相続弁護士 ドットコム

芝綜合法律事務所

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依頼者にとって最善の解決策を見出し、相続人同士の対立が激しい遺産分割でも早期解決を目指す

照井国興芝綜合法律事務所

東京都港区にある「芝綜合法律事務所」のパートナー弁護士として相続分野に注力する照井国興弁護士(東京弁護士会所属)に、相続案件に注力する理由や、相続案件に携わる上で心がけていることなどを伺いました。相続問題はその性質上、どうしても状況が悪化しがちであり、依頼者自身に非があるわけではないケースが多いと語る照井弁護士。相続について弁護士に相談・依頼するメリットについても詳しく聞きました。

インタビュー

東京弁護士会の相続・遺言研究部に所属し、相続知識を深め、書籍執筆も行う

相続案件に注力している理由を教えてください。

相続を含む一般民事事件を扱う中で、次第に相続案件の割合が増えていき、現在では最も扱う件数の多い分野となりました。

相続は、高齢化が進む日本社会において今後ますます重要となっていく分野ですし、相続人同士で揉め事が起こりやすいのですが、弁護士が介入することで問題を解決し一つの区切りをつけられる点で、意義のある仕事だと思い注力しています。

相続について、よくある相談内容を教えてください。

遺産分割と遺留分侵害額請求に関する相談がよくあります。

遺産分割に関しては、特に兄弟間で揉めるケースが多く見られます。例えば、「長男だから」「跡継ぎだから」という理由で兄や姉が有利な遺産分割を主張し、弟さんや妹さんが不当だと感じて相談に来られることがよくあります。

当事者同士で話し合うと感情的な対立が激化し、過去の不満を持ち出して罵り合うことが多く、結果として溝が深まるケースが少なくありません。「自分は親の世話をしていたのに」「兄は親に良くしてもらっていたのに」などの不満が噴出し、当事者間では収拾がつかなくなるため、代理人として依頼されることが多いです。

私が弁護士として介入すると、相手方も弁護士を立てることが多く、その結果、弁護士同士で合理的な協議が進むことがあります。また、どうしても話し合いがまとまらない場合には、すぐに調停を申し立てたり、裁判所の手続きに移行したりすることで、第三者を介した協議が可能になり、当事者同士で進めるよりも協議が進展することが期待できます。

遺留分についての相談でも、兄弟の一人にすべて、あるいは大部分の遺産を相続させるという遺言が残されており、相談者の取り分がないというケースが多く見受けられます。このような場合には、法律に従って遺留分を請求しても、「被相続人の意思と違うから」といった理由で支払いに応じてもらえないことが少なくありません。

また、立場上、相手方に強く言いづらいけれど、何とか適正な遺留分だけでも確保できないかと相談に来られることがよくあります。

東京弁護士会の相続・遺言研究部に所属しているそうですね。どのような取り組みをしていますか。

相続分野に注力する弁護士が月に1回ほど弁護士会に集まり、主に相続に関する裁判例を研究しています。最新の相続事例や過去の重要な裁判例などを取り上げ、議論を通じて理解を深めています。

また、研究部のメンバーと一緒に相続に関する書籍の執筆にも取り組んでいます。現在、共同執筆を進めており、私も担当部分を執筆中です。

研究部に入ったのは2年ほど前です。もともと相続案件を多く扱っていたこともあり、この分野を専門的に深めることで、今後の柱にしていこうと考え、参加しました。最新の事例をキャッチアップする機会としてとても有意義だと感じています。

行き詰まった状況を打開できる点にやりがいを感じる

相続分野の魅力をどのような部分に感じていますか。

当事者同士では話し合いが難しい、行き詰まった状況を何とか打開し、解決するために調整役としてお役に立てる点にやりがいを感じます。相続人同士の仲が悪いことも多いですが、依頼者の意向をしっかりと聞きながら、早期解決に向けた方針や対応を慎重に検討して進めていき、その結果として、無事に解決へと導けたときには、大きな達成感を感じます。

また、相続に関する法律は複雑で、さまざまな法的問題が絡むため、興味深い部分も多いです。日々研鑽を積み重ねなければ最善の解決にはつながらないため、法律分野としての研究の意義や奥深さを感じています。

さらに、相続手続きには不動産取引や預金、有価証券といった財産の取引や、相続登記や相続税などの関連する制度にも精通する必要があります。そうした実務的な知識が身につく点や弁護士としての総合力が求められる点も、この分野のやりがいの一つだと感じています。

相続案件を手掛ける上で心がけていることを教えてください。

依頼者の希望と、法律の専門家として妥当と考える解決策とをしっかり把握し、それをもとに依頼者にとって最善の解決策をゴールとして設定し、調整を進めることを意識しています。

依頼者との信頼関係を築くために、まずは話をしっかりと聞くことが大切です。多くの方がさまざまな問題を抱えているので、まずはよく話を聞き、「私はあなたの味方であり、最善の方向へ導くために動いている」という姿勢を理解してもらうよう心がけています。

また、レスポンスを迅速にするなど、基本的なこともしっかりと意識しています。

相続について弁護士に依頼するメリットを教えてください。

相続に関する問題は、感情的な対立が激化することが多く、協議が進むにつれて関係が悪化していくケースが少なくありません。そのため、ご本人同士で話し合うことが難しく、かえって関係を悪化させてしまうことも多々あります。

特に、遺産分割を成立させるには相続人全員の合意が必要ですが、相続人の中に一人でも納得しない方がいると、理由が明確でなくても話し合いがまとまりません。結果として、もともと仲が良かった兄弟や家族関係が悪化し、最悪の場合、絶縁状態になることもあります。

こうした状況になる前に、弁護士に依頼して合理的な解決を図ることで、早期に問題を解決でき、家族関係の悪化を防ぐことができます。

また、遺産分割協議で提示された遺産の額が妥当かどうかを判断するには、専門的な知識が必要です。不動産の評価額や特別受益の有無、賃料の分配方法などを客観的に見極めるためにも、弁護士の力をぜひ利用していただきたいと思います。

早めに弁護士に相談した方がよい理由を教えてください。

相続手続きには期限があるものがあるためです。

例えば、相続税の申告は10か月以内に行わなければなりません。この10か月以内に遺産分割協議を完了し、相続税の申告を済ませることが望ましいです。

もし期限内に遺産分割がまとまらない場合には、まずは遺産分割が成立していない前提で相続税申告・納税を行わなければなりません。そうすると配偶者控除や小規模宅地の特例などの税軽減の制度も利用できないなど不都合も生じ、遺産分割が成立した後に修正・更正の申告をしなければならず、二度手間になってしまいます。

また、遺留分に関しては1年間という時効があり、請求できる期間が短いです。

さらに、最近では相続登記の義務化が始まり、3年以内に遺産分割協議をまとめるなどして相続登記をする必要があります。

これらの期限に間に合わせるためにも、早めに弁護士に相談することが大切です。

相続問題で家族関係が悪化するのは、あなたのせいではありません

これまで取り組んできた相続案件の中で、印象に残っているものはありますか。

遺留分侵害額の請求で、約2か月でスピード解決できた案件が印象に残っています。依頼者は被相続人のお孫さんで、遺言には「すべての財産を長男(依頼者の叔父)に継がせる」と記載されていました。依頼者は叔父に遺留分侵害額を請求しましたが、叔父は支払いを拒否していました。

私は代理人として、適正な額の遺留分を取得できるように相続財産を調査し、改めて叔父に遺留分侵害額を請求しました。叔父は激怒しましたが、毅然と対応し、粘り強く交渉を続けました。その結果、請求から20日以内に、こちらの主張をほぼ認める内容で合意に至ることができました。

スピード解決に繋がった要因としては、請求前にしっかりと調査を行い、資料を揃えて、説得力のある形で請求したことが挙げられます。具体的な金額を詳細に提示し、裏付け資料も添付して請求したことで、激怒していた叔父も最終的には応じざるを得なかったのだと思います。単に金額を示すだけでは、納得してもらえなかったかもしれません。

遺留分に関する案件では、通常半年から1年ほどかかることが多く、訴訟に発展すればさらに時間がかかります。この案件では、激怒する叔父への対応は大変でしたが、短期間で解決でき、依頼者にも喜んでいただけたため、印象に残っています。

初回相談の流れを教えてください。

初回相談の際には、相続に関連する資料を一通りお持ちいただきます。その上で、被相続人や相続人、財産の状況、現在の協議の進捗など、基本的なことを順を追って詳しく伺います。

その後、状況に応じて、もしご依頼いただいた場合に考えられる対応方針について丁寧に説明します。弁護士費用についても明確にお伝えします。

また、ご依頼いただいた場合のスケジュールも説明します。基本的な流れとしては、まずは相手方に受任通知を出し、その後、直接お会いして打ち合わせを行います。協議にどれくらいの期間がかかるか、また、協議が上手くいかない場合には調停に移行する可能性があることなどもお伝えします。

相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

相続トラブルをご自身の力だけで解決しようとしても、相続案件の性質上、どうしても状況が悪化しがちです。これは決してご自身が悪いわけではありません。

まずは早めに弁護士にご相談いただき、少しでも負担を軽減していただければと思います。相談するだけでも、不安が和らぐことがあるかもしれません。

また、ご依頼いただいた際には、代理人として最善を尽くし、依頼者の利益を最大化するために全力で対応いたします。一緒に歩んでいくパートナーとして、しっかりとサポートさせていただきますので、安心してお任せください。