インタビュー
他士業との密な連携により時間もコストも削減
事務所設立の経緯を教えてください。
もともと司法書士や土地家屋調査士、行政書士、弁理士といった士業の方々が連携を取りながら事業を営んでいたところに、様々な問題に対処していくためには弁護士も必要ということから、2016年に参画しました。
各分野の専門家が同じフロアに常駐していますので、依頼者からのさまざまな相談にワンストップで対応しています。
相続分野に注力されるようになった理由を教えてください。
事務所が住宅街にあり、相続をはじめとした家事問題の相談が多いことから注力するようになりました。また、相続には不動産が関係することが多いので、司法書士や土地家屋調査士との連携をスムーズにできる当事務所の特徴を活かせる分野だと思っています。
事務所の強みを教えてください。
他士業と連携を図る弁護士は他にもいると思いますが、当事務所は同じフロアに常駐しているため、連絡や情報共有を迅速に行うことができ、よりスムーズな解決を図ることが可能です。
そうした他士業との連携において、私自身が最後まで関われることも強みだと思います。相続に付随して発生する不動産の登記や売却など、実際の手続きは他士業の方が行いますが、進捗状況を確認しながら、最終的な解決まで見届けて、トータルサポートを行うようにしています。
他士業との連携は時間や手間の短縮だけでなく、総合的な費用を抑えることもできるため、依頼者にとって大きなメリットではないかと思います。
依頼者に寄り添い、納得のいく答えを導く
相続問題に注力する上で心掛けていることはありますか？
なによりもまず、わかりやすい説明を心掛けています。相続問題の依頼者は高齢の方も多いので、法律用語なども極力わかりやすい言葉に置きかえてゆっくり丁寧に説明し、見通しについても可能な限り具体的に伝えるようにしています。
また、相続問題は関係者の感情面にどう寄り添っていくかが重要だと思っています。依頼者の思いをしっかり受け止めた上で、法律家としての見解を説明し、最終的に依頼者が納得のいく答えにたどり着けるよう努めています。
相続問題を弁護士に相談するメリットを教えてください。
はじめから紛争が予想される相続はもちろんのこと、揉めないと思われるケースでも、弁護士に相談するメリットはあると思います。
日頃から家族で相続の話をしている場合はいいですが、そうでない場合、他の相続人の考えを知らないまま遺産分割協議に入り、意見が対立してしまうことがあります。普段は仲のよい兄弟が、相続をきっかけに関係がこじれることも珍しくありません。
相続人の間で話し合いが始まる前に弁護士に相談すれば、話の進め方などについて助言を受けることができますし、他の相続人も法的なアドバイスが入ることで安心し、円滑に手続きを進めることができると思います。
直接の対話で双方の思いを汲み取る
印象に残っている案件はありますか？
直接の対話の重要性を実感した事件がありました。依頼者は、「兄弟と相続で揉めそうだ」と相談に来たのですが、相続が発生する以前から兄弟仲が悪かったようで、依頼者の話ぶりから相手への負の感情が読み取れました。
こうした感情的なしこりがある相続事件においては、丁寧で粘り強い交渉が大切です。依頼者の要望を一方的に伝えるのではなく、相手の話にもしっかりと耳を傾け、着地点を見つけなければなりません。その際には、仮に遺産分割を裁判で決着させることになった場合、見通しやどれほどの時間と費用がかかるかを伝え、冷静に判断してもらうように努めます。
この案件では、相手の自宅に何度も足を運び、直接対話することを心がけました。書面や電話で伝えるのではなく、顔を見て話すことが大事だと思ったのです。当初は不信感を顕にしていた相手方も、何度も足を運び、粘り強く話を続けていくうちに次第に態度が軟化していきました。
最終的には、依頼者の利益だけを考えているのではないことが伝わったのか、円満に遺産分割することに成功しました。しかも、直接話し合うことのなかった兄弟間に交流が生まれ、関係の改善が見られたのです。
相続の場合、事件終了後も依頼者と相手方との関係は続きます。相続によって関係が悪化してしまうこともあります。それだけに、問題解決とともに不仲だった兄弟の関係が改善したことは、とてもうれしく思いました。
最後に、相続問題で悩んでいる方へメッセージをお願いします。
相続トラブルは時間が経過するほど選択肢は減ってしまいます。ぜひ早い段階でご相談ください。
弁護士相手だからといって身構える必要はありません。「こんなことを聞いてもいいのかな」というような質問でも、気軽に相談してください。
当事務所は司法書士など様々な専門家と連携を取っていますので、どこに相談したらいいかわからないような問題であっても、幅広く対応させていただきます。