相続弁護士 ドットコム

小出康夫法律事務所

「相続事件は理屈だけでは割り切れない」〜相続人同士の関係性や心情にも配慮し、円満な解決へ導く

弁護士歴29年、東京都台東区で長年事務所経営を続ける小出康夫弁護士(小出康夫法律事務所)に、事務所の理念や仕事をする上での心構えなどを聞きました。相続事件に取り組む原動力は「人間が好きだから」。相続人同士の複雑な人間関係を丁寧に紐解き、事件終了後も円満な関係が続くよう、解決への道筋を組み立ていくといいます。事務所ならではの強みや、初回相談の流れについても詳しく伺いました。(東京弁護士会所属)

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小出 康夫弁護士
小出康夫法律事務所
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インタビュー

まずは「聞く」ことが解決への第一歩。依頼者の悩みを正面から受け止める

弁護士2年目で独立され、長きにわたり、上野御徒町に事務所を構えています。事務所の理念や大切にしていることを教えてください。

もともとは秋葉原で独立し、一時的に四ツ谷に移転、最終的に上野御徒町に落ち着きました。この街に事務所を構えて今年で18年目になります。

法律事務所に笑顔で来る方はほとんどいません。皆さん、不安や悩みを抱えて、深刻な表情をしていらっしゃいます。険しい顔付きでドアを開けて入ってきた方が、私と話をした後は「何とかなりそうだ」と前向きになり、少しでも明るい表情で事務所を後にできるように。常々そう考えて、お越しいただいた方一人ひとりに向き合っています。

仕事をする上で心がけていることは何でしょうか。

相談に来た方の話をよく聞くことです。法律とあまり関係のない話であっても、途中で遮ったりはしません。適度に情報を整理しながら、「この方はどんな思いを抱えて事務所に来てくれたのだろう」と考えつつ、じっくりと話を聞きます。私から質問したり、意見を提示したりするのはその後です。まずは、相談内容や依頼者の希望を理解することに集中します。

私の頭の中では、話を聞く過程で「この方の問題の核心はここだな」「こういうふうに進めた方がいいな」と客観的な見立てが浮かぶのですが、それをあまり早い段階で伝えても本人が納得できないケースが多いんです。本人にとって不都合なことや、気づきたくなかったことが問題解決のカギを握っていることもありますから。

自分にとって耳が痛い内容ほど、冷静に聞くことは難しいですよね。

はい。ですから、私の意見を伝えるべきタイミングは慎重に図るようにしています。

大切なのは、まず、思いの丈を全て話してもらうこと。その方が抱えてきた悩み、不安や不満、怒りや悲しみ…胸の奥に溜まったモヤモヤを外に出してもらい、私が受け止めます。そのプロセスを経た上で、適切なタイミングを図って私の意見を伝えます。

法律トラブルは人生の一大事であり、どんな選択をするかによって本人やその周りの方の行く末が大きく変わる場合もあります。悔いが残らない正しい選択をしていただくため、本人にとって必要と判断すれば、少々厳しい話をすることも大切だと考えています。

例えば、「お気持ちは十分わかりました。でも、あなたの思いを全部実現した状態になったら、相手の方はどう思うでしょうか」「相手のことも少しは考えてあげないと、うまく解決できませんよ」といったアドバイスもできるだけ率直に伝えるようにしています。

不動産が絡む相続事件に強み。他士業とも強固に連携

相続について、どのような相談が多く寄せられますか。

不動産の承継に関する相談が多いです。たとえば、「相続財産の中に不動産があるが、どうやって分ければいいのか」「家業を営んでいる不動産を引き継ぎたい、あるいは引き継ぎたくない」といったケースです。

事務所がある上野・浅草地区は、東京の他の地域と比べて人間関係が濃いと感じています。相続人同士の感情的な対立はときに非常に激しくなりますが、私は法律の専門家として、あくまで冷静に交渉を進めていきます。

交渉にあたって、依頼者本人の希望や心情を尊重することはもちろん、他の相続人の方の気持ちや相続人同士の人間関係も考慮し、その案件にとって一番いい着地点に到達することを目指します。

案件によっては、不動産鑑定士や司法書士など、弁護士以外の専門家の力が必要な場合もあると思います。そのような専門家の方もご紹介いただけるのですか。

はい。「この人なら間違いない」と思う方をご紹介しています。他業種の方とは日頃から密なネットワークを築いており、不動産鑑定士や司法書士、税理士の先生方から案件を紹介してもらったり、弁護士としての意見を求められたりすることも多いです。

私のところへ来てもらえれば、相続の手続きは責任を持って最後まで全てやります。相続に関するどのような悩みも安心してご相談いただければと思います。

初回の相談はどのような流れで進んでいくのでしょう。

まずは20分から30分かけて相談内容をお聞きします。その後、私から質問してより詳しい情報を引き出し、見通しを立てていきます。初回の相談は1時間ほどかかることが多いです。最終的に今後の方針を説明して、納得していただければ受任するという流れです。

もちろんすぐに決断する必要はなく、一旦持ち帰って検討していただいてかまいません。費用について知りたい方には、その場で概算を提示いたします。

「相談してよかった」と思ってもらえるように

相続について、先生の事務所ならではの強みを教えてください。

どんなに複雑にこじれた案件でも苦にならないことでしょうか。弁護士の中には相続の案件を扱わないという方もいますが、私はむしろ積極的に受けたいと思っています。

一言で言うと、人間が好きなんですよね。依頼者とそのご家族が、今までどのような歴史を紡いできたのか。亡くなった方は、懸命に築いた財産をどのような思いで相続人に託したいのか。そんなことに思いを馳せながら、1つ1つの案件にじっくり取り組んでいます。

相続のトラブルは法律のルールだけで割り切れるほど単純ではありません。相続に関しては、六法よりも人間を優先すべきケースもあるというのが私の考えです。相続人と被相続人がどのような関係を築いてきたか、相続人同士がお互いのことをどう思っているのか。依頼者から話を聞き、複雑な人間関係を1つ1つ整理していきます。理屈だけではなく人間関係も考慮して解決までの道筋を組み立ていきます。

残念ながら、相続がきっかけで人間関係が崩れてしまうことは少なくありません。仲が良かった兄弟姉妹が相続で揉めて、最後まで関係を修復できないまま、「もう二度と会いたくない」と絶縁状態になるケースもあります。

私に案件を任せていただいたからには、天国にいる被相続人が「財産なんか残さなければよかった」などと悲しむ状況になることは絶対に避けたいのです。遺産分割の話合いをできるだけ円満に進めて、相続人一人ひとりが適切に遺産を引き継ぎ、相続が終わった後もいい関係性がずっと続いていくように。そのような心配りで1つ1つの案件に向き合っています。

最後に、相続のトラブルを抱えて弁護士への相談を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

悩んでいることがあっても、なかなか弁護士に相談する気持ちになれない方は多いと思います。「高額な費用がかかるのではないか」「弁護士が何をしてくれるのかわからない。依頼したら却って面倒なことになるのでは?」といった不安が先に立ってしまう。私が悩んでいる方の立場なら、そのように思って相談をためらうかもしれません。

しかし、弁護士は皆さんがイメージするほどとっつきにくい存在ではありません。相続について真剣に考えて、依頼者の悩みを解決するために一生懸命取り組んでいる法律事務所は多くあります。今は弁護士ドットコムなどのポータルサイトで法律事務所の情報を手軽に調べられます。そのようなサイトを活用してお近くの事務所を調べて、「信頼できそうだ」と思うところを見つけたら、ぜひ相談に行ってみてください。

法律相談では、弁護士から、今後の見通しや問題解決のためにすべきことを示してもらえます。専門家のアドバイスを聞くことで、今よりもいい方向に進むにはどうすべきかがわかるので、気持ちが随分軽くなるはずです。依頼するかどうかは、相談した後にじっくり考えればいいのです。

法律相談を受ける際、私はいつも「相談に来てよかった」と思っていただけるように対応することを心がけています。わざわざ事務所に足を運んでいただき、時間を頂戴するからには、何かプラスになるものを得て帰って欲しいんです。私だけではなく他の先生方もきっと同じ気持ちだと思います。

トラブルを抱えたら、ぜひ、なるべく早い段階で弁護士にアクセスすることをお勧めします。平和な日常を取り戻すための方法が必ず見つかるはずです。