしている経験から、司法書士、税理士、不動産業者などと信頼できるネットワークがあることも強みです。
自分の判断で対応する前に、一度相談だけでもお越しください
相続について弁護士に相談するメリットを教えてください。
不安、心配、悩みが解消することは大きなメリットです。漠然と不安を抱え続けることは精神的な負担も大きいと思いますし、問題を先送りしても良いことはあまりありません。今後どう対応すればよいのか、この先どうなっていくのかわかるだけでも肩の荷が下りると思います。また、自分の考え方やこれまでの対応が間違っていなかったか確認する意味合いもあると思います。
弁護士へ依頼することを考えている方にとっては、弁護士との相性を確認できることも相談するメリットです。「相談したら依頼しないといけない」ということはありませんのでご安心ください。
早めに相談するメリットと、相談が遅れることによるデメリットを教えてください。
早めにご相談いただくと、トラブルを予防するという面も考慮して、「どこからどこまでは自分で対処ができそうで、どこから先は再度弁護士に相談したり、弁護士へ依頼をすること考えた方がよさそうか」といった戦略を立てることができます。「弁護士には、トラブルになってから相談すればよい」と思われているかもしれませんが、ご自身の判断で対応して手に負えなくなる前に、一度相談だけでもしていただくほうが断然よいです。
また、相続は当事者の感情が絡んでトラブルになることも少なくありません。一度口に出してしまった言葉が原因で冷静に話し合えなくなることもありますのでご注意いただければと思います。
これまで、「もっと早く相談に来てくれていれば」と思ったケースはありますか。
遺留分侵害に関する請求は、相続の開始(亡くなったこと)と遺留分を侵害する贈与又は遺贈(遺言など)があったことを知った時から1年間で時効になります。
当事務所への相談でも、相談の時点で時効にかかっていることが分かり、請求が困難なケースがありました。納得のいかない遺言書がある場合には、特にご注意いただければと思います。
また、「遺産分割協議書の案が送られてきたのでサインしてよいか」と相談に来られたケースも複数あります。内容を拝見すると、相続財産の査定内容や分割方法など、依頼者にとって不利な内容になっていたのですが、ご自身はよく分かっていませんでした。それで私から説明して、その後の対応を考えていきました。
協議書にサインする前だったので手遅れではありませんが、そこから話し合いをやり直すのは相手も抵抗しますので、時間も労力も余計にかかってしまいます。早い段階でご相談いただければ、もっとスムーズに話し合いが進んだのではないかと思います。
初回の相談ではどのような対応をしているのでしょうか。
当事務所では、相談予約の電話をいただいた段階である程度内容をうかがうようにしています。それを前提に、当日ご持参いただきたい資料もお伝えします。
相談当日は、まずはお話をしっかり聴いて、その場でできる限りの法的アドバイスをさせていただきます。そして弁護士への対応(依頼)を希望される場合には、弁護士の対応方針の確認や費用面のご説明をさせていただいております。相談後にご依頼いただく場合は、解決に向けて着手するという流れになります。
これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。
相続案件は、当事務所では協議段階で解決することが多いのですが、相手方から遺産分割調停や審判の申立てがされたため、困ってしまい相談にいらっしゃるケースも少なくありません。
父親が亡くなったことにより発生した相続で、子どもである依頼者が、母親から遺産分割審判を申し立てられたケースが印象に残っています。
母親は、父親の生前の遺志に基づいて妻である自分が全ての財産を相続すると主張していました。依頼者は、「全ての財産を母親に取られるのではないか」と不安になって相談に来られて、「法定相続どおりの遺産分割を認めてもらいたい」とのことでご依頼いただきました。
ところが、よくよく話を聞くと、母親の主張を裏付ける遺言書は証拠として提出されていませんでした。また、母親の一方的な主張に傷つき、苦しんでいる相談者の気持ちがよく理解できました。
そこで調停に対応する中で、そもそも法律的に有効な遺言が存在しないことを主張するとともに、裁判所(調停委員)に、相続をめぐる背景事情や依頼者の気持ちをよりよく理解してもらうため、依頼者と綿密に打ち合わせをして、生前の家族関係や母親と依頼者との関係性などについて陳述書を作成するなどして、「母親の主張が真実とは認められないこと」を裁判所に訴えました。
その結果、母親の主張は認められず、法定相続分に従って相続するという解決に至りました。さらに、母親側から提出のあった財産資料を精査し、使途不明金についての主張も行った結果、母親側に2000万円の特別受益の存在が認められて、最終的に依頼者は当初の想定よりも1000万円増額した額を取得することができました。依頼者にも非常に喜んでいただき、嬉しかった案件です。
相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
不安や心配、納得できないという気持ちはそのままにしても良いことがありません。将来に後悔したり、引きずったりしてしまいそうであれば、お早めに一度弁護士にご相談いただければと思います。
モヤモヤした思いを解消すること、見通しや区切りがつけられること、解決に向けて前進することなどに向けて、弁護士も一緒に「よりよい解決」を考えます。法律知識や解決方法などをできる限りわかりやすくお伝えするように心がけていますので、お気軽にご相談ください。