32年の行政経験が強み。大宮生まれ、大宮育ちの弁護士が「早く正確に」相続問題を解決する
埼玉県さいたま市で「大宮法律事務所」を経営する大谷博弁護士にインタビューを行いました。大谷弁護士は埼玉県庁で32年勤めたあと弁護士に転身した、異色の経歴の持ち主です。事務所の理念や弁護士として大切にしていること、相続案件の対応方針、事務所の強みなどを聞きました。(埼玉弁護士会所属)
インタビュー
埼玉県庁での勤務を経て弁護士に転身
事務所設立の経緯と理念を教えてください。
私は埼玉県さいたま市大宮区で生まれ育ち、東京大学法学部を卒業後、埼玉県庁に32年間勤務しました。その後、県庁を早期退職して法科大学院を修了し、大宮駅すぐ近くの場所に事務所を構えています。
県庁では弁護士と連携しながら、法務を担当していました。常勤の弁護士がいなかったため、自ら法的な問題について考えることが多く、弁護士という仕事に自然と興味を持つようになりました。また人生100年時代を迎え、新たな挑戦をしたいという思いもありました。そこで一念発起し、弁護士に転身しました。
事務所の理念は、「早く正確に対応すること」「約束を守ること」です。良質なリーガルサービスを提供するためには、スピード感と正確性が求められます。特に相続や離婚など、依頼者にとって精神的なストレスが大きいご相談では、迅速に対応し、早期解決をはかることが重要です。
約束に関しては、依頼者との約束はもちろん、裁判所との約束も必ず守るようにしています。これは当然のことなのですが、残念ながら、書面の提出期限などを守らない弁護士がいるのも事実です。私は、弁護士である前に、人として約束を守ることを徹底し、依頼者や裁判所との信頼関係を築くよう心がけています。
事務所の理念を実現するために、具体的に取り組んでいることは何ですか?
依頼者に対して、具体的かつ早めに情報を伝えるようにしています。
実際、弁護士がスピード感と正確性をもって対応しても、裁判所や相手方の回答を待っている時間など、実際には弁護士が早く進められない場面は多くあります。しかし多くの依頼者にとっては、弁護士とコミュニケーションを取ること自体が初めてのことですから、「なぜ早く進めてくれないの?」と思ってしまうタイミングもあるでしょう。
そのため、私は「今はこのステップの途中です」「裁判所に訴えを提起して訴状を送りましたが、まだ先方が検討中の段階で、返事を待っているところです」など、具体的かつ早めに状況をお伝えします。依頼者にとって、わからないことは不安につながると思います。今どんな状態なのかがイメージできるように報告し、依頼者の不安を解消することに努めています。
また依頼者一人ひとりに合わせた、柔軟な対応を心がけています。例えば、お仕事の都合上、土日に打ち合わせを希望される方には、できる限り対応するようにしています。依頼者の生活パターンを理解し、連絡を取りやすい時間帯を把握したうえで、コミュニケーションを取っています。
自分事として取り組む相続問題の対応方針
相続に注力することになったきっかけは何ですか?
私自身の経験がきっかけです。実家の相続に直面して、遺言書の作成や遺産分割について調べたことがあり、弁護士になる前からある程度の知識がありました。弁護士になってからもご相談が多く寄せられたため、自然と注力するようになりました。私は相続人の方々と年代が近いこともあり、話しやすいと感じていただけるのかもしれません。
また、相続は誰もが必ず直面する問題だと考えています。親が亡くなったとき、財産がゼロというケースはほとんどなく、何らかの形で財産が残されているケースが多いのです。全ての方に関わりがあるという点からも、力を入れるべきだと考えています。
相続の対応で心がけていることを教えてください。
「問題が解決したあとも人間関係は継続する」ということを常に意識しています。「親の財産をどう分けるか」という問題だけではなく、親子、兄弟姉妹の今後の関係性も考慮する必要があると思うからです。徹底的に争うと、家族が絶縁状態になってしまう可能性もあるため、細心の配慮が必要です。
私が大切にしているのは、人間関係を踏まえたうえで、依頼者の長期的な利益を考えて対応することです。感情的な対立が原因で、相手方に対してあまりに過大な請求をしようとしている場合は、法律上の解釈を伝えたうえで主張の内容を修正いただくこともあります。
ただし、単純に法律論を伝えるだけでは、依頼者の満足を得られない場合も少なくありません。そこで、依頼者に合わせて対応方法を変えています。例えば、論理的に考えるタイプの依頼者に対しては、法律上の解釈をそのまま説明します。一方で、感情的な思いが複雑な依頼者に対しては、まずはその主張を聞き、徐々に法律上の解釈に合わせた解決に導くのです。伝え方や伝えるべきタイミングに細心の注意を払ったうえで、最善の解決を目指しています。
「早く正確に」依頼者の思いに応えたい
相続における貴事務所ならではの強みを教えてください。
依頼者一人ひとりに合わせた対応ができることです。これは32年間の埼玉県庁での経験、特に法務部門での経験が活きています。用地買収や労働問題など、さまざまな場面で一般の方と接する機会が多くあったため、コミュニケーション能力や相手を見る力が養われました。依頼者の話をより深く理解し、適切なアドバイスができると自負しています。
また、管理職としての経験も強みです。組織の管理職として、様々な仕事を調整してきた経験から、物事の本質を見極める力が身についたため、問題の論点を見抜く力には自信があります。
これからも「早く正確に」という事務所の理念の通り、依頼者の希望に迅速に対応していきます。特に相続問題は感情的な不安を抱える期間が長くなってしまうため、できるだけ早く解決することが重要だと考えています。
印象に残っているご相談や、依頼者からの印象的な言葉はありますか?
10人近い兄弟姉妹が相続人のケースで、人数が多いために遺産分割の話し合いが進まず、「間に入ってほしい」ということで依頼を受けたことがあります。
受任後に調査を進めると、マンションと預貯金が遺産としてあることがわかりました。当事者の間に入って交渉した結果、預貯金と、不動産を売却して得たお金を、それぞれ均等に分けるという形で話がまとまりました。
ただ、10人近くも相続人がいると、遺産分割方法が決まってからの手続きが大変でした。マンションの部屋を片付けて、売却の手続きをして、各相続人と丁寧にコミュニケーションを取って、書類にハンコを押してもらって…というふうに、山積する手続きを一つひとつ早く正確に進めていきました。
依頼者からは、「先生に頼まなければ解決できなかった」と言っていただき、嬉しかったですね。弁護士として当然のことをしたまでですが、感謝していただけるのは非常に喜ばしいことです。相続問題の複雑さと、弁護士が果たす役割の重要性を改めて実感しました。
まずは弁護士と現状の整理から始めませんか
相続のお悩みを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続の問題は本来、自分で解決するのが一番望ましいです。争いがなければ、本人同士で話し合うだけで良いのですから。費用もそれほどかかりません。しかし実際は、複雑な問題が絡むことが多く、自分で解決することが難しい場合もあります。まずは「自分で解決できる問題かどうか」を判断するためにも、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
相続は、時間が経てば経つほど問題がこじれてしまい、解決が難しくなる傾向にあるため、「早く正確に」解決することが重要です。お困りの方は、大宮法律事務所にご相談ください。