個人の相続から事業承継まで幅広く対応。知識と経験を活かして依頼者が納得できる解決を実現
群馬県高崎市「白木蓮法律事務所」の宮森惣平弁護士(群馬弁護士会所属)に話を伺いました。中小企業診断士やファイナンシャル・プランニング技能士の資格を活かして、個人から企業まで幅広い相続案件を手がけている宮森弁護士。事務所の強みや相続問題を扱う際に心がけていることなどについて聞きました。
インタビュー
ファイナンシャル・プランニング技能士の知見を活かしたサポートを提供
事務所設立の経緯を教えてください。
白木蓮法律事務所は、妻の宮森聡子弁護士が2017年に設立しました。私はその当時、別の事務所で勤務していたのですが、2023年に合流して、現在は共同経営者として事務所運営に携わっています。
事務所名の「白木蓮」は事務所の所在地である高崎市の花です。法的側面から地域の皆様の支えになりたいという想いを込めています。
相続分野に注力している理由を教えてください。
中小企業では経営者が株式や事業用資産を保有しているケースが多いのですが、以前、経営者の方から相続に関する相談を受ける機会がありました。
経営者が亡くなった場合、相続が会社の経営を左右する問題へと発展するケースもあります。そのような事態を回避し、経営者やその家族が円満に相続を進められるようにサポートしたいという考えから、相続分野に注力しています。
また、私は2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持っています。税金や保険、年金といった財産にまつわる幅広い知識を、遺言書作成をはじめとした相続案件に活かせることも注力している理由です。
相続に関してはどのような相談が多いですか。
相続人の間で遺産の分け方について意見がまとまらないという相談が多いです。親と同居して面倒を見てきた兄弟姉妹が、その貢献を理由に法定相続分以上の財産を求めるケースや、親と同居していた兄弟姉妹に対して、財産の使い込みを指摘するケースなどがあります。
紛争になっている案件は、遺言書に不備があったり、そもそも遺言書が存在しないことによるものが多いと感じます。
群馬県ならではの相続の特徴はありますか。
地方では不動産の価値が都心に比べて低く、売却が難しいため、相続人の間で押し付け合いが起こることがあります。群馬県も例外ではありません。特に山林や田畑など維持管理が難しい不動産が相続財産に含まれている場合、問題が顕著に現れます。
都心では建物が老朽化していても、土地の価値が高いためすぐに買い手が見つかります。しかし、地方の不動産は売却が難しい上に、建物の解体費や維持費が大きな負担となります。そのため、相続放棄を検討する人も少なくありません。
弁護士に相談することで不安から解放される
相続案件を扱う際に心がけていることを教えてください。
結論を先取りしすぎないように心がけています。これまで多くの相続案件に関わってきた経験から、相談者の話を聞いたり資料を確認したりすれば、おおよその結果は予測できます。
しかし、結論だけを聞かされても、相談者は納得できるはずがありません。その結果に至る経緯や理由を丁寧に説明しながら、相談者が納得のいく解決策を提案することを大切にしています。
相続問題を弁護士に相談することにはどのようなメリットがありますか。
相続に関する法律は複雑であり、一般の方が理解しにくい場合があります。相続に慣れていない方は、どのような手続きをどういう手順で進めていけばよいのか不安に思うこともあるでしょう。
弁護士に相談することで適切な手続きを理解し、解決策を見つけることができます。それにより、相談者は先行きが不透明な状況から開放されて、安心感を得て相続手続きを進めることができます。
これまでの活動で印象に残っているエピソードを教えてください。
3年ほど前に終了した遺産分割調停が印象に残っています。相続人である兄弟が不仲でなかなか折り合いがつかず、解決までに約2年かかりました。
相手方には私の依頼者を見下す態度が見受けられたのですが、調停期間中、私は相手方を批判するような態度は示さず、冷静に対応することを心がけました。依頼者の想いに配慮しながらも、書面に相手を非難するような内容は書かず、抑制的な態度を保ちました。
また、提案する調停案も常識的な内容に留めるように努め、粘り強く交渉を続けました。
その結果、裁判所の調停委員がこちらの調停案を支持してくれて、相手方にこちらの提案を受け入れるよう説得し、合理的な内容で解決することができました。
この案件から学んだことは、裁判所や相手方との接し方です。主張すべきは主張しつつ、礼節を保ち、冷静に案件を進めることの重要性を再確認しました。
当事者だけでは処理できない問題を解決
相続分野のやりがいはどのような点にありますか。
当事者だけでは解決できない難しい問題を解決できる点にあります。当事務所では日々さまざまな相談を受けていますが、その中には、被相続人が亡くなってから何年にもわたって相続が放置されていて、今からでも手続きをした方がいいのか、という相談があります。相続人同士が互いに主張を変えなかったり、不仲なために連絡を取ろうとしなかったり、事情はさまざまです。
そのようなケースでも、弁護士が介入することで解決できる場合があります。家族の関係を修復することは難しくても、長年放置してきた相続の手続きを完了できれば、当事者たちは前に向かって進めるはずです。1人ひとりの人生に関わる問題の解決を手伝えることに、やりがいを感じます。
相続分野における事務所の強みを教えてください。
弁護士として16年以上の経験があり、遺産分割調停をはじめとするさまざまな相続案件を解決してきました。その中には高等裁判所の抗告審まで進んだものもあります。これらの経験と実績が強みとなっています。
また、2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持っており、財産に関する幅広い知識があります。この知見を活かして、財産分配や遺言書作成などの相続案件において、より専門的なアドバイスを提供することが可能です。
中小企業診断士の資格も持っていますので、会社経営者の方からの事業承継の相談にも対応できます。
さらに、当事務所には女性弁護士が所属しており、女性相談者のニーズに応えられる環境が整っています。女性相談者にとっては、同性の弁護士の方が話しやすく、弁護士との信頼関係も築きやすいという側面があります。
最後に、相続問題で悩まれている方へメッセージをお願いいたします。
相続に関する悩みがあれば、まずは弁護士に相談することをお勧めします。紛争が発生していない場合でも、相談することには多くのメリットがあります。
弁護士は法律的な観点から適切なアドバイスや解決策を提供します。正しい法的知識を身に付けることで、相続人同士の話し合いが円滑に進み、紛争の可能性が軽減されます。弁護士の法的見解を聞くことは、問題解決に向けた大きな一歩となるでしょう。
相続問題は複雑なため、1人で悩みを抱えていても解決は困難です。相続に関する不安や疑問に丁寧に対応し、適切な解決方法を提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。