国税局勤務で培った税務の知識を活かし、法律・税務の両面から相続の悩みを解決
香川県綾歌郡宇多津町で「マリトラスト税務法律事務所」を経営する小松真理弁護士(香川県弁護士会所属)に、遺産相続案件を手掛ける上での心構えや事務所の強みを聞きました。国税局で15年間勤務し、法律知識に加えて税務の知見も豊富な小松弁護士。相続における税金の問題にもワンストップで対応しています。依頼者が安心して話せる雰囲気づくりを大切にし、「どんなことも本音で話してください」と呼びかけます。
インタビュー
国税局職員から弁護士に転身。不動産鑑定士の資格も取得
これまでの経歴について教えてください。
香川県綾歌郡宇多津町生まれで、大学は奈良女子大学文学部に進学しました。卒業後は東京国税局で15年働き、その間に不動産鑑定士の国家資格も取得しました。2018年に弁護士になったのを機にマリトラスト税務法律事務所とマリトラスト不動産鑑定所を開設しました。
綾歌郡宇多津町を選んだのは、生まれ育った地域の皆さんのお役に立ちたいという想いからです。
国税局にお勤めだったのですね。なぜ弁護士になろうと思われたのですか。
国税局では税務署職員として相続税調査に従事しており、100件を超える相続案件に接しました。その中で、遺産分割でもめることによって、もめない場合に比べて多額の相続税を支払うことになってしまった人を多数見てきました。そこで、税務もわかる弁護士が必要だと痛感して弁護士を目指したんです。
事務所として、どんなことを大切にしていますか。
依頼者に本音で話していただき、最善の結果になるように力を尽くすことです。依頼者の中には、「こんなことを弁護士に聞いてよいのかな」と不安に思っている方も少なくありません。他の事務所に相談したときに嫌な思いをして、弁護士に本音で話せなくなっている方もいます。
たとえば、何年もかけて徹底的に争うのか、早期解決を優先するのか、それを決めるのはご本人です。本音で話せなかったら、不本意な争いを続けたり、逆に、不本意な段階で終わることになりかねません。
本音で話してもらうために心がけていることはありますか。
依頼者の話を遮らず、ゆっくり時間をかけて聴き、「何でも話していいんだ」と安心してもらえるようにしています。
弁護士の中には、必要なことに絞って聴く方もいます。もちろんそういう弁護士が合う方もいるので、一概にどういう弁護士がよいということではありません。
ただ私の場合は、一見、解決のために関係なさそうに思えることも、まずは聴くという姿勢を大事にしています。
先生の話し方や表情もすごく穏やかで、お話しているとリラックスできます。
そう言っていただけると嬉しいです。私が女性ということもあって、話しやすいと言ってくださる方も多いです。
法律・税金・不動産の専門知識を駆使して問題解決に取り組みます
相続について、よくある相談内容を教えてください。
遺産分割協議に関する相談が多いです。「相続人同士での話し合いが難航して、なかなか前に進まない」「相続人が多すぎて、何から手をつけていいのかわからない」など、様々なお悩みが寄せられます。また、遺言を作りたい方や、被相続人が遺した遺言に納得いかないということで相談に来る方も多いです。
相続人同士で話し合っても前に進まないケースは、どんな部分がネックになっているのですか。
ケースバイケースですが、たとえば不平等に関するものです。一部の相続人が、生前の被相続人から金銭を受け取っていた場合、他の相続人から「財産を均等に分けるのは不平等だ」という声が上がり、話し合いが進まなくなることがあります。
また、被相続人と同居していた相続人が、通帳など、遺産に関する資料を見せてくれないとか、通帳を見てみたら使途不明金があった場合も問題になりやすいです。
先生の事務所ならではの強みや、他の事務所との違いを教えてください。
税金と不動産に詳しいことです。
相続は、相続税をはじめ様々な税金が絡んできます。もちろんどの弁護士でも、税金についてある程度の知識は持っています。ただ、専門的な知識が必要な場合は税理士に相談することが一般的です。また、相続税申告や不動産を売却した場合の譲渡所得税の申告は、税理士に任せるのが一般的です。
その点私は、弁護士資格に加えて税理士資格も持っており、15年間税務の現場で働いていた経験もあるので、弁護士の中ではかなり税金に詳しいと自負しています。
相続税を見越して遺産分割したり、税務調査で問題にならないような遺産分割協議書を作ったり、特例を使って相続税を減額したり。場合によっては税務申告まで対応可能です。
税務知識を使いながら弁護士の仕事ができるというのは、先生ならではですね。不動産についてはいかがでしょうか。
遺産分割協議では不動産の評価がよく問題になります。売却してお金に換えるならわかりやすいですが、不動産をそのまま引き継ぐ場合は、いくらと換算するかが問題になります。
不動産に関する知識についても弁護士によって相当差が出ます。私は不動産鑑定士の資格も持っているので、たとえば相手が出してきた査定書におかしな点があれば指摘して修正を求めるなど、専門的な知識を使って依頼者の利益を守ることができます。
一人で抱え込まず、手遅れになる前にご相談ください
相続について弁護士に依頼するメリットを教えてください。
依頼者の希望を、専門的な経験と知識を使ってきちんと相手や裁判所に主張できることです。
たとえば、「自分は被相続人の介護をしてきたから、寄与分を主張して財産の取り分を増やしたい」という場合。インターネットで調べれば、寄与分を主張する要件や金額などの情報は簡単に手に入ります。しかし、ネットの情報はあくまでも一般論です。実際の協議や裁判で特別受益や寄与分を主張して、他の相続人や裁判所に認めてもらうためには、主張を裏付ける事実や証拠を示す必要があります。
こうした主張・立証活動をご自身でするのは難しいと思います。相続について専門知識を持つ弁護士のサポートを受けるメリットがあるといえるでしょう。
また、長年相続が放置されて相続人が膨大な数になっていたり、どこに住んでいるかもわからない相続人がいるような場合は、ご自身で相続の手続きを進めるのは至難の業です。弁護士に依頼すれば、煩雑な手続きを全て任せることができます。
他の相続人との交渉も弁護士が代わりにおこなうので、感情的な対立がある相手とも直接やりとりせずに済み、精神的なストレスが軽くなることもメリットです。
早めに相談するメリットと、相談が遅れることによるデメリットを教えてください。
時間が経つと、有利な証拠を手に入れるのが難しくなります。たとえば他の相続人が被相続人の預金を使い込んだと主張したい場合も、銀行の入出金履歴を遡って取れる期間には限界があります。
また、遺留分侵害額請求や相続放棄などは、法律上、手続きの期限が決まっています。相続税申告にも期限があります。期限を過ぎると、できたはずのことができなくなったり、余分な費用が必要になることもあるので、早めにご相談いただくに越したことはありません。
「弁護士に相談する前に、まずは自分たちで話し合ってみよう」と思う方もいるでしょう。ただ、相続人同士で話し合ってもめてしまうと、弁護士が間に入っても解決に時間や労力がかかる可能性があります。話し合う前に一度ご相談いただくか、話し合いが難しそうだと思ったら早い段階でご相談いただくほうがスムーズに解決できます。
先生に相談したい場合は、どのようにすればいいですか。
電話か、弁護士ドットコムまたは事務所ホームページのフォームから相談予約をしていただき、予約当日に事務所へお越しください。業務時間は平日9時から17時ですが、夜間や土日祝も相談に対応できる場合があります。
相談料は30分ごとに5500円(税込)です。相談後にご依頼いただいた場合は、相談料は無料となります。
相続について悩み、弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
相続については、身内のことだからという理由で弁護士に相談しなかったり、一人で抱え込んでしまったりする方が少なくありません。ただ、ご自身で対応してしまうとトラブルが大きくなったり、いつの間にか不利な条件で遺産分割をさせられることもあります。
また、もめごとが発生した場合に、他の相続人との交渉や調停・審判など裁判所の手続きにおいて代理人となれるのは弁護士だけです。当事者間の話し合いが難航しそうな可能性があるなら、早い段階で、弁護士に相談・依頼することをお勧めします。